総合人材サービス、派遣会社のManpowerGroup

clear
clear

いろいろ学べます! Vol.68

進化する女性のためのキーワード集

時代のキーワードは「エシカル」

「エシカル」という言葉をご存知ですか?
英語で"倫理的な""道徳的な"を意味する言葉ですが、そもそも英国のブレア政権時にアフリカ諸国に対する政策のタイトルとして使われたことがきっかけとなったと言われています。植民地時代に「非エシカル」な政策を強いてきた過去がある英国にとって、エシカルな政策は、国の未来を切り開くうえで必要不可欠なポジティブな選択だったのでしょう。この時以来、英国では多くの企業で「エシカル」な姿勢、つまりCSRのスピリットをうたうことが急速に広まったそうです。

この言葉に出会ったのは、私が雑誌「マリ・クレール」の編集長をしていたときのこと。2007年にロンドン特集を組んだとき、ロンドン取材の記事の中にこの言葉が出て来て、初めて知ったというわけです。永らくミラノ・パリのコレクションを取材し続けてきた私も、こうしたことがきっかけとなって、地球温暖化がキャットウォークにどのような影響を及ぼすかということを観察ポイントにするようになりました。

周囲を見渡せば、社会は全体として大きな変化を遂げています。21世紀に入り、経済が「プロフィット追求型」から「社会福祉型」へとシフトし始めたと同時に、ファッションの世界にも「エシカル」のスピリットは広まり始めてきたのです。

変化はキャットウォークの上でというより、その周辺で見られ始めました。パリでは2004年からパリコレ直後に 「エシカル・ファッション・ショウ」が始まり、ロンドンではオーガニックとフェアトレードの一大見本市「エステティカ」がロンドンコレクションと平行して開催され、ニューヨークでは2008年に「フューチャーファッション」と題した、オーガニック・コットンを用いたトップデザイナーの手によるファッションショウが開催されました。

いずれも堰を切ったように世界のファッションキャピタルで起こっているこの動き、日本ではいま、デパートやセレクトショップなど小売りの現場でエシカルアイテムが紹介されるという動きが急速に顕著に見られます。オーガニック、フェアトレードという言葉はいま、日本ではトレンドのように語られ始めています。一説には、タイガーマスク現象以来、社会貢献は広まりを見せ、「エシカル」と言う言葉までも広く語られるようになり、オーガニックものを扱う店先では、ギャルが「わお、これって、チョーエシカルじゃん!」と叫ぶまでになっていると言われます。

ところで巷には、オーガニック・コットンと称する商品が溢れ始めていますが、このオーガニックのテキスタイルの世界に、グローバルな基準があるのはご存知でしょうか? 2002年にドイツで制定された「GOTS」(オーガニック・テキスタイル世界基準)ですが、この認証制度を広める地域代表に、昨年秋、私が任命されました。その世界会議に出席するために、この2月ドイツのニュルンベルグに出かけましたが、有機農法により栽培されたオーガニック・コットンを原料として、生産のプロセスで化学薬品を極力用いないことで自然環境への負荷を最小限にとどめる、また児童労働の禁止、良好な労働条件の保証を条件とする、という自然保護と社会貢献、エシカルな両面から「オーガニック」を保証する新しい認証制度として注目を集めています。

ファッションに限らず、「エシカル」という言葉は、すべての領域で応用可能です。ルール違反をしてでも利益を得る、一人勝ちという発想は、過去のもの。これからは、皆が"ウィン-ウィン"になる、助け合って互いに豊かになる、誰かの犠牲の上での豊かさでは長く続かない、そんな発想が21世紀のスタンダードとなりつつあることを心にとめておきたいものです。

photo
clear
生駒 芳子 (Ikoma Yoshiko)

プロフィール
生駒 芳子 (Ikoma Yoshiko)

VOGUE、ELLEを経て、2004年よりmarie claireの編集長を務めた後、2008年に独立。現在はファッション、アートからエコ、社会貢献、ライフスタイル、女性の生き方、クール・ジャパンプロジェクトまで広い視野でトピックを追い、執筆、講演、プロジェクト運営を通して、新しいメッセージを発信するジャーナリスト、プロデューサーとして活躍中。

Blog : 1oven.com / blogs.glam.jp
Twitter : yoshikoikoma

ページのトップへ戻る
footer
clear
clear
Copyright © ManpowerGroup Co., Ltd. All Rights Reserved.
clear