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いろいろ学べます! Vol.71

進化する女性のためのキーワード集

日本を未来へと牽引する「クール・ジャパン」

どこかで聞いたことがある――と思われる方も少なくないと思いますが、「クール・ジャパン」という言葉。日本に住む外国人が"クール"だと感じる日本の文化、風習、ものを紹介するNHKのテレビ番組のタイトルで一躍有名になりましたが、このタイトルが国家戦略へと発展しはじめていることは、ご存知ですか?

経済産業省が中心となって、外務省、観光庁、農水省、文科省など、各省庁を横断的に束ね、日本の戦略的産業分野である文化産業、クリエイティブ産業、たとえばデザイン、ファッション、アニメ、映画などの海外進出の促進、国内外への発信や人材育成などの推進を行うという、文化戦略です。

私はこの「クール・ジャパン」審議会の委員を、ここ半年間務めてきました。各界を代表する方々と並んで、いろいろな意見を自由に交わす場なのですが、この審議会に参加したことは、私にとっては感慨深いこととなりました。

なぜなら、永らくファッション、アートという分野に身を置く経験の中で強く感じてきたことの一つが、「日本は自国の才能を認め、発信することが弱い!」ということだったからです。その結果、頭脳流出、つまり秀でた才能は決まって海外に飛び出し、海外から発信し、日本に逆輸入されてきたのです。そうした歴史をもつ日本が、文化の発信を国家戦略にする段階に至ったことは、夢のような出来事ともいえるわけですが、けっして夢ではなく、今年はまさにこのことが実現する記念すべき年となるのです。

語源は、1990年代に、イギリスのトニー・ブレア政権が推し進めたクリエイティブ産業の推進事業"クール・ブリタニア"にあるとされ、最近では韓国で同じく文化の発信を「クール・コリア」と呼んでいます。文化戦略を国家単位で推し進めることで、かの韓流ブームはアジア全体に広まったのです。

3月11日の大震災は、いろいろな意味で、日本が新しいステージに向かうきっかけとなりました。このような時期だからこそ、次に向かう切り札が必要——と考えたとき、「クール・ジャパン」はまさにその大きな手がかりとなるのです。

日本の強みはどこにあるか?日本は、文化の宝の山である。などなど、審議会でさまざま話し合ってきましたが、これからはそれをアクションに変えるときです。

誇れる"日本らしさ"の筆頭が、美意識や繊細さ、さらにはそれらを生かしたものづくり、技術開発力です。いま私が注目していることの一つが、伝統工芸世界のものづくりです。21世紀に入り、ファッションの世界はものづくりの原点に戻る動きが見られます。ラグジュアリーブランドが、軒並み、クラフトマンシップのプロジェクトをはじめているという現実が、そのことを物語っています。そもそも欧米のラグジュアリーブランドはほとんどが、クラフトマンシップを原点として誕生してきています。一方、日本は、これだけ伝統工芸の世界があるにも関わらず、ただの一つもラグジュアリーブランドが生まれてきませんでした。

そもそも着物やお茶の世界のために成り立ってきた伝統工芸の世界を、今後いかに現代的に飛躍させるか?このことも「クール・ジャパン」の課題の一つといえるでしょう。

自国の文化に誇りをもつ。その価値を高める。若い才能を育てる。まずは、私たち一人一人が、日本の文化のパワーに関心を持ち、リスペクトすることから、「クール・ジャパン」ははじまるのです。

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生駒 芳子 (Ikoma Yoshiko)

プロフィール
生駒 芳子 (Ikoma Yoshiko)

VOGUE、ELLEを経て、2004年よりmarie claireの編集長を務めた後、2008年に独立。現在はファッション、アートからエコ、社会貢献、ライフスタイル、女性の生き方、クール・ジャパンプロジェクトまで広い視野でトピックを追い、執筆、講演、プロジェクト運営を通して、新しいメッセージを発信するジャーナリスト、プロデューサーとして活躍中。

Blog : 1oven.com / blogs.glam.jp
Twitter : yoshikoikoma

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