働き方改革の基本線

2015年1月15日

働き方改革の基本線
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 主席統括研究員 濱口 桂一郎

政府の成長戦略の重要軸に「人材の活用強化」が据えられ、女性の活躍推進、働き方の改革、外国人材の活用に関する検討が進められています。そこで、広く労働の研究に携わる濱口桂一郎先生に、企業として様々な変化に対応するため、2015年に留意すべきポイントを伺いました。

濱口 桂一郎

昨年6月に閣議決定された『「日本再興戦略」改訂2014』は、女性の活躍促進と働き方改革を旗印に、雇用制度改革に向けた様々な方針を打ち出している。しかし、その後の政治家やマスコミの動向を見ていると、それを支持する側も反対する側も働き方改革とはどういうことなのかを的確に理解していないのではなかろうかと思われる状況が続いている。

ここで提起されているのは、戦後70年にわたって日本の労働社会の基軸となってきた働き方のスタイルを見直すということである。それを一言でいえば、女房子供を扶養する男性正社員を前提として、仕事の中身も、働く時間も、働く場所すらも無限定に、会社の指示のままにモーレツ社員として働く代わりに、新卒一括採用から定年退職までの終身雇用と、毎年定期昇給で上がっていく年功賃金制を保障された働き方の枠組を、もっと多様で一人一人の生き方に合った形に手直ししていくということになる。
無限定な働き方と生涯雇用保障の二つは密接不可分であり、お互いに相手を前提として精妙に組み立てられている。一方だけのいいとこ取りができるような生やさしい仕組みではない。ところが、雇用改革の議論はいつも、労働者を無限定に働かせることができる企業の強大な人事権限はそのまま維持しながら雇用保障を目の敵にしてもっと自由に解雇できるようにすべきだと主唱する一派と、雇用保障を当然の前提としながら企業の人事権限を批判する一派との、不毛なポジショントークに覆われてしまい、なかなかまともな議論が進まない傾向にある。

目下大きな議論の焦点となっているいわゆるホワイトカラーエグゼンプションについても、野党や労働側がとかくこれまでの長時間残業でたくさん残業代を稼ぐという生き方から「残業代ゼロ」ばかりを批判する一方で、経営側が時間無制限な働かせ方に頼り切ったまま労働時間の物理的上限設定に頑強に抵抗している姿には、これまでの働き方の惰性からなかなか抜けきれない労使双方の姿が浮かび上がっていると言えよう。
こういう惰性の議論がいつまでも続くことによる最大の被害者は、無制限な働き方を前提とされたのではその能力を十分に発揮できない女性たちである。成長戦略で大いに活躍を促進することになっているはずの女性たちが、労使双方の抵抗で働き方改革が進まないことによって、いつまでも世界最下位近くの活躍度合いで低迷し続けていては、「日本再興」などいつまで待っても実現することはないだろう。女性の活躍促進とは、表面を取り繕うために名ばかり女性管理職をでっち上げることではなく、全国の企業で働く多くの女性たちが真に働きやすい労働社会を構築していくことである。

【プロフィール】

1958年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業。労働省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院調査局厚生労働調査室次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、現在、労働政策研究・研修機構の主席統括研究員。著書には『労働法政策』(ミネルヴァ書房)、『新しい労働社会――雇用システムの再構築へ』(岩波新書)、『日本の雇用と労働法』(日経文庫)、『日本の雇用終了― ―労働局あっせん事例から』(労働政策研究・研修機構)、『団結と参加――労使関係法政策の近現代史』(労働政策研究・研修機構)、『若者と労働――「入社」の仕組みから解きほぐす』(中公新書ラクレ)など多数。

全国拠点のネットワークを使った「採用アウトソーシング」

地域人材の大量採用―。さて、どうやって進めよう

企業が地方に大型事務センター・コールセンター等を開設する際に大量採用は必ず発生するプロセスであり、採用実務を任される人事担当者にとっては労力が掛かるプロセスです。ましてや該当地域の情報・人的資源がない場合、その負荷度たるや想像に難しくありません。マンパワーグループでは、「採用アウトソーシング」をサービスの一つとして提供しており、お客様の「第二の人事部」として機能します。求人メディアの検討から、募集広告手配、応募受付、現地説明会など、依頼先が分散しがちな窓口を1本化。採用計画・採用ゴールを共有し、お客様の人事部と併走しています。

全国の156拠点と連携して、継続的なサポートを

当社による採用アウトソーシングのポイントは、各地域の特性を踏まえたサポートです。全国の支店には、各地域の求人マーケットや求人メディアの動向などといった採用関連の最新情報があり、量的な採用実務の代行のみならず、専門部隊と各支店との連携と長年の採用ノウハウにより「質の提案」も可能にしています。また、長期にわたり、継続して関係づくりができる「企業としての信頼性」も、お客様よりご評価をいただいています。BCP(事業継続計画)の観点から事業拠点の分散化が進む現在、地域人材の採用は直面しうるテーマ。採用計画を立てる際、採用アウトソーシングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

[豆知識]U・Iターンを取り巻く環境に新たなトレンド

人口減少克服・地方創生を課題に掲げ、政府の掛け声により省庁横断組織として設置された「まち・ひと・しごと創生本部」。国による施策も走り始めた今、かねてからの全国各地の熱心な取り組みも相まり、U・Iターン環境の風向きも徐々に変わりつつあるようです。

東京在住者の移住の希望有無
地方へ移住してもよい 40.7%
10代・20代の移住予定者・検討者 46.7%
Uターン移住希望者 29.3%
Iターン移住希望者 20.1%

出典:首相官邸「まち・ひと・しごと創生会議(第1回)」2014年9月19日配布資料

2015年1~3月の雇用意欲は2008年第2四半期以来の最高値

+21% 2015年1~3月の純雇用予測

マンパワーグループが行った雇用予測調査によると、純雇用予測※1は+21%(季節調整値※2)と、雇用意欲の拡大傾向が継続、前四半期比+2 ポイント、前年同期比+5 ポイントとなっています。詳しくは「マンパワー雇用予測調査」をご覧下さい。

※1 純雇用予測とは、来四半期に「増員する」と回答した企業の割合(%) から、「減員する」と回答した企業の割合(%) を引いた値。
※2 季節調整値とは、新卒採用など、雇用活動の季節的な変化による影響を排除するように調整を加えた純雇用予測

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