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新入社員はなぜ辞める?「早期離職」のメカニズム

掲載日2017年12月19日

最終更新日2023年3月20日

新入社員はなぜ辞める?「早期離職」のメカニズム

目次

4月に入社した新入社員も入社から半月も経てば、数々の成功・失敗の体験から様々なことを学び、成長していることでしょう。次年度には後輩が入社し、今度は先輩社員として見本を見せ、教える立場になり、益々の成長が期待されます。
これから会社を担っていく人材としてその成長が楽しみである一方、「来年のこの時期まで会社にいてくれるだろうか?」という不安の声、または、「残念ながらもう辞めてしまった社員がいる」という落胆の声も聞こえてきます。

人材不足が深刻化するなか、募集から採用、仕事を教えて一人前になってもらうまでの時間とコストを考えると、新卒の早期離職は企業にとって本当に大きな損失です。

ではどうして入社後の早期離職は起こってしまうのでしょうか?
そしてどのようにすれば新卒採用の早期離職リスクを低減できるのでしょうか?

今回は、新卒の早期離職の原因例と早期離職を未然に防ぐ採用時・入社後のフォローアップのポイントについてご紹介します。

売り手市場による各社採用合戦の影響

厚生労働省が行った調査(平成28年度大学等卒業者の就職状況調査)によると、2017年卒の大学生の就職内定率は97.6%であることが分かりました。 一方、せっかく内定を出しても辞退をしてしまう割合、内定辞退率が過去最高の64.6%とされるデータも報道されました(リクルートキャリア調査)。

「内定式に参加したとしても、他社にいってしまう」
「辞退を見越して、規定枠より少し多めに内定を出しているが、それでも採用数に満たなかった」

このような現状が引き金となり、各社の内定者引き留め活動が年々ヒートアップしています。
先輩社員との交流頻度を増やすなどして必死に自社のよいところをアピールさせたり、内定者研修の実施はもちろん、入社までの資格取得支援金を支給したりするなど、他社との差別化を図り自社により魅力を感じてもらえるような「手厚いフォロー活動」を行う企業が増えてきています。
しかし、この手厚さが仇となり、入社後の早期離職に繋がってしまうケースが多く発生しているのです。

入社後のマイナスギャップ

厚生労働省の調査(平成25年度新規学卒者の離職状況)によると、入社から3年以内の退職者の割合は約31.9%です。

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上記は、入社から3年以内の退職者の勤務年数別の内訳をグラフにしたものですが、最も多いのは入社1年以内の退職者です。理由はさまざまあるなか、近年売り手市場に転じてからは、「入社前と後との会社や業務に関するイメージの違い=イメージギャップ」を理由とする退職が増加傾向にあります。

「うちの会社に入るとこんなことが出来るよ」「こんなメリットがあるよ」という良い点のアピールをすることは決して悪いことではなく、むしろ当然するべきだと思います。
しかし問題となってくるのが、そこに真実とのギャップはないか、ということです。

入社をして欲しいがあまり、実態以上のアピールをしてしまっている場合、入社後、新入社員は徐々に気が付き始めます。最初は「あれ?なんか聞いていたのとちょっと違う?」という少しの違和感であったとしても、実際の仕事が始まり、今までと違う生活でただでさえストレスを感じる時期に、その違和感は徐々に大きなものとなり、「ちょっと違うかな?」から「この会社は自分に合わないのでは?」「思っていた社風と違う」といった感情を経て、「だまされた!」という怒りや悲しみ・会社に対する不信感へと変化していってしまうのです。

ポイント 1: 実態に即さない、行き過ぎた自社アピールは、後の早期離職の引き金になるので見直しを

採用目標数に達することが出来ない苦しさのなか、何とか学生の関心を惹こうとするゆえではあると思いますが、後々辞めてしまうのであれば意味がありません。早期離職率が高い場合、一度自社の採用時のアピール内容を確認し、実態と即さないのであれば見直すことをお勧めいたします。

そして良い点だけでなく、成長のために通らなければならない厳しい道のり、そしてそれを乗り越えた先に見えることなども、経験談をもとに情報発信をされてはいかがでしょうか?そのうえで入社してくる新入社員は、きっとたくましく試練に耐え、成長し、将来の会社を担う人材になっていくことでしょう。

ポイント 2: 新入社員研修では、社会人としてのマインドチェンジ(マインドセット)を入念に

「学生から社会人へのマインドチェンジ」は新入社員研修では定番のテーマです。しかし近年はその中身(コンテンツ)に工夫が必要になってきています。

入社までは学校で最上級学生という立場であったことに加え、会社に入る前まで近年の内定者は「貴重な存在、デリケートな存在」として手厚いフォローを受けてきました。つまり、内定者を取り巻く生活環境は、内定者中心の心地のよい環境が続いていた状態なのです。

しかし、一度社会人生活が始まれば、様々な試練を自らの力で乗り越えていかなければいけない立場となります。
入社してから現場に配属になるまでの間に、「自分優位・受け身のマインド」から「率先して学ぶ立場の自覚、自律的なマインド」へとしっかりと新入社員研修でシフトさせることは、新入社員の即戦力化や早期離職防止の観点からも、たいへん重要となってきます。

新入社員研修では、従来のような「社会人と学生の違い」を伝えるだけでなく、学生たちが今までたどってきた背景なども踏まえたマインドチェンジ・マインドセットを含むカリキュラム設計をすることをお勧めいたします。

キャリア開発・階層別・課題別のセミナー

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最後に

新入社員の早期離職は、企業にとっても、そして学生にとっても、たいへん不幸なことです。
今回ご紹介した対策ポイントはほんの一部ですが、新入社員がたくましく成長していく過程を社内で長く見守れるよう、ぜひ入社後のマイナスギャップを軽減させるための活動として、採用時・採用後のフォローアップについて一度この記事をきっかけに振り返っていただけましたら幸いです。

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著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社

マンパワーグループ株式会社

世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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