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社員研修はeラーニングが主流に 課題はその管理

掲載日2021年10月12日

最終更新日2021年12月 1日

目次

    新型コロナウイルスをきっかけにテレワークの導入が大きく進みました。

    社内会議やクライアントとの商談などもオンラインツールを活用し、在宅勤務で行えるような環境が整いつつあります。実務をいかに「withコロナ」に対応させるかが焦点であり、その結果ビジネスのフローは多様化しています。

    しかし、この社会的衛生問題は、終息の見通しがまだ立ちません。業務フローだけでなく、長期的に企業活動を続けられる体制づくりが必要な状況です。その影響もあってか、社員研修についても少しずつ変化が見られるようになりました。ある教育コンテンツ事業者によれば、集合型の研修が難しくなった影響によりeラーニングで履修できる教育コンテンツを導入する企業が急拡大しているそうです。

    新卒研修を含め、多くの企業が従来通りの研修は行うことができず、最低限の研修やOJTなどでの対応を余儀なくされていました。

    しかし、これからは社員教育も「withコロナ」を念頭に考えていく必要があります。

    コロナ禍における社員教育の課題

    2020年は、目の前の実務をwithコロナへとシフトさせることに注力せざるを得ない状況であり、社員教育については後回しにされがちな部分もありました。

    企業の存続に関わる業務のトランスフォーメーションが最優先課題であることは、もっともなことです。
    在宅勤務用のツールの導入やその費用、ネットワーク環境の整備やコンプライアンス問題、情報セキュリティ対策などさまざまな課題に対応する必要があったはずです。

    接客業などにおいては、緊急事態宣言により自宅待機となるケースも発生し、このような業種では在宅で業務を行うことが難しく、待機期間を有効活用するために、可及的速やかに充分な教育カリキュラムを提供する必要がありました。

    ただ、社員教育を実施するにしても、頻繁に変化する感染状況の中で集合型の研修は計画が難しく、オンライン研修については、コンテンツを作る時間的猶予が無いという問題もでてきました。

    しかし、社員教育をいつまでも後回しにするわけにもいきません。状況に即した教育の在り方を模索している企業も多いのではないでしょうか。

    社員教育不足が招く危機とは

    新入社員戦力化の遅れ

    机上の学習だけでは、新入社員を戦力化することはできません。特に、従来OJTで担っていた部分の教育は、withコロナに対応した別の手段を検討する必要があります。新入社員の戦力化が遅れれば、それだけコスト増となる可能性があります。

    ハイパフォーマーの流出

    パフォーマンスの高い社員ほど、自身のキャリアについて高い関心を持っています。自身のキャリアアップに繋がる教育やフォロー体制がしっかり整った職場環境は、こうした社員にとってとても魅力的であり、充分な転職理由となり得ます。

    業務クオリティの低下

    対面で提供するサービスや営業活動と、リモートでのサービス提供や商談とでは、やはり勝手が違います。例えば、リモートでも相手に"刺さる"コミュニケーションを取るためには、高度なプレゼンテーションスキルやファシリテーションスキルが必要となり、これらのスキルはwithコロナ時代に、多くの社員にとって新たに身につける必要があると考えられます。

    在宅勤務であるがゆえに、他人からの刺激を受けにくい

    ZoomやTeamsミーティングなど、在宅勤務でも社内外とコミュニケーションを取ることができるツールが急速に普及しました。また、社員のPCの稼働状況を監視するようなツールも登場しています。

    こうして、在宅勤務が一見オフィスでの勤務と遜色ない状況を作り出すことが可能になったように見えていますが、上司や同僚とデスクを並べて仕事をする環境とはやはり異なります。
    デスクを並べて仕事をしているからこそ生まれる何気ないコミュニケーションが、新たなビジネスのヒントになったり、お互いの刺激になったりすることで、仕事上の新たな発見に気付かされたり、仕事の進めかたや仕事に取り組む熱意にも影響を与えてきたのです。

    こうした刺激を与える代替手段としての教育、例えば経営分析やロジカルシンキング等の教育コンテンツを求める企業は増加しています。

    積極的なeラーニングの活用を

    今は、従来行われてきた集合型の研修を実施することが難しい状況です。
    一方で、在宅勤務での業務に限界がある職種では、緊急時の在宅勤務時間を有効活用して従業員教育に力を注ぐ企業もあります。

    雇用調整助成金を受給されている企業においては、特例措置による助成金の増額を得られることから、休業期間中に従業員に対する教育訓練に乗り出したケースも少なくないのではないでしょうか。
    そこで注目された教育・訓練の手段が、eラーニングです。

    e-ラーニングのトレンド

    eラーニング(e-Learning)の「e」はelectric、つまり「電子的な」という意味です。eメールの「e」と同じです。個々人が持っているパソコンやタブレット、スマートフォン等の電子端末から、インターネットで配信される教材を受講する、これが現在普及している一般的なeラーニングの形です。

    日本では2000年代から企業に普及し始めました。
    eラーニングの手法は従来よりも多様化しており、今では次のようなトレンドが見られます。

    • 「動画の利用」が主流となってきている
    • 集合研修など他の手法と合わせて活用する「ブレンディッド・ラーニング」が増加
    • 隙間時間を利用してスマートフォン等で学習する「マイクロラーニング」が注目されている
    • 自社に即した教育を行える「教材の内製化」が浸透しつつある

    弊社パートナー会社である教育コンテンツを作成している企業によれば、教育コンテンツを導入する企業は急拡大しており、特に「DX関連(データの可視化、データサイエンスの全体像、統計学、分析関連のコンテンツ)」、「管理職向け研修」「在宅対応のOJTトレーナー向け研修」や、全ての階層を対象にした「ロジカルシンキング」「問題解決」等のコンテンツが人気を集めているそうです。

    従来のeラーニングはCD-ROM配布かオンラインセミナー形式

    もし、これまで集合研修で対応してきた教育コンテンツがあるとすれば、今同じ方法を取ることは困難です。

    また、これまで紙のテキストやテストを併用したオンライン形式のセミナーや、CD-ROM等の教材を使用した自己学習を行っていたのであれば、同様の手法を継続するためには、出欠管理等の人的工数が発生し、テキストやCD-ROMの郵送に係る工数やコストも無視できず、さらには、各従業員の取組み状況やカリキュラムに対する進捗を管理・把握するには大きな工数がかかります。

    各従業員の取組み状況やカリキュラムに対する進捗を管理・把握できないとなると、特にコンプライアンスや情報セキュリティに関わる年次の従業員教育が実現できなくなる可能性もあります。
    そして、その他の教育コンテンツも「配布しただけ」「受講するよう指示しただけ」では、進捗が受講者任せになってしまい、従業員のモチベーション管理はもとより、せっかく提供した教育機会が無駄になってしまうかもしれません。


    withコロナ時代の従業員教育において重要なのは、用意した教育コンテンツを最も合理的な方法で各従業員のもとに届け、モチベートし、進捗状況を管理・把握する仕組みも整える必要があるのです。

    LMSでeラーニングの有効性を高める

    従業員教育の管理面の課題を解決するのがLMSです。
    LMSとは、Learning Management Systemの略で、eラーニングのコース管理や受講状況の把握を可能にする学習管理システムのことです。eラーニングを受講されたことがある方でしたら、受講時に管理者からあらかじめ割当られたログインIDやパスワードを入力することで、受講すべきコース画面が表示される、というご経験があると思います。これは、LMSの機能によるものです。

    以前は、eラーニング用の教材としてCD-ROMなどが用いられ、配布し各受講者がそれぞれのペースで学習していました。ただし、本当に受講したか、期限までにどの程度の社員が受講を終えているかなどの進捗管理が難しいことが問題点として挙げられます。また、前述のとおり社員への教材配布作業も発生し、在宅勤務の普及状況などを考えると、配布・回収はコロナ禍以前よりも容易ではありません。

    また、PマークやISMS(JIS Q 27001)等の認証を受けている企業においては、情報セキュリティ対策のPDCAを回すための年次の従業員教育等も行う必要があり、受講状況の把握は必須です。

    LMSで実現できること

    最近主流となっている、教材をLMS事業者のクラウドに保管しストリーミング再生するタイプのeラーニングは、かつてのCD-ROM等の教材にくらべ、教材の配布コストの削減や、教材の最新性を保つことが容易にできるなど、多くのメリットがあります。

    eラーニングの場合は、無関係のユーザーが利用しないように、

    • 受講ユーザーを管理する必要がある。
    • どの教材・コースからはじめればよいかを、各ユーザーに提示する必要がある。


    など、インターネットという公開された場ゆえの問題点もありますが、これらの問題点を解決するために考案されたのが、LMSです。


    LMSを導入すると、現場の担当者でも直感的に操作可能なインターフェースや仕組みにより、受講者データ、教材やコース設定までもクラウド上で簡単に一括管理できるようになります。
    教材の提供者側は受講者登録や受講者管理、教材の更新、教材の割り当ての変更等を、スピーディに行えるようになり、学習者側はいつでもどこでも最新の環境・教材で学習ができるようになったのです。

    LMSには、さらに受講者の成績・進捗管理という、eラーニングならではの機能が搭載されています。

    • 受講者の学習進捗状況の把握
    • テストの得点の管理
    • 強い分野、弱い分野の把握


    このような個人指導の指針となるデータも、取得・管理できるようになります。

    LMSを活用したeラーニングのメリット

    LMSを使用することで、多くの利点・メリットが生まれます。

    受講者のメリット

    情報の信頼性

    インターネットの世界には情報が溢れていますが、その内容は玉石混交です。中には誤った情報も紛れており、鵜呑みにしてしまうと学習において逆効果になりかねません。その点、ベンダーが提供しているeラーニング教材は専門家の監修の下で制作されているので信頼性があります。

    また自社製の教材(※)も会社のお墨付きがあるわけですから安心して学習することができます。(例えば自社で作成したPowerPointの資料等をLMSを介して簡単にeラーニング教材化することができます。)

    学習した実績がきちんと会社に伝わる

    eラーニングの配信・受講は、基本的にLMSを使うことで、個人の学習履歴が全てクラウド上のLMSに記録されます。そして、管理者はそのデータをいつでも参照することができるため、各従業員が学習に取り組む姿勢を評価してもらうことができます。

    いつでもどこでも自分のペースで学習できるマルチデバイス対応

    日時と場所が決められている集合研修やCD-ROM等の教材と違い、LMSを介したeラーニングはPC、タブレット、スマートフォン等のマルチデバイス対応が進んでおり、あとはインターネット環境さえあればいつでもどこでも学習できます。拘束されず、自分のペースで自由に学習できるのは大きなメリットです。

    ほかにも次のようなメリットがあります。

    • どの教材からはじめればよいか、どこまで終わらせればいいか、等がすぐに把握できる。
    • 試験結果や進捗率がリアルタイムに提示されるので、スキル習得への道筋がつかみやすい。
    • 結果の一覧性が高いので、苦手分野や努力目標がわかりやすい。

    管理者、教育担当者のメリット

    学習履歴を活用し、体系的な教育を提供できる

    個人の成長が個人の財産となる学校と違い、企業では個人の成長が業績を左右する企業の財産となります。そのため、企業の人材育成シーンでは、学習目標とそれを達成するための体系的な教育(教材)を用意し、一人ひとりの従業員が目標に到達するまでのプロセスを管理するのが理想的です。

    これを可能にするのが学習履歴です。学習履歴とは、誰が、いつ、どの教材を、どのくらい閲覧し、テストがある場合は何点取ったか、といった情報のことです。eラーニングの学習履歴は、LMSから簡単にエクスポートすることができ、学習履歴ファイルには、学習の進捗状況、実施時間帯、所要時間、テストの点数などの項目が羅列されています。これを集計し、社員の学習状況を管理者が定期的に確認することで、個人や組織全体の学習進捗率や達成度合い(合否や点数)が分かるのです。

    この仕組みを活用することで、進捗の悪い社員に学習を促す連絡をしたり、理解度の低い社員に必要なサポートを行ったり、といった施策が可能になります。

    あらゆる学習の履歴を確実に残せる

    前述したように、LMSは学習を「管理」できるシステムであるため、誰がいつどんな学習をしたかは、当然システム上に記録されます。また、最近のLMSは集合研修の管理もできるため、eラーニングだけでなく集合研修への参加履歴も同じシステム内に記録しておくことができます。

    これによって、LMSはある意味「学習に特化した人材データベース」と考えることもでき、それらのデータは、近年、人材の能力を可視化して効率的に活用する「タレントマネジメント」に活用されるケースも多くなっています。

    人材育成計画に基づいて中長期的に教育・研修を実施していく場合や、研修のPDCAを回したい場合、あるいは学習状況を人事評価などの制度と結び付けたい場合など、人材育成を戦略的、効率的に実施することが可能です。

    LMSのデメリット

    eラーニングを導入する上で今や欠かせない存在となっているLMSですが、デメリットもあります。

    LMSを用いて全社的に教育・訓練の管理を行うとなると、基幹となる従業員データベースとの同期が必要です。APIで人材データベースと連携できるLMSも存在しますが、LMSを独立させて運用する場合には、新規入社者の追加登録や退職者の登録削除を速やかに行う必要があります。年次等のタイミングで行われる組織変更への対応は、個々の従業員の教育履歴をトレースできるようにするために、必須の作業です。

    また、多くのLMSは、従量課金とボリュームディスカウントにより、利用価格が変動しますので、利用頻度とLMSで管理する人数に見合った製品を選ぶことも重要です。

    まとめ

    Withコロナ、そして少子高齢化に伴う労働力人口の減少に歯止めがかからない中、社員への教育や学び直しの機会を提供し、戦略的に人事を進めていくうえで、LMSは今や欠かせない存在となっています。
    当社では、LMSの選定・導入から運用代行に至るまで、貴社のLMS活用に関わる総合的なサービスをご提供しています。LMSの導入や更なる活用をお考えの際はぜひお気軽にご相談ください。

     
      

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