採用戦略としてのキャリアマネジメント施策

2020年3月10日

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選ばれる企業になるために必要な施策とは

学生の超売り手市場が続き、採用氷河期と呼ばれるようになって久しい状況ですが、現在進行形で企業間の採用競争は厳しくなり続けています。

ここ数年は「学生からの応募が少ない(あるいは来ない)」「選考通過の連絡や内々定を出しても辞退されてしまう。どうしたら改善できるのか?」というご相談が毎年寄せられています。

そのような状況から、就職ナビサイトによる母集団形成や合同企業セミナーへの出展による広報活動、インターンシップの実施といった採用施策に加え、採用したい学生に対してオファーを行うダイレクトリクルーティング(=ダイレクトソーシングや逆求人サイトの利用)と呼ばれる手法、また、社員や内定者からの紹介や口コミによるリファラル採用に注力する企業も増えています。

これらの採用施策は学生に自社の情報を届ける手法として有効ではありますが、学生に自社の情報の「何を」届けるのかということが重要であることは言うまでもありません。

応募する会社が自分自身にとって「成長できるのか」「長く働く為に、自分のニーズに合った柔軟な働き方(キャリアプランやライフイベントに伴うキャリアチェンジ)が実現できるのか」を会社選びの軸にする学生に対して、有効なキャリアマネジメント施策の一例をご紹介します。

1. 社内制度

今の若年層は「60歳でリタイアできていた昔とは違い、少子高齢化・人口減少による自身のキャリア人生の長期化は確定的」と捉えているため、自分の長期的な雇用可能性が高まる仕事を求める傾向にあります。
雇用可能性を高められる、すなわち社内に新たな能力や経験を創出する機会があることは、大きなアピールポイントになります。

効果的な社内制度の施策例

・ ジョブポスティング制度・社内公募制度
会社や組織が必要とする職種やポジションを社員に公開し希望を募り、直属の上司の承認無しに社員が応募できる制度

・ 社内フリーエージェント制度
社員が自らの実績や能力を示し、自らの意思で希望する部署や部門に応募することが出来る人事異動制度

・ 社内兼業や社外での副業制度
社内兼業   ・・・ 自部署での業務を担いながら、一定時間を他部署や他プロジェクトの仕事を兼務
社外での副業 ・・・ 自社に在籍しながら、他社・フリーランスなどで別のビジネスを行う

ジョブポスティング制度や社内公募制度は会社や組織側からの情報発信であり、社内フリーエージェント制度は社員個人からの情報発信であるという違いはあるものの、いずれにしても社員のキャリア開発を目的としたキャリアマネジメント施策であると言えます。

また、他社や他部門に越境することで、これまで持ちえなかった体験をし、その体験で得たノウハウや知見・ネットワークによる更なる成長を促すことを目的として、社内兼業制度の導入や副業制度の解禁を行う企業も増えてきています。

これらの施策は社員のキャリア開発を目的に導入されているケースがほとんどですので、社員の多様なキャリア開発を支援する制度として学生に紹介するとよいでしょう。

転職しなくても新たなスキルや経験を身に着けられる機会があるという点では、その後の離職率の抑止にもつながります。

2. コミュニケーション・面談

デジタルネイティブ世代は、身の回りの様々なものがシェア・評価され、即座にフィードバックが得られるペースの速い世界で育っています。
よって、企業と社員個人の媒介者であるマネージャーの定期的なコミュニケーション・面談が重要です。

効果的なコミュニケーション・面談の施策例

・ キャリア面談
定期的に経験・スキル・経歴の振り返りや棚卸を行い、今後のキャリアの目標などを設定する面談

・ 1on1面談
上司からの評価を伝える面談とは異なり、部下の成長をサポートするために実施される、上司と部下の「1対1」で行われる面談

これらの施策を施策名の羅列だけで紹介するのではなく、実施する背景がわかるように伝えることが重要です。

・ 自身のキャリアプランを実現する全体的な仕組みがある
・ 入社後に上司・マネージャーに自身のキャリアプランについて話が出来る機会や場がある
・ 自身のキャリア開発を企業が本気で支援してくれる

といったメッセージが発信できると、自身が成長できる環境が整っている会社として、意欲のある学生の支持を集めやすくなります。

面談施策を成功させるためのポイント

多くの企業が、マネージャーと部下間でのキャリア面談や1on1面談を実施しています。

キャリア面談や1on1面談は、部下のやりたいことやキャリアプランである「Will」を起点として、「Will」を実現する為に求められる能力(「Can」)の獲得方法や、社内での役割の確認や新たな活躍機会(「Must」)の提供を検討する場です。
全社の仕組みであるキャリアマネジメント施策や組織のニーズと社員個人のキャリアプランを接合することで、部下のキャリア開発を支援する場として位置付けられています。

以上を念頭に、マネージャーは部下の話に耳を傾けて理解を深め、部下の考えを整理する為に質問を投げかけ、自己効力感を持てるように部下を承認していきましょう。必要に応じて部下が知らない社内情報を提供することも求められます。
これらを適切に行うためには、社員のキャリア開発支援と同時にマネージャーの人材育成スキルの向上策も必要です。

余談ですが、キャリア面談や1on1面談を導入したが、効果が出ていないとご相談を頂くケースがありますが、往々にしてマネージャーがキャリア面談や1on1面談を実施すること自体が目的となっているケースが見られます。
今一度「部下のキャリア開発を支援する場」であることを確認すると良いでしょう。

最後に

言うまでもなくこれらのキャリアマネジメント施策は、形だけでなく実体が伴っていなくてはなりません。

学生はインターンや会社説明会などの機会を通じて、人事部員と現場社員の説明内容や雰囲気の不一致を敏感に見抜いています。
従って、社内への浸透・促進や機能不全や不具合のチェック、改善に向けたアクションなどは、採用担当や人事企画担当などの役割別に分断して検討・実行するのではなく、人事部として常日頃から横断的に行い、社内に統一の理念を共有していきましょう。

より効果的な学生への情報提供にあたり、社員の「自分自身が成長できる場か」「どのように自分自身が成長していくのか」という思いに企業としてどう応えるかという観点から、導入済みあるいは導入予定のキャリアマネジメント施策について再整理するというのも一案です。

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