人材派遣に登録して紹介予定派遣で働くには|メリットや注意点も紹介

人材派遣に登録して紹介予定派遣で働くには|メリットや注意点も紹介

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転職活動の方法には、転職サイトに登録する、人材紹介会社(エージェント)に相談する、企業の採用ページをチェックする、ハローワークで相談するなどさまざまなものがありますが、紹介予定派遣もそのひとつです。紹介予定派遣とは、人材派遣と人材紹介の仕組みを掛け合わせた性質を持つ働き方です。ここでは、紹介予定派遣の仕組みやメリット、派遣から直接雇用までの流れなどを解説します。

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【人材派遣】紹介予定派遣とは

「紹介予定派遣」とは、求職者が派遣先に直接雇用されることを前提とし、一定期間派遣スタッフとして就業することを指します。紹介予定派遣は2000年代に制度が整備されてから、働く人がお仕事を選択する上での有効な手段の一つになっています。

直接雇用が前提ですが、派遣期間終了時にお互いの意思確認があるので、いわゆる「お試し期間」と捉えることもできます。

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紹介予定派遣の実状

厚生労働省の調査によると、「紹介予定派遣に係る労働者派遣契約の派遣先からの申込人数」が2019年85,425人に対して、2020年は144,237人と68.8%増加し、紹介予定派遣の需要が高まっていることがうかがえます。

2020年は、実際に紹介予定派遣で派遣された方が26,314人、そのうち直接雇用結びついたのは15,333人と、約58%が直接雇用に至っています。前年(2019年)と比べると、紹介予定派遣で派遣された方が31,233人、そのうち直接雇用に結びついたのは16,323人と、いずれも2019年よりも下回っていたものの、直接雇用の割合は約52%から約58%と6%ほど増加しています。

さまざまな企業において、紹介予定派遣をとおして直接雇用に結びつけ、将来を担う人材を育てようといった動きがあると言えるでしょう。

出典:令和2年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)│厚生労働省

紹介派遣とそのほかの働き方との違い

ここでは、紹介予定派遣と一般的な派遣との違い、また、正社員応募との違いを紹介します。

紹介予定派遣と一般的な派遣

一般的な派遣は有期雇用(契約期間が決まっているもの)となり、同じ派遣先で働くことができるのは原則3年までです。一般的な派遣は、お仕事内容や、就業条件、勤務地などの自由度が高いため、ライフステージに合わせた仕事を選びたい人におすすめです。

一方、紹介予定派遣とは「派遣」とつくものの人材紹介に近い形態です。正社員または契約社員として働くことを希望する場合、紹介予定派遣で仕事を探す人も多くいます。一般的な派遣から直接雇用になるケースもありますが、約束されたものではありません。紹介予定派遣の場合は直接雇用が前提であり、派遣期間は最長6か月と定められています。そのため、期間内に正式に派遣先企業の社員となるかどうかが決定します。

紹介予定派遣と正社員応募

紹介予定派遣と正社員応募では、直接雇用につながるという点で大きな違いはありません。

しかし、仮に「入社した会社が自分に合わない」と感じても、なかなか言い出しづらいものでしょう。紹介予定派遣であれば、人材派遣会社を通して自分と派遣先の意思確認を行えるので、双方のミスマッチが減らすことができます。

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紹介予定派遣で働く4つのメリット

紹介予定派遣で働くメリットを大きく分けて4つ紹介します。

自分に合った職場探しができる

紹介予定派遣は、実際に職場を経験できるため、自分に合った職場を探すには有効な手段です。自分に合わないと判断すれば、人材派遣会社の担当者に相談し、次の職場を紹介してもらえます。

自分に合うと判断したうえで、企業からも同意を得て働けるということは快適な環境でお仕事できることにつながるでしょう。

実務経験やスキルが足りなくても社員になれる可能性がある

紹介予定派遣の特徴は、面接だけで採用可否が決定するのではなく、派遣期間を通して採用が決まることです。実務経験やスキルが足りないとしても、その人の将来性を重視する傾向があるため、派遣期間中の働きぶり次第で直接雇用されることもあります。

また、派遣期間中は人材派遣会社の担当者のフォローもあるので、不安などがあれば相談しながらお仕事ができるのもメリットです。

非公開求人にアプローチできる可能性がある

求人サイトや求人情報誌に一般公開をせずに、非公開で紹介予定派遣での採用募集を行っている企業も少なからずあります。興味のある企業が公開募集を行っていなくても、紹介予定派遣でめぐりあえることがあるかもしれません。

直接雇用時のサポート

直接雇用時には、雇用条件を企業とすり合わせを行う必要がありますが、人材派遣会社が間に立って希望条件を交渉するなどのフォローをしてくれます。これから働く企業と考えると、直接言いにくいこともあるかもしれませんので、そうした際にフォローが入る点はメリットと言えます。

そのほかにも、一般的な派遣と共通するメリットとして以下があります。

・ あこがれの人気、有名企業で働けるチャンスもある
・ 培った専門性- スキルを活かせる
・ 派遣期間中は、人材派遣会社の福利厚生を受けられる 
など

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紹介予定派遣で注意しておきたいポイント

ここでは、紹介予定派遣の4つのポイントを紹介します。

正社員雇用とは限らない

紹介予定派遣は直接雇用を前提としていますが、必ずしも正社員雇用とは限りません。直接雇用の際は契約社員という場合もありますので、直接雇用の場合の雇用形態や条件は事前に確認しておきましょう。

また雇用主が、派遣期間中は人材派遣会社、直接雇用後は派遣先だった会社と、派遣期間中と直接雇用後で変わるため、直接雇用後の給与や福利厚生などが派遣期間中とは異なります。あわせて事前に確認しておきましょう。

面接や履歴書の提出が求められる

一般的な派遣と異なり、紹介予定派遣では、派遣先企業へ履歴書を提出することや事前に面接することが認められています。

そのため履歴書などの作成や面接の準備をしなければなりませんが、人材派遣会社の担当者がサポートに入りますので、書類の添削や面接のアドバイスなどを求めるといいでしょう。面接の際は人材派遣会社の担当者も同席するので、あらかじめ擦り合わせを行い慌てることのないようにしておきましょう。

派遣期間は最長6か月

紹介予定派遣での派遣期間は最長6か月です。最長6か月ということは、ケースによっては派遣期間が3か月など短いこともあります。

また、基本的に派遣契約終了の1か月前には満了を通達しなければならないため、派遣期間が6か月の場合の見極め期間は実質5か月となります。派遣期間と実質の見極め期間に留意したうえで、その間に直接雇用を希望するかどうかをじっくり検討していきましょう。

直接雇用は双方の合意が必要になる

直接雇用に至るためには、派遣スタッフと派遣先双方の合意が必要になります。業務への取り組み姿勢や勤怠状況、コミュニケーションなどが見られていることは忘れないでおきましょう。

紹介予定派遣で働くまでの流れ

紹介予定派遣で働くには、まず人材派遣会社へ登録します。人材派遣会社への登録から就業開始までの流れは下記のとおりです。

1. 人材派遣会社へ登録
2. 登録会などによるスキルチェック
3. お仕事紹介
4. 面接、職場確認
5. 派遣社員として就業開始

それでは、それぞれの項目に沿って、紹介予定派遣で働くまでの流れについて解説します。

人材派遣登録

登録の方法は一般的な派遣と同じで、「来社」「電話」「Web」の3つの方法で登録できます。その際に希望条件を伝えますが、紹介予定派遣を希望の場合はその旨も担当者に伝えましょう。

登録会などによるスキルチェック

上記の登録方法で完結することもできますが、初めて人材派遣に登録する場合は登録会を活用するとよいでしょう。説明会や面談を通して、人材派遣や福利厚生の詳細を丁寧に説明してもらえます。

また、登録会ではスキルチェックも実施しており、WordやExcelといった基本ソフトの操作から、専門性の高い職種を希望する場合は特定スキルに応じたテストを受けることができます。自分のスキルレベルを確認することができるのでチャレンジしてみましょう。

また、紹介予定派遣を希望するならば履歴書や職務経歴書などを持参することをおすすめします。面談の際にそれらの書類をもとに書き方の相談をしたり、対策を立てたりできます。

お仕事紹介

お仕事紹介では、基本的に条件に合ったお仕事の紹介をされることが多いです。紹介予定派遣を希望する際には、担当者にその旨伝えて起きましょう。

案件が紹介されたら、業務内容や勤務時間以外にも給与面などを確認することも大事です。紹介予定派遣のときの給与や福利厚生が、直接雇用されてからの給与や福利厚生の条件と異なるケースもあります。そのため、お仕事紹介時の条件比較が重要になります。

直接雇用になって「こんなはずでは...」という思いをしないためにも、このお仕事紹介時にしっかりと確認することをおすすめします。

書類選考・面接

お仕事を紹介され書類選考を通過すれば、次は派遣先との面接です。実際の面接前に、人材派遣会社の担当者とすり合わせを行い、面接の練習行っておくとよいでしょう。

面接は直接の正社員応募と同じですが、人材派遣会社の担当者が同席しますので、安心して積極的に自分をアピールしましょう。なお、企業によっては筆記試験など課題選考を行っている場合があります。

就業

人材派遣会社を通じて合否が通知され、採用となれば就業開始となります。

入職当日は人材派遣会社の担当者も同行してくれる場合もあります。お仕事や職場が自分に合っているか確かめながら働いていきましょう。

派遣社員から直接雇用になるまでの流れ

それでは、紹介予定派遣での就業から直接雇用になるまでの流れについて整理します。基本的な流れは下記のとおりです。

1. 人材派遣会社の担当者と定期的な面談(就業期間中)
2. 契約終了前に自分と企業双方の意思確認
3. 人材派遣会社との雇用契約終了、派遣先への入社手続き

直接雇用になるまで、人材派遣会社の担当者が定期的にフォローしてくれますので、安心して就業できます。②において派遣スタッフと派遣先、どちらかが直接雇用の合意をしなかった場合には、③をもって終了となります。次の仕事を希望する場合は、人材派遣会社の担当者と相談し、仕事の紹介をしてもらうよう依頼をしましょう。

ちなみに、社員として採用された後に新たに使用期間を設けられることはありません。

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希望した会社で直接雇用されるためには?

直接雇用の基準はその企業によって異なりますが、協調性を重視している企業は少なくありません。

自分に合うかどうかを確かめながら「この会社で直接雇用されたい」「長く働きたい」となれば、積極的に職場での良好なコミュニケーションを図るようにしましょう。派遣先では責任者だけでなく、周囲の従業員もあなたが派遣社員であることを知っていて、将来的に直接雇用になる可能性があることも把握していることが多いでしょう。

もちろん、コミュニケーション能力だけで採用が決まるわけではありませんので、実務スキルの向上など総合的な観点で「この人と一緒にお仕事をしたい」と周りの人たちに思われることも重要な要素の一つです。

まとめ

紹介予定派遣は自分に合った職場を実際に働きながら探せるので、「慎重に次の職場を探したい」「実務経験がない業務にチャレンジしたい」といった方におすすめです。派遣先が自分に合うかを確かめながら、前向きな姿勢でお仕事に取り組み、積極的に周囲とコミュニケーションを取っていきましょう。

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