本採用とどう違う?「試用期間」とは何か

本採用とどう違う?「試用期間」とは何か

目次

「試用期間」の意味、知っていますか?

「試用期間」という言葉を知っていますか? 企業の採用情報のページには、しばしば「試用期間3カ月」などという条件が書かれています。その字面から浮かんでくるのは、"お試しで採用する"というイメージ。「本採用とはどう違うの?」「簡単に解雇されてしまうのかな」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。

多くの企業が、採用時に設けている試用期間。今回は、試用期間が本採用とどのように異なるのかをお話しします。

試用期間の目的と条件

・試用期間とは
試用期間とは、長期雇用を前提に、企業が採用者の勤務態度、能力、スキルなどを見て、本採用するかどうかを決定するための期間です。
企業は、新しい人材を採用するとき、入社試験として筆記テストや面接を行います。しかし、たった数回のテストや面接だけで、その人の能力や適性を見抜くのはとても難しいことです。
企業は「試用期間」を設けることで、その人が実際に働く様子を見て、本採用に進んで良いかを確かめることができます。

・給料や福利厚生......条件はどうなるの?
試用期間中は、賃金を本採用時よりも低く設定することが許可されています。ただし、各都道府県の最低賃金を下回ったり、残業代を支払わなかったりすることは許されていません。

また、長期雇用を前提としているため、基本的に各種保険への加入が義務づけられています。試用期間だからといって、正規の社員に与えられる権利を奪うような行為は許されていないのです。

・試用期間中は簡単に解雇されてしまうの?
試用期間中には、本採用と同様、正当な理由がないと解雇できないことになっています。正当な理由とは、たとえば「理由のない遅刻・早退・欠勤が多い」「経歴詐称があった」「勤務態度が悪い」などです。

また、解雇をする場合は通常の解雇同様、
1. 解雇の30日前に予告する。
2. 予告の代わりに30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う。
のいずれかが義務づけられています。
ただし、入社から14日間はこの条件に該当しません。

一生懸命取り組む姿勢を見せて本採用を目指そう

試用期間は、企業があなたの適性や能力を実践的に見極めるための大切な期間です。長期雇用を前提としているため、給与や福利厚生、解雇の手続きなど、法的に本採用とほとんど同じ条件が与えられています。決して安易な"お試し期間"というわけではなく、採用者側の個人的な感情で解雇されるようなことは決してありません。

真摯な姿勢が伝われば、企業は必ずあなたを認めてくれます。志望する企業に試用期間が設けられている場合は、「この人を採用してよかった」と確信してもらえるよう、日々の仕事に一生懸命取り組みましょう。

なお、派遣社員というお試し期間を経てから、正社員などに登用という、入社後のミスマッチが起きにくい雇用制度として、紹介予定派遣があります。派遣社員から正社員などを目指す方に人気のある制度です。

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