雇用予測調査 グローバル版(2020年第3四半期)

2020年7月20日

マンパワーグループが世界43の国と地域、34,000人以上の雇用主に対して実施している雇用情勢に関する調査結果のグローバル版サマリーをお届けします。

マンパワーグループ雇用予測調査とは

注目すべき世界の傾向

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マンパワーグループは全世界43の国と地域において、34,000人以上の雇用主に2020年第3四半期の雇用について恒例の調査を実施しました。
「第2四半期と比較した、第3四半期の雇用情勢の変化」では、経済活動のシャットダウン施策をとった国のみならず、多くの国や地域においてコロナ禍の影響を色濃く受ける調査結果となりました。

調査した43カ国・地域のうち35カ国では、2020年9月末までの期間に人員を削減する傾向という予測です。
2020年第2四半期と比較すると、43カ国・地域のうち42カ国で雇用見通しが悪化すると予想し、1カ国では変化がなしとされています。

雇用に対する意欲は全体的に1年前と比べて弱まっていますが、日本、インド、米国、中国、台湾では雇用意欲は衰えていません。
一方、シンガポール、コスタリカ、コロンビア、ペルー、南アフリカでは、労働市場は低迷すると予想されています。

欧州、中東、アフリカ地域(EMEA)の26カ国のうち、クロアチアとドイツで限定的に雇用増加が予想されている以外は、第3四半期の雇用は削減予想です。
EMEA26カ国の採用計画も、現時点では前四半期および昨年同四半期と比較して弱まっています。
欧州、中東、アフリカ(EMEA)地域で最も強気なのはクロアチアとドイツですが、反対に最も弱気なのは南アフリカ、スロバキア、ルーマニアです。

アジア太平洋地域の7カ国・地域のうちの4カ国では、今後3カ月間に雇用者数が増加するという予想で、2カ国では減少、1カ国では雇用活動は横ばいになるという予想です。
2020年第2四半期と比較すると、雇用計画は6カ国弱くなっていますが、一カ国で「変化なし」、昨年同時期との対比では7カ国すべてで雇用計画は低いという結果です。
アジア太平洋地域では日本とインドの雇用意欲が強く、シンガポールとオーストラリアでは弱いという予想です。

北中南米10カ国のうち9カ国では、7-9月期に人員削減が実施されると予想されています。
北米では、雇用者数の増加は限定的と予想されており、2020年の第2四半期、2019年第3四半期と比較しても悪化しています。
北中南米地域では北米の雇用意欲が最も高く、コスタリカ、コロンビア、ペルーの労働市場は弱いと予想されています。

地域ごとの特徴

アジア太平洋(ASIA PACIFIC)

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日本は引き続きアジア地域で最も強い雇用見通しを示しており、世界的なコロナ禍の中にあっても、第3四半期では7業種すべてで雇用の増加が見込まれています。
日本の7業種のうち6業種の雇用情勢は、第1四半期および第2四半期時点では前年同期と比べて悪化しているものの、運輸・公益事業、金融、保険・不動産、サービス部門の雇用者は、堅調な予想です。

中国では、向こう3カ月の見通しに関しては、慎重な雇用者心理を反映し、4年ぶりの低水準にとどまっています。
しかし、6つの産業部門すべてで、第3四半期中に雇用者数が増加すると予想しており、その中でも最も強いのは、運輸・公益事業、金融・保険・不動産部門です。

インドの雇用も、7〜9月期の労働市場は軟調に推移すると予想しています。向こう3カ月の見通しでは15年前の調査開始以来、最も弱いながら7業種すべてで次の四半期に雇用増が見込まれています。

台湾では、7業種すべての雇用者は、2020年第1四半期と比較して雇用見通しがかなり弱いとの予想です。
7月~9月の見通しでは、慎重な雇用計画が反映されながら、7業種のうち6業種の雇用者は前向きな見通しを示しています。

シンガポールは今後3カ月間、アジア太平洋地域で最も弱い労働市場になると予想されています。
雇用者は雇用環境悪化を予想し、サービス部門の雇用見通しの悪化を背景に、2009年以来最も弱い見通しです。

オーストラリアでは、2003年に調査を開始して以来、雇用ペースが最も弱いと予想されています。金融、保険、不動産、卸売・小売業の産業部門で労働市場の先行きは低迷しています。

香港では、2020年の第3期から第15期にかけて、不透明な雇用環境が続くと予想され、前四半期から変化がない見込みで、サービス部門では前四半期と比較して雇用感が強まりつつあるものの、ペースは2009年以来最も弱い予想です。

北中南アメリカ(AMERICAS)

20200720_4.png米国は、連続11四半期、この地域で最も強い雇用意欲を示しています。第3四半期にはゆっくりとしたペースで雇用が増加するという予想です。
しかし現時点での見通しは前四半期や昨年と比べてかなり弱含みで、7月~9月期の雇用者数は12業種のうち9業種で増加するとの予想です。

カナダは、2019年第3四半期から連続して停滞予想で1978年の調査開始以来、最も不調です。
10ある産業分野のうち8分野で、1990年代以来最も弱い雇用計画ですが、製造業の非耐久消費財部門とサービス部門の2部門では、わずかながら雇用の増加を予想しています。

メキシコでは、2020年の第3四半期には雇用ペースが鈍化するとの予想で、7業種中4業種、また7地域中3地域で、2002年の調査開始以来の低迷です。
特に第3四半期では、サービス業と建設業の雇用が低調になる見込みです。

中米では3カ国すべての地域において、第3四半期で従業員の雇用調整が実施される見込みです。
コスタリカでは、建設および商業部門の雇用見通しが大幅に落ち込んでいることを主たる要因として、雇用環境が3カ国中で最も厳しくなる予想です。

グアテマラは、2008年の調査開始以来、最も低くなる予想で、四半期ごと、また年ごとに雇用が落ち込んでいます。

パナマでは、コロナ緊急事態前から低調な予想でしたが、サービス部門の雇用見通しがさらに大幅に悪化したことを受けて、さらに低い予想です。

南米では、コロンビアとペルーで、労働市場が最も弱い予想です。
コロンビアは、建設、サービス、金融、保険、不動産部門の雇用計画が大幅に崩れたことを反映し、2020年第2四半期、2019年第3四半期のいずれと比べても大幅に悪化する予想です。

ペルーでは、12年前に調査を開始して以来、最も弱い数字となっていますが、これは、サービス部門の雇用意欲が低いことが要因になっています。

ブラジルの雇用心理は、2016年のリセッション(景気後退)中に報告された水準に落ち込んでおり、四半期ベースでも年ベースでも大幅に悪化しています。
金融・保険・不動産部門の雇用者は、雇用者数の伸び率が鈍化すると予想し、運輸・公益事業や卸売・小売業では雇用の見通しが暗いです。

アルゼンチンの雇用者は、過去1年間に雇用計画の回復が緩やかでしたが、2020年第3四半期の予測落ち込みが大きく、13年前の調査開始以来、最も低い労働市場予想です。
特に金融、保険、不動産、鉱業、サービス、製造業の各部門で見通しが低迷しています。

ヨーロッパ・中東およびアフリカ(EMEA:Europe, the Middle East and Africa)

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EMEAでは、24カ国の雇用者は給与を削減すると予想し、クロアチアとドイツの2カ国では労働力の増加が予想されています。
欧州の4大経済国のうち3カ国の雇用者は、第4四半期の雇用者数が減少すると予想しています。

英国では最も低い雇用見通しで、運輸・通信、金融・ビジネス・サービス、製造業の各部門の下方予測が要因となり、1992年の調査開始以来、最も弱いと労働市場になると予想しています。

フランスでは2003年の調査開始以来、最も弱い雇用予想で、特に第3四半期の労働市場が厳しいと予想される飲食・ホテル部門では顕著です。

イタリアの見通しは6年ぶりに最も弱いものとなり、フランス同様に飲食・ホテル部門、および金融・ビジネス・サービス部門での採用意欲の低下が著しいです。

一方、ドイツの雇用者は、建設、金融・ビジネス・サービス、その他のサービス部門における公正な雇用見通しを反映して、2020年の第3四半期の雇用活動のペースが緩慢になると予想していますが、飲食・ホテル部門の見通しは、17年ぶりの悪化で第1、第2四半期、および前年同期との比較ともに大幅に低下しています。

7月~9月期にかけて、スペインの7つの産業部門すべてで人員削減が予想されており、2009年以来最も弱い採用意欲です。飲食・ホテル部門、卸売および小売業部門の採用計画が前四半期から大幅に落ち込んだことを反映しています。

オランダでは、7月~9月にかけての雇用計画が低迷、飲食・ホテル部門の雇用者心理の悪化が一因となっています。

ベルギーの雇用者も、2003年に調査を開始して以来、最も弱い見通しを示し、雇用見通しは低調だとの報告です。
飲食・ホテル部門、卸売・小売業部門の見通しが連続四半期で大幅に低下したことを反映しています。

同様のパターンは北欧諸国でもみられます。
ノルウェーでも、2003年に調査を開始して以来、最も弱い見通しです。

スウェーデンでは、17年前に調査を開始して以来、最も低く、飲食・ホテル部門の雇用者は、雇用の見通しが暗い見通しです。
建設業、金融、ビジネス・サービス業、卸売・小売業の見通しは第2四半期とくらべても大幅に悪化の予測です。

調査開始以来、最も弱い見通しを示しているのはフィンランドです。
レストラン・ホテル部門の雇用者心理も他国同様に悪化しています。

この地域では、他のどの国にくらべても、クロアチアが直前四半期との比較、年毎の比較ともに下降傾向でありながら、自国の国内労働市場が最も強くなるだろうと予想しています。

ギリシャでは、雇用見通しは数期連続して毎四半期の予測のたびに停滞しています。

南アフリカでは、製造業部門の雇用心理の悪化を背景に、2006年に調査を開始して以来、最も弱い雇用計画です。
次の第3四半期では、世界中で最も弱い労働市場の1国になるという予測です。

新型コロナウイルス感染症が雇用に及ぼす影響について

第2四半期の調査では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が、今日のように長期化、複雑化するという予測が加味されず、前年同期、連続四半期のトレンドの中での雇用予測でした。
その観点から、今回の調査は今後のコロナ禍の影響を予測する上で、注目すべきデータです。

総じて、前四半期と比較すると低調な雇用予測です。先行きの見えない中、先行して雇用調整に着手する企業、あるいは「ピンチこそチャンス」と積極姿勢の企業など、事業予測の捉え方は様々です。
現代は生産、消費、労働力、あらゆる資本市場がグローバルネットワーク化され、自国だけではサプライチェーンが成り立ちません。
自国や自社の産業の状況だけではなく、関係する国や地域、またその先の国々の状況にまでアンテナを張ることが、あらゆる産業でこれまで以上に重要になってくるでしょう。

マンパワーグループでは、今後もグローバル視座での雇用に関する情報を提供してまいります。

より詳細なレポート(英語版)

マンパワーグループの雇用予測調査のより詳細なレポート(43の国と地域の完全な調査結果、地域およびグローバルでの比較)の
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