正社員の半数が自社の教育・研修制度に不満。必要とされる教育・研修制度とは?

2020年6月30日

企業が競争力を高め、安定的に成長を続けていくためには、人材の能力や資質を高める教育・研修制度は非常に重要です。

経済産業省は、高齢化社会に伴う定年延長を見据え、2017年に「人生100年時代の社会人基礎力」を新たに定義付け、教育と就労を繰り返す生涯教育構想として「リカレント教育」の必要性なども提言しています。

これからの時代は、個々の成長・成熟のステージに合わせた人材教育を行うことが求められるといえそうです。
そこで、マンパワーグループでは、20代~50代の正社員男女400名を対象に、「企業の教育・研修について」の調査を実施しました。
今後の人材教育の整備の参考にしてみませんか?

半数以上の企業で「研修制度はない/わからない」

あなたの会社では一般社員向けにどのような教育・研修がありますか
20代~50代の正社員男女400名に、勤務先の企業において、一般社員向けにどのような教育・研修の制度があるか聞いたところ、最も多かったのは「新入社員研修」(40.0%)で全体の4割を占めました。

以降は、「新人教育担当者(OJT)制度」(16.0%)、「コンプライアンス教育」(12.0%)、「マネジメント研修」(7.0%)という回答が続きます。
「メンター制度」(3.5%)、「グローバル人材教育」(2.8%)については5%未満と、実施している企業は少ないことがわかります。

また、「研修制度はない/わからない」(55.5%)という回答が過半数を占めていることから、勤務先の教育・研修制度を知らない社員も少なくないようです。
教育や研修を知らない社員もいるのでは、というところから研修への関心を醸成する活動も必要といえそうです。

現行の教育・研修制度、それぞれ「必要だと思う」との回答が7割〜9割超

それぞれの教育・研修についてあなたは必要だと思いますか
一般社員向けに行っている教育・研修制度についての必要性を聞いたところ、すべての教育・研修制度で「必要」「どちらかといえば必要」という回答が7割以上を占めました。

最も回答率が高かったのは「コンプライアンス研修」(97.9%)は、従業員のSNS発信などによる不祥事が増えている今、企業のリスク低減のために必要だと考える傾向があるようです。

以降、「マネジメント研修」(92.9%) 、「新入社員研修」(91.3%)、「新人教育担当者(OJT)制度」(87.5%)も高い割合で続くことから、現行の教育・研修制度に対し、必要性を感じている社員が多いことがわかります。
「マネジメント研修」においては、実施している企業は7.0%にとどまっていたことから、企業側と社員側の研修に対する意識の乖離がみられます。

現行の教育・研修制度が必要だと思う理由

■コンプライアンス研修

・企業にとって、世の中からの信頼性を損なわないために必要(男性・46歳/製造業・メーカー)
・SNSの普及により、特に若い世代には必須(男性・32歳/販売・サービス)

■マネジメント研修

・効率良い業務を促進するために必要(男性・55歳/サービス業)
・役職、管理職になるためには必要(男性・32歳/サービス業)
・パワハラ上司を発生させないためには、柔軟な考えを育成することが必要(女性・26歳/製造業・メーカー)

■新入社員研修

・最低限の社会人マナーを学ぶことは必要(女性・47歳/建設業)
・組織の方針を知るために必要(男性・35歳/製造業・メーカー)

■新人教育担当者(OJT)制度

・フォローしなければすぐに辞めてしまう(女性・36歳/商社・卸売業)
・トレーナーである自分自身の今までを見つめ直すと同時に、下の世代への教育方法について理解できる(女性・26歳/製造業・メーカー)

現行の教育・研修制度に満足している人、してない人の割合は半々

現行の教育・研修制度に満足しているかを聞いたところ、「満足している」「満足していない」がそれぞれ全体の約5割となりました。
また、「満足」(9.8%)、「不満」(26.8%)の割合をみると、不満寄りの傾向にあります。

現行の教育・研修について、満足していますか
※回答構成比の小数第2位以下四捨五入のため、必ずしも合計値は100%にはなりません

「満足している」割合を年代別にみると、20代(54.0%)が最も高く、30代(45.0%)が最も低い結果となりました。

20代の満足度が高い理由としては、新人社員研修を受けたことが関係していることがあるかもしれません。
すでにスキルを身につけている30代は、時間を無駄に拘束されることを嫌い、内容の濃い研修を求める傾向が強いといえるでしょう。

■「満足している」理由

・基本的な業務の進め方やビジネスマナーを学べるので、実際の業務にあたる際にも迷うことが少なくなったと思う(男性・27歳/サービス業)
・一人前になるまでに担当性で面倒をみてもらえた。ただし、人により当たりはずれがあると感じる(女性・27歳/医療)
・自分で受けたいと思うものがあれば受けられる(男性・29歳/製造業・メーカー)

■「満足していない」理由

・研修の内容が古臭く、今の世の中の風潮に合ってない(女性・27歳/小売業)
・中途採用は新人研修を受けられない(女性・28歳/商社・卸売業)
・研修制度自体がそもそもない(男性・27歳/建設業)
・研修の実施回数が少なすぎる(男性・35歳/製造業・メーカー)
・外部研修ばかりで、自社の研修制度がない(男性・37歳/介護・福祉)
・泊まり込みの研修のため、子供を預けないといけない(女性・32歳/建設業)
・長い時間拘束される割には、あまり役立たないディスカッションが行われる(女性・37歳/商社・卸売業)
・研修はいらない。現場で覚えればいいから(男性・33歳/製造業・メーカー)

今後、さらなる教育・研修制度の充実が求められる時代に

今回の調査では、企業で実施されている教育・研修トップは「新入社員研修」で、全体の4割を占めていました。
しかし、その一方では「研修制度はない/わからない」という回答が過半数を占め、企業によって教育・研修制度のばらつきがあることもわかりました。

現行の教育・研修制度に対して必要だと思うかという質問には、「コンプライアンス研修」(97.9%)を挙げる声が最も多く、次いで「マネジメント研修」(92.9%)、「新入社員研修」(91.3%)、「新人教育担当者(OJT)制度」(87.5%)という順になっています。

各種教育・研修は実施されるべきとする傾向が強いようです。
これらを踏まえると、新人・若手向けの教育・研修だけでなく、中堅社員・管理職者に向けた内容も重視しており、ステージごとに必要な力を身につける人材教育を求めているといえそうです。

さらに、現行の教育・研修制度に満足しているかという質問には、「満足している」「満足していない」という回答が約半々という結果となりました。

満足していない理由としては、「研修内容が薄い・古い」「実施回数が足りない」などの声が多くありました。
また、「中途採用は新人研修を受けられない」「研修そのものがない」などの声もあり、社内外での教育格差があることも浮き彫りになっています。

経営学者のドラッガーが「われわれが利用できる資源のうちで、たえず成長と発展を期待できる唯一のものは人間の能力のみである」と述べたように、企業が安定的に成長していくためには、社員の成長と、それぞれのステージに合わせたパフォーマンスを引き出す必要があります。

不確実性が増すこの時代、社員一人一人に長く活躍を続けてもらうためには、時代に即した新たな価値観のもと、各世代に向けた教育・研修制度の整備やブラッシュアップが必須となっていくでしょう。

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