雇用予測調査 グローバル版(2020年第4四半期)

2020年10月19日

マンパワーグループが世界43の国と地域、34,000人以上の雇用主に対して実施している雇用情勢に関する調査結果のグローバル版サマリーをお届けします。

マンパワーグループ雇用予測調査とは

注目すべき世界の傾向

マンパワーグループは、43の国と地域の38,000人以上の雇用主を対象に、2020年第4四半期の雇用の見通しの調査を実施しました。本調査は、COVID-19発生という例外的な状況の中で実施され、世界的な健康危機の影響と、それに伴う各国の経済活動の停止を反映しています。

マンパワーグループが調査した43の国と地域のうち22の国と地域の雇用主は、2020年12月末までの間に雇用者数を増加させると予想している一方で、16の国と地域では減少の予想です。

前四半期である2020年第3四半期と比較すると、43の国と地域のうち、37の国と地域で採用見通しが改善していますが、それ以外の国では依然改善の見通しにはないとの結果でした。
前四半期ベースでは改善傾向にあるものの、41の国と地域の雇用主は、1年前の同時期と比較した場合には、雇用意欲が弱まっていると報告しています。
43の国と地域のなかで、雇用意欲が強いのは台湾、米国、トルコ、日本、ギリシャで、雇用意欲が弱いと報告されているのはパナマ、コスタリカ、南アフリカ、コロンビア、英国です。

一時解雇した従業員の復帰計画について

雇用主の60%が一時解雇された労働者をフルタイムで復帰させる、19%は時間短縮で復帰させると答えた一方、9%の雇用主がすべての労働者を復帰させない、12%の雇用主は方針が未定だと答えています。


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労働市場の回復時期について

多くの雇用主が労働市場の回復には予想以上に時間がかかると考えています。
2020年4月時点では、54%が2021年4月までに労働市場が回復するだろうと予想していましたが、現在では31%に減少しています(向こう3カ月で回復するだろうと回答した18%と、4~9カ月先に回復するだろうと回答した13%の合計)。

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これからの働き方を考える

世界の雇用主の3分の1以上(39%)が、パンデミック後の職場でリモートワークや柔軟な時間帯の提供を計画しており、5分の1(20%)は従業員に100%リモートワークを提供することを計画しています。雇用主は、労働者の需要が変化する中で、仕事と家庭をより良く融合させたハイブリッド・ワークモデルの活用を希望していることから、従業員に新しいスキルを学び、開発する機会を増やす(31%)とともに、健康と福利厚生のための福利厚生を充実させる(30%)ことを計画しています。

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地域ごとの特徴

アジア太平洋(ASIA PACIFIC)

調査対象となったアジア太平洋地域の7カ国・地域のうち5カ国・地域の雇用主は、2020年の最終四半期に雇用が増加すると予想していますが、2カ国・地域では雇用が減少すると予想されています。前四半期との比較では、4つの国と地域で雇用計画が強化されていますが、3つの国と地域では弱まっています。2019年第4四半期との比較では、雇用主は6つの国と地域で雇用意欲が弱まっていると報告しています。雇用活動が最も強いのは台湾と日本で、最も弱い労働市場はシンガポールと香港と予想されています。

台湾では、前四半期の雇用主心理が低迷した状態が今回大幅に回復したことから、今後3カ月間は雇用の増加が見込まれています。雇用主は7つの業種すべてで雇用の増加を予想しており、特に鉱業・建設業では雇用計画が好調であることが報告されています。
日本では、第4四半期の雇用収入は緩やかに増加すると予想されていますが、全体的な雇用見通しは前四半期比、前年比ともに減少しており、過去9年間で最も低調な報告となっています。鉱業・建設業、サービス業、金融業、保険業、不動産業では安定した労働力の増加が見込まれていますが、製造業では10年で最も弱い見通しを報告しています。

中国では雇用主がゆるぎない自信を示し、2020年第4四半期の雇用計画を前四半期および昨年と比較して比較的安定していると報告しています。中国の6つの産業分野すべてで雇用の増加が見込まれており、金融、保険・不動産、運輸・公益事業の各分野で雇用活動が最も活発になると予想されています。

インドでは、前四半期と同様に雇用活動が鈍化すると予想しています。
7つの業種のうち6つの業種で雇用の増加が見込まれていますが、5つの業種では2020年第3四半期と比較して雇用主の予測が弱くなっており、1年前と比較すると7つの業種すべてで雇用主の雇用意欲が弱くなっています。

オーストラリアでは、第4四半期の雇用ペースは慎重になると予想されています。2020年第3四半期の低調な雇用計画と比較すると、かなりの回復を示しており、今後3カ月間に7つの業界のうち4つの業界で雇用の増加が見込まれています。
しかし、サービス業の採用不振は今後も続くと予想されます。

シンガポールでは、前四半期と比較して雇用見通しが大幅に改善したと報告しています。しかし、製造業では雇用意欲の見通しは暗く、卸売・小売業での採用計画が悲観的であり、サービス業では採用ペースが鈍化していることから、今後3カ月間の労働市場は低迷が続くと予想されています。

香港では、人件費の縮小が予想されており、11年ぶりのマイナス予想を発表しています。金融・保険、不動産、卸売・小売業など、6つの業種のうち5つの業種で、雇用見通しは低調と報告されています。

北中南アメリカ(AMERICAS)

2四半期連続でCOVID-19の世界的な健康危機の影響を受けたことを背景に、アメリカ大陸の4カ国の雇用主は今後3カ月間の雇用増加を予想している一方、6カ国の雇用主は雇用者数の低下を予想しています。
前四半期と比較すると、10カ国中9カ国で雇用見通しが改善していますが、1年前の同時期と比較すると、10カ国全てで雇用見通しが弱くなっています。第4四半期の雇用意向が最も強いのは米国とカナダで、パナマ、コスタリカ、コロンビアの雇用主は最も弱いと報告しています。

米国での2020年の第4四半期の採用計画は、ポジティブに報告されています。
2020年第3四半期と比較すると、12業種中11業種、また、北米4地域(西部、中西部、南部、北東部)すべてで雇用見通しが回復しています。雇用活動が最も強く上昇しているのは、ホテル・観光、運輸・公益事業、卸売・小売業であり、地域別の雇用ペースが最も強いのは中西部であると報告されています。

カナダでは、緩やかな雇用増加が予想されており、雇用意欲も前四半期と比較すると回復しています。しかし、サービス業の雇用主は、1996年以降で最も雇用意欲が低いと報告しています。

メキシコでは、雇用活動がスローペースになると予想されています。2020年第3四半期との比較では、7つの産業部門と国内7地域すべてで雇用計画が強化されていますが、1年前の同時期との比較では弱めの水準にあります。
今後3カ月間の建設業と製造業の雇用者数は低く、サービス業の雇用活動も低調に推移すると予想されています。

また、中米3カ国すべてにおいて、労働市場の低迷が続くと予想されています。
パナマの労働市場では、2010年の調査史上最も弱い雇用意欲を報告しており、6つの産業部門すべてで雇用主数が減少すると予想されています。
コスタリカでも、暗い見通しが続くと予想しており、6つの業種すべてで雇用者数が低下すると予想しています。
グアテマラの雇用計画も依然として低調ではありますが、建設業や運輸・通信業では回復の兆しが見られ、今後3カ月間の雇用増加が予想されています。

南米の4つの労働市場の中で最も堅調なペルーでは、雇用見通しが前四半期に比べて大幅に改善すると予想されています。ペルーのサービス業と建設業が雇用意欲の回復を最も強く示しています。
ブラジルの雇用意向は、2020年第3四半期と比較して大幅に回復しているにもかかわらず、依然として弱含みです。2020年第3四半期と比較すると、金融・保険・不動産業界が、かなり回復すると予想されています。しかし、卸売・小売業の雇用計画の見通しは暗く、製造業、建設業、農業・漁業・鉱業業界では苦戦が続いています。
アルゼンチンの雇用活動も、低調になると予想されています。アルゼンチンの3つの産業部門では雇用の増加が予想されており、特に建設部門ではその傾向が強いとみられていますいます。運輸・公益事業部門と鉱業部門の雇用主は、それぞれ2007年と2013年に調査を開始して以来、最も弱い予測を報告しており、5つの部門で減少が予想されています。
コロンビアでは9つの産業部門のうち7つの部門で人件費削減が予想されています。鉱業部門の雇用不振は今後も続くとみられ、製造業部門の雇用主は12年前に調査を開始して以来、最も弱い予測を報告しています。

ヨーロッパ・中東およびアフリカ(EMEA:Europe, the Middle East and Africa)

欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域の26カ国のうち13カ国では今後3カ月間に労働力の増加が見込まれる一方、8カ国では人件費削減が見込まれ、残りの5カ国では労働市場が横ばいになると予想されています。

ユーロ圏の3大経済圏のうち2つの経済圏では、今後の第3四半期に緩やかな雇用の増加が予想されています。
フランスでは、2020年第3四半期の薄暗い雇用情勢と比較して、採用感情が大幅に改善しています。建設業、金融・ビジネスサービス業、卸売・小売業での雇用主数の増加が見込まれることも回復の一因となっていますが、レストラン・ホテル業では雇用の低迷が続くと予想されています。

ドイツでは金融・ビジネスサービス部門と建設部門の雇用計画がプラスになる一方で、製造部門では軟調な労働市場が続くと予想されています。7つの部門のうち5つの部門で雇用が増加すると予想されているものの、全体的に慎重な雇用計画が報告されています。

イタリアでは、引き続き雇用の見通しが低迷していると報告していますが、卸売・小売業での雇用機会が期待できそうです。

英国でも引き続き労働市場の低迷が報告されており、雇用意欲は、運輸・通信、ホテル・小売、建設、金融・ビジネスサービス、製造業の各業界で弱くなっています。

スペインでは、雇用計画が前四半期比で大幅に増加しているにもかかわらず、来四半期の雇用環境は穏やかなものになると予想されています。2020年第3四半期と比較すると、レストラン&ホテル、建設業では若干の回復が見られるものの、両業界ともに採用ペースは引き続き低調すると予想されています。

オランダの労働市場の低迷は次の四半期も続くと予想され、前四半期比で雇用計画に変化はないと報告されています。7つの産業部門すべてで雇用意欲は前年同期に比べて大幅に低下しており、特にレストラン&ホテル部門の労働市場では顕著に表れています。

ベルギーでは、雇用主は今後3カ月間の雇用ペースは横ばいと予想しており、建設、金融・ビジネスサービス、その他の生産部門では小幅の雇用機会が見込まれていますが、レストラン・ホテル部門の予測は引き続き暗いままです。

北欧地域では、来四半期の労働市場はソフトに推移すると予想しています。
スウェーデンの雇用主は、今後3カ月間の雇用活動は低調に推移すると予想していますが、金融・ビジネスサービスや建設セクターの採用計画がやや楽観的になっていることもあり、前四半期の雇用情勢から持ち直したと報告しています。しかし、不景気なレストラン&ホテル部門では、採用意欲は依然弱くなっています。
ノルウェーでは、建設業や金融・ビジネスサービス業では採用意欲が前向きになっているものの、製造業が2003年に調査を開始して以来、最も低い水準となっています。
ポーランドでは、前四半期に報告された悲観的な予想から回復しており、7つのセクターすべてで雇用見通しが改善しています。建設業が2年ぶりに強い予測を報告しており、卸売・小売業でも安定した雇用の増加が見込まれています。

EMEAの他の地域では、トルコとギリシャで最も強い労働市場が予想されています。
トルコでは、製造業、建設業、その他の生産業における雇用意欲の高まりに一部後押しされて、前四半期との比較および前年同期比のどちらも、より強い雇用意向を報告しています。ギリシャでは、金融・ビジネスサービス部門とその他の生産部門の雇用ペースが好調であることもあり、求職者にとって心強い兆しを反映しています。その他の地域では、南アフリカは引き続きEMEAの中で最も弱い労働市場である予想されており、10月から12月にかけて7つのセクターすべてと5つの地域すべてで人件費削減が予想されています。

新型コロナウイルス感染症が雇用に及ぼす影響について

調査結果から、製造業、専門サービス業、建設業などの一部の産業は雇用の回復に向かっていますが、その他の産業は長期的な影響を受け続けており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による健康、経済、社会危機の影響は、依然と世界の労働市場に重くのしかかり続けています。

世界の雇用主の多くが、労働市場の回復には当初の予想よりも時間がかかると予測しています。
ですが、従来の働き方をそのまま踏襲した経済活動の再開ではなく、柔軟な勤務形態や、健康と福祉、新たなスキルの開発に重点を置いた新しいワークモデルによる再開を目指しており、経済回復の初期兆候が見え始めています。

マンパワーグループでは、今後もグローバル視座での雇用に関する情報を提供してまいります。

より詳細なレポート(英語版)

マンパワーグループの雇用予測調査のより詳細なレポート(43の国と地域の完全な調査結果、地域およびグローバルでの比較)の
ダウンロードはこちらから(PDF) (英語版のみのご提供です)

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