なぜ、ローパフォーマーは変わろうとしないのか

2019年10月8日

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ローパフォーマー社員への対処・処遇は、どの会社でも苦心しており、企業からの相談が急増しています。
本コラムでは、ローパフォーマーがなぜ生まれるのか、ローパフォーマーに対してどのように対応したらよいのか、心理学と脳科学のフレームを用いながら4回にわたって解説します。

ローパフォーマーの判断基準は「期待役割」


ローパフォーマーとは、どのような人材なのでしょうか。
また、ハイパフォーマーとローパフォーマーの違いはどこにあるのでしょうか。

 ハイパフォーマー  期待役割以上の成果を出す人材
 ミドルパフォーマー  期待役割どおりの成果をだす人材
 ローパフォーマー  期待役割と成果にギャップが生じている人材

それぞれの役割において、寄せられる期待にこたえられているかどうか__。
文面だけ見ると納得感はあるかと思います。ただ、ここには落とし穴があります。
基準となる「期待役割」が明確に言語化されているケースが少ないのです。

本来、ローパフォーマーとは、能力の高低を指してのものではなく、成果と周囲(会社・上司・組織・顧客)の期待とにギャップが生じている状態を指します。
ですが、実際には能力や成果の数字だけでローパフォーマーと判断されてしまっているケースがあります。

例えば、「新入社員」は業務スキルも業績もベテラン社員と比べれば低い(少ない)のが一般的です。
だからといって、新入社員全員を押し並べてローパフォーマーと位置付けることはしないでしょう。
新入社員として期待している役割・成果に対して、どのくらいのパフォーマンスを発揮しているかで判断しているはずです。

一方、中堅社員以降の「期待役割」は個別性が高く、明確になっていない場合があります。
また、本人も十分理解していないというケースもあります。
会社と本人とで、この「期待役割」に対する認識がズレていると、頑張りどころを間違えてしまう、もしくはわからなくなってしまうなど、ローパフォーマー化するリスクが高くなります。

増えるシニアのローパフォーマー


ローパフォーマー社員は、どの年代にも存在しうるものです。
ですが、定年延長・定年撤廃を検討する企業の増加に伴い増えているのが、ベテラン・シニアのローパフォーマー社員に対する再活性化のご相談です。

社会や技術の著しい変化は企業活動にも影響し、おのずと企業が「社員へ期待すること」も激変しています。
ベテラン社員が、この激しい変化の流れについていけなくなり、ローパフォーマー化するケースが増えているのです。
「元々はハイパフォーマーだったエース人材が、今やご意見番。しかも、そのご意見が古臭く、周囲も困惑している」といった相談も珍しくありません。

社員本人が成長・変化を止めたときに、ローパフォーマー化が始まります。
会社がすべきことは、「もう何年かすれば定年退職なので」などと放置することではなく、例えば、コンピューターに置き換えればメンテナンス・アップデートにあたる活動を、適切に社員に行うことなのです。
「期待する役割などを明確に伝える」という面談や研修などの活動がそれにあたります。

ローパフォーマーはなぜ変わらないのか


そもそも、ローパフォーマーはなぜ変わらないのか。それは本人が変化する必要性を認知していないためです。
なぜ認知しないかというと、「変わってもメリットが少ない」あるいは「変わらなくてもデメリットが少ない」と考えているからです。
人には「プラスまたはマイナスの動機付けが無い限りは変わりにくい」という、心理的一貫性の法則があります。

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現在の自社の人事制度を思い浮かべてみてください。
期待役割以上のパフォーマンスやチャレンジを発揮したとき、昇給・評価・インセンティブ・賞賛など、変化に見合う明確な報酬はありますか。
逆に、期待役割から大きくギャップを生じたとき、注意・指導・減給・降格・異動など、ギャップを解消するための適切な対応やメッセージはありますか。

変わるための動機付けが弱いと、人は変わりたくない理由を探し出し、そこに安住してしまいます。
人事制度に問題が無い場合は、上司とのコミュニケーションに問題がある可能性があります(上司との関係性については、次回以降のコラムで解説します)。

最後に


ローパフォーマーが発生する要因は、以下の3つです。

1. 社員が期待役割を認識できていない 
  ⇒ 会社も明確に言語化していない

2. 社員が社会の変化についていけない 
  ⇒ 変化ごとの社員に対するケアが不足している

3. 社員が変化する必要性を感じていない 
  ⇒ 変化を促す動機付けが弱い

これらの要因を解消する環境・仕組み作りが必要です。
次回は、その環境の構成要素である、ローパフォーマーと直接対峙する上司の問題について解説します。

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