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数字から考える、シニア人材の活性化と課題

掲載日2018年11月20日

最終更新日2024年4月16日

数字から考える、シニア人材の活性化と課題

目次

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2018年6月13日に、政府官邸で「第9回 人生100年時代構想会議」が開催されました。
政府の掲げる「一億総活躍社会」「人づくり革命」のなかで、高齢者の就労促進は大きなテーマです。
「少子高齢社会への対応」「高齢者の就労促進」は耳慣れた言葉ですが、数字を基に考えると、その必要性や課題が改めて認識できます。
今回は、各種統計による数値を交えながらシニア人材の活用について考察します。

日本のシニア人材にまつわる統計数値

高齢化率:先進諸国中1位
(内閣府 平成29年版高齢社会白書)

日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は、6.6%でした。
(2015年時点。世界平均は8.3%、2位はイタリアの22.4%。アメリカは14.8%)

この数字は年々上昇を続け、2040年には35.3%、2060年には38.1%と、国民の3人に1人以上が65歳以上になると予測されています。
高齢者が生産や経済の担い手になる必要性は、世界で日本が最も高いと言えます。

健康寿命:世界194ヶ国中1位
(WHO世界保健統計2016)

日本の健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)で、74.9歳でした。
(2015年時点。世界平均は63.1歳、2位はシンガポールの73.9歳)
高齢者が、健康でかつ自立して活動できる期間は、世界で日本が最も長いと言えます。

生産年齢人口:3,906万人減少
(総務省「労働力調査」及び「人口推計」)

生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口層)は、日本のピーク時である1997年の8,699万人と比較すると、2060年は4793万人で45%にあたる3,906万人の減少が予測されています。
(2015年の生産年齢人口は7,728万人、2030年は6,875万人)
経済活動を支える人材を生産年齢人口の中だけで充足していくことは、年々困難になるでしょう。

66歳以上定年制または定年廃止企業:4.7%
(厚生労働省 平成29年「高齢者の雇用状況」)

定年または継続雇用期間は、65歳までがまだ大多数です。
66歳以上を希望者全員再雇用または定年延長・廃止している企業は、全体で4.7%、大企業では0.8%と少数派です。
高齢者が活躍するには、現在の雇用慣行や制度の検討が必要です。

65歳以上で再就職先を辞退した理由
「通勤が遠かった」比率:60.3%
(労働政策研究・研修機構 「60代の雇用・生活調査」)

65歳以上で再就職先を自分から辞退した理由として、「通勤が遠かった」を挙げた方が半数以上を占めました。
また、65歳以上で適当な仕事が見つからなかったと回答した方のうち、フルタイム勤務を希望する方が16.4%なのに対し、短時間勤務を希望する方は42.1%、近所の人や会社などに頼まれるなどして任意に行う仕事を希望する方は20.9%と、フルタイム以外での働き方に対するニーズの高さが見て取れます。
高齢者の就職では、仕事のやりがいや収入より、通勤時間と勤務時間を重視する傾向にあります。

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シニア人材活用にまつわる課題解決の方向性

生産年齢人口が減少する傾向を、「現在進行形であり不可避」という前提で考える

企業は将来的な人口構成を元に、中長期の企業経営・人事戦略を考える必要があります。遠い未来の物語ではなく、12年後の2030年にはピーク時1997年と比べ2,000万人近い生産年齢人口の減少が想定されています。

冒頭で言及した「第9回 人生100年時代構想会議」でも、国の様々な対策(65歳超雇用推進助成金の拡充、シルバー人材センターの業務拡大、生涯現役促進地域連携事業など)が報告されていますが、行政施策以上に大事なことは、実際に働く高齢者および働く場所である企業の意識変容であると実感しています。

とはいえ、ポジティブな材料もあります。

  • 日本は高齢化が進む一方でありながら健康寿命も世界一であり、自律的に働ける高齢者が非常に多いことを意味しています。
  • 高齢者のITリテラシーも年々向上し、「総務省インターネットの普及状況調査」では、65歳~69歳の71.4%、70~79歳の53.5%がインターネットを利用すると回答しており、インターネットの利用に抵抗のない「デジタルシニア」と呼ばれる層が増えています。

昨今の働き方改革の推進に伴い、テレワークや在宅での勤務形態も普及しており、高齢者が望む「通勤時間」「短時間勤務」を満たしながら、企業が懸念する「安全や健康面のリスク(通勤や運転など)」を減らしながら働いてもらう環境整備を進めて行くことが必要になります。

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「高齢者 "でも" 出来る仕事」ではなく、「あなた "だから" 出来る仕事」へ

まずは高齢者本人が、"安近短"な働き方に安住せず、年齢に関わらず、自分にしか出せない価値を、真剣に棚卸しして発揮することが重要です。

企業側も、テレワーク等の環境整備と並行して、「60歳を越えたら、あまり責任の重くない仕事」と考えず、本人の経験やネットワークを最大限活かせる職務・処遇・支援を検討することが重要です。

このように双方が真摯に向き合い、お互いに出来る仕事を検討していくことが、課題解決に繋がります。

マンパワーグループでは、様々なシニア向け事業(人材派遣・人材紹介・再就職支援・キャリア研修・キャリアカウンセリング・制度設計)を行っていますが、最近は「覚悟をもって、自分のキャリアを選ぶ」ことを、中高年の方には推奨しています。

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著者プロフィール

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マンパワーグループ株式会社

世界70カ国・地域にオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。

リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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