健康経営のさらに先へ ウェルビーイング経営への取り組み方

2018年8月21日

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取り組みが広がる健康経営

「健康経営」という言葉が、注目されるようになりました。
「健康経営」は、アメリカの経営心理学者であるロバート・H・ローゼンの『The Healthy Company』(2012)から広まった概念と言われています。

日本では健康経営について、経済産業省が以下のように説明しています。

「(健康経営とは)従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます」
出典:経済産業省ウェブサイト

また、経済産業省では平成26年に健康経営に取り組む上場企業を選定する「健康経営銘柄」を、平成28年には対象を上場企業に限らず幅広い法人に設定した「健康経営優良認定制度」を創設するなど、政府も健康経営の推進に当たっています。

働き方改革により、「長時間労働をせず休暇を取得しやすい職場環境づくり」に取り組んでいる企業にとって、この健康経営という概念は一つの指標になるでしょう。

健康経営を推進している各社の具体策としては、定期的な健康診断による身体的健康の維持・促進や、ストレスチェックによるメンタルヘルス不全の予防のほか、従業員に関するヘルスリテラシー関連の教育、ヘルシーなメニューを提供する食堂や健康相談窓口の設置など、様々な取り組みが挙げられます。

注目が高まるウェルビーイング経営とは

最近では、健康経営のさらに先を目指す概念として、「ウェルビーイング(well-being)経営」が注目されています。
これは生活習慣病やメンタルヘルス不全の予防だけでなく、社員の仕事へのやる気や組織へのエンゲージメントを高めようとする経営手法のことです。

ウェルビーイングとは、WHOによる健康の定義が基になっています。

健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会的福祉の状態であり、單に疾病又は病弱の存在しないことではない。

HEALTH IS A STATE OF COMPLETE PHYSICAL, MENTAL AND SOCIAL WELL-BEING AND NOT MERELY THE ABSENCE OF DISEASE OR INFIRMITY.

出典:外務省ウェブサイト
世界保健機関憲章(CONSTITUTION OF THE WORLD HEALTH ORGANIZATION)より

「ウェルビーイング(well-being)」とは、条文には「福祉の状態」とありますが、一般的には「良好な状態」という意味であるとされています。

また、心身の健康だけではなく「社会的にも満たされた良好な状態」にあることをさして、ウェルビーイングを「幸福な状態」と捉える考え方もあります。

社員にとって、健康で安心して働ける職場があり、やりがいを持って生き生きと働けることは、まさに「幸福な状態」であり、社員の満足度や企業へのエンゲージメントの向上が期待できます。
また、企業のウェルビーイング経営に対する取り組みは、求職者が就職先を選ぶときにも魅力的に映ることでしょう。

ウェルビーイング経営を実現する5つの要素

では、ウェルビーイング経営について考えるヒントとして、社員の「幸福な状態」について考えてみましょう。
幸福に関する理論のひとつに、米国ペンシルベニア大学 マーティン・セリグマン博士の、PERMAモデルがあります。
PERMAモデルでは、次の5つの要素で幸せを概念化しています。

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PERMAモデルは、「ポジティブ感情」、「思い入れ/結びつき」、「肯定的な関係性」、「意味/異議」、「達成」というこれらの5要素を高めることで、「持続的な幸福」の実現が可能になると言われています。

このPERMAモデルの5要素を、従業員のウェルビーイングを引き出す項目に当てはめてみました。これらの項目に対して企業はどのような施策を実施できるでしょうか。

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ウェルビーイング経営実践のために企業がすべきこと

■Physical:心身共に健康であること

心身が健康であることは、日々の生活や仕事に向けてのエネルギーが満ちていて、生産性や創造性が高くなり、まさにポジティブな感情を持って仕事にあたることができるでしょう。
長時間労働や過度なストレスを抱えないような職場環境の提供、休暇をとりやすい風土づくり、また、メンタルヘルスのケアが代表的な施策です。

■Community:コミュニティへの帰属意識

会社へのエンゲージメントが高いと、チームワークが強化され業務へのモチベーションが高まります。
エンゲージメントの高い組織を作るためには、リーダーシップを発揮できる存在も欠かせません。次世代リーダーを選抜し育成することは、エンゲージメントの高い組織作りにつながります。

■Social:良好な人間関係

フルタイム勤務を前提とすれば、1日の約3分の1以上の時間を過ごす職場において、人間関係の影響は大きいものでしょう。
職場のチームワークを強化するための研修のほか、ダイバーシティの推進に取り組み、様々な個性を持った社員が互いを尊重しながら働く場を提供しようという動きも増えています。

■Career:モチベーションや目標の有無

社員一人一人のモチベーションアップや成長に繋がる目標設定について、考える機会を設けることは重要です。
社員が自分のキャリアを考え、価値観や自身にとっての働く意味を明確にするためのキャリアデザイン研修を導入する企業が増えています。

■Financial:金銭的安定報酬

頑張った成果が正しく評価され、報酬が得られるというサイクルを適正に運用することは、社員のモチベーションアップにも影響します。
期初や節目の目標設定が正しく機能していることが重要です。また、従業員の育成やパフォーマンスの向上を主眼に置いたフィードバックが提供できるよう、役職者を対象にしたフィードバックスキル習得研修なども有効でしょう。

最後に

いまや時代の潮流は、社員の心身の健康を維持する「健康経営」から、仕事への意欲、組織へのコミットメントを高める「ウェルビーイング経営」へ進んでいます。

ウェルビーイング経営の実現にあたり、企業は職場環境や従業員のモチベーションなどの幅広い領域について考えなければなりませんし、従業員も一人一人が自分にとって幸福な状態とはどのような時なのかを理解する必要があります。

まずは、ライフキャリアデザインの観点で自身にとって大切なことや働く意味を考えることが、ウェルビーイング経営への第一歩です。

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