副業に積極的な一般社員は約3割。「副業をやる、やらない」の理由とは?

2020年4月20日

「モデル就業規則」の改訂、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」の公表など、政府が副業を推進していく中、2020年現在では、様々な業界の大手企業が副業を認めています。経済情勢に不安を感じて副収入を求める人も少なくはないであろう今、「副業」に興味を持つ人も増えているといえるでしょう。そこでマンパワーグループでは、役職についていない正社員20代~50代の男女400名を対象に、「副業」についての調査を実施しました。企業における副業の実態を知り、自社の働き方改革の参考にしてみませんか?

「副業が認められている」企業は、全体の約3割

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役職についていない正社員20代~50代の男女400名に、勤務先で副業が認められているかを聞いたところ、全体の約3割が「認められている」(27.1%)、「条件付きで認められている」(1.3%)と回答しました。政府による働き方改革の一環で、副業・兼業が推進されている現在でも、副業を認める企業はいまだ少数派のようです。

全体の約7割は「副業をしていない」「今後、やりたい副業はない」と回答

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副業をやっている人に、どんな副業をやっているか聞いたところ、「アンケートモニター(ポイントサイト)」(23.3%)で、副業をやっている人の大半を占めています。このほかでは、「商品モニター」(4.3%)、「アフィリエイト」「事務作業(データ入力、テープ起こしなど)」(2.5%)などの副業をしていることがわかりました。内容としては、起業型よりも、勤務や日常の生活の延長の中で取り組みが容易なものが多数を占めていました。

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また、「今後、やりたい副業」についての回答でも、「事務作業(データ入力、テープ起こしなど)」「商品モニター」(8.0%)、「アルバイト(コンビニ、引越作業員など)」(7.3%)、「アフィリエイト」(6.8%)といった、本業の隙間時間を活用してできる副業が挙げられています。

副業をやる理由は「自由に使えるお金を増やしたい」「将来に備えて貯蓄したい」

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副業をやっている、もしくは今後やりたいと考えている人たちに、その理由について聞いたところ、「自由に使えるお金を増やしたい」(82.6%)が、全体の8割超を占めました。また、「将来に備えて貯蓄したい」(66.7%)、「今の雇用に不安があるから、別の収入源をつくっておきたい」(33.3%)など、将来に備えるために副業を考える人も多いようです。その他、金銭面だけを目的とするのではなく、「空いている時間を有効に使いたい」(25.7%)という人や、「趣味・生きがいを見つけたい」(16.7%)、「スキルアップしたい」(15.3%)という人もいます。仕事以外の時間を副業に使うことで、人生をより充実させようと考えるケースもあるようです。

約3割が「本業が忙しくて時間がない」

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一方、副業をしていない、もしくは今後やってみたいと考えていない人に、その理由を聞いたところ、約3割が「本業が忙しくて時間がない」(30.5%)との回答しており、副業に費やせる時間の余裕がないケースも少なくはないようです。さらに、「手続きや税金の処理が面倒そう」(14.1%)、「いまの生活に満足しているから」(11.7%)と回答する人が4分の1程度を占め、「特に理由はない・興味がない」(47.3%)を合わせると、7割以上が副業への意欲が低いことを示しています。

副業が本業に与える「いい影響・悪い影響」とは?

副業が本業に与える「いい影響」とは?

副業が本業に与える「良い影響」について聞いたところ、収入に余裕ができることによる精神面の影響が大きいようです。また、収入以外にも、様々な人と関わる機会が増えることでコミュニケーションスキルが上がる、新たな気付きやインプットを得られる、本業でだらだらと残業せずに効率的に仕事できるようになるなど、本業の人間関係や仕事のパフォーマンスにも良い影響が出ることもあるようです。また、職場ではなかなか感じることができない充足感や外部からの評価で自信が深まるという肯定的な効果を得ている方々もいらっしゃいます。

■金銭面のストレスが減った
・少しでもお金に余裕ができると安心することができる(女性/28歳)
・お金のためだけに本業をやる必要がなくなり、心に余裕が生まれた(男性/44歳)
・自由に使えるお金が増えることで、仕事以外の喜びを得られ、本業のストレスから多少なりとも解放された(男性/58歳)

■人間関係が良くなった
・副業のおかげで、本業でもコミュニケーションがうまく取れるようになった(女性/25歳)
・普段の仕事では関わることのない様々な人との出会い、その価値観に触れることで、新しい気付きがある。本業の人間関係についても考え方や接し方が変化し、より良い関係が築けている(女性/33歳)

■本業の仕事のパフォーマンスが上がった
・時間を有効に使う意識が生まれた(女性/27歳)
・副業のおかげで、様々な経験や刺激を受け本業に生かせる(男性/29歳)
・副業の経験で、より本業の仕事にも生きがいを感じるようになった(女性/35歳)
・本業でクビになっても大丈夫だと思えるから、大胆な仕事ができるようになった(男性/36歳)

■自身の成長やスキルアップを感じている
・収入が増えたことで、様々な経験や体験ができる。自分のスキルアップや知識を増やせるので役立つことが増える(男性/26歳)
・視野が広がり、営業トークの幅も広がる(男性/28歳)
・いろんな視点で仕事を見ることができるようになった(男性/46歳)
・それぞれの業務の違いで、気持ちを切り替えられる(男性/32歳)

副業が本業に与える「悪い影響」とは?

一方、「悪い影響」については、本業と副業で忙しくなることから、睡眠不足や疲労など体力的な影響を挙げる人が多くいました。また、自分の時間がなくなるため、休日やアフターファイブにリフレッシュできないという声も少なくありませんでした。副業をすることでかえってストレスが高まるという指摘もありました。

■体力的にきつい
・肉体的に疲労がたまりがち(男性/30歳)
・寝不足で昼間に眠くなることが増えた(男性/46歳)
・隙間時間にも作業してしまうので、休まらない(女性/26歳)

■自分の時間がなくなる
・家族との時間が減る(女性/29歳)
・遊ぶ時間が減った(男性/27歳)
・自分のために使える時間が減り、ストレスがかかる(男性/50歳)

■本業がおろそかになる
・副業が気になって、本業時の集中力が落ちる(男性/37歳)
・体力的・精神的に余裕がなくなり、仕事上でミスが生まれる(女性/49歳)
・本業より稼げると、副業に身が入ってしまう(男性/32歳)

■スケジュール管理が大変
・スケジュール管理が大変で、見落としがあった(女性/33歳)

各企業で本業と副業を両立できるような仕組みづくりを

政府の働き方改革においては、副業・兼業は「新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段や、第二の人生の準備として有効」であるとし、普及、促進を図っていく方針を掲げています。今回の調査においても、「副業による新たな経験で視野が広がる」「コミュニケーション力がアップする」「業務効率やモチベーションが上がる」など、本業に役立つという声が多くありました。また、「副収入によって将来への不安がなくなる」「仕事以外の趣味や生きがいが見つかり、結果的に仕事への意欲がアップできる」といった声も少なくはありませんでした。

副業によって本業がおろそかになることを懸念する企業も多くありますが、本業とは違う領域の活動により、社員が成長し、自社事業に還元される可能性もあります。また、給与や待遇に不満がある場合でも、副業で収入を得ることによって、「雇用への安心感」や「仕事への純粋なやりがい」を実感するケースも少なくはないようです。

厚生労働省では「従業員一人一人が社会や組織の変化を先取りする形で変革に対応し、持てる力を最大限に発揮していくために、自ら主体的にキャリアを考え構築していく必要がある」という考えから、セルフ・キャリアドックの導入を推奨しています。セルフ・キャリアドック自体は副業を推奨・推進する制度ではありませんが、従業員みずからが自分のキャリアを考える、能力を開発するという目的は、副業の効果と相似するものがあります。

参考:厚生労働省 セルフ・キャリアドック普及拡大加速化 支援サイト
参考:厚生労働省 『「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開』 (PDF)

自社における副業のガイドラインを決定し、本業の妨げにならずに両立ができるような仕組みをつくれば、転職などによる人材流出の防止、従業員のリカレント教育、シニア社員のセカンドキャリア支援など、様々な効用が期待されます。

副業とよく似た概念に、経済学者ピーター・ドラッガーが提唱した「パラレルキャリア」があります。副業とは異なり、報酬を得ることを目的とせず、本業以外の第二のキャリアを築くことと理解されています。

「第二のキャリア」の選択は、およそ仕事とはかけはなれた趣味を深める、アマチュアスポーツ選手としての活躍、非営利団体や地域のボランティア活動など様々です。一般的には、報酬を得ないことから成果に対する責任感のハードルが低く、比較的気軽に始められるというメリットがあります。また、会社とは異なる見地を持つという無形のメリットは副業同等であるとされています。

一方で、今回の調整では「副業をしたくない理由」の質問に対し、47.3%の回答者が「特に理由はない・興味がない」と回答しています。真意として「特に自分ではこれといって好きなことや得意なことは無い」「なにをやっていいかわからない」という意見も含まれていたかもしれません。まずは自己理解を深め、自分のキャリアプランやライフプランの優先順位を設定した上で、必要であれば副業を選択するということが大切です。

会社と従業員が相互にメリットを感じられるような副業制度が設計され、あたりまえのように活用されるようになる__そんな時代が遠からず訪れるのではないでしょうか。

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https://www.manpowergroup.jp/client/serve/project-expert/

また、副業の解禁・制度化を検討されている企業向けの人事制度コンサルティングサービスも提供しております。
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https://mpg.rightmanagement.jp/tm/consulting/details02.html

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