仕事への好循環をもたらす、部下とのコミュニケーション方法のポイント

2019年12月4日

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シリーズ:
心理学と脳科学から解き明かす 部下の本来の力を引き出す指導法


部下への指導法は「気合と根性」だけでどうにかなるものではありません。
本コラムでは、個人個人が本来持っている力を引き出すための指導法について、心理学と脳科学のフレームを用いながら4回にわたって解説します。


第1回 「守りに入っている?変化を恐れる社員への処方箋
第2回 「増加する叱れない上司 部下への正しい叱り方を知る
第3回 「部下の成長を促すために、上司が行うべき行動とは
第4回 「仕事への好循環をもたらす、部下とのコミュニケーション方法のポイント」

これまで、対象者本人の問題、対峙する上司の問題、変化を促すアプローチについて解説してきましたが、シリーズ最終回の今回は、具体的なコミュニケーションのポイントをお伝えしてきます。

「やるべきこと」より「やりたいこと」で考える

人材開発やキャリア開発では「やりたいこと(WILL)」「できること(CAN)」「やるべきこと(MUST)」の大きさや重なりが重要です。
一般的に高いパフォーマンスを発揮している人は、3つの重なりや大きさ自体が大きく、パフォーマンスが思うように発揮できていない人は重なりが少ないか、WILLやCANが小さい傾向にあります。

パフォーマンスが思うように発揮できていない人への指導の場合は、MUST(これをやるべきだ/やらなければいけない)起点ではなく、本人のWILL(人生でありたい姿/仕事でやりたいこと)を聞く、もしくは一緒に考えるコミュニケーションが特に必要です。 上司の考える「べき論」だけで進めても、「分かりました/変わります」口先で言われて終わってしまいます。

性格ではなく、行動を変える

指導の場面ではつい、「協調性がない」「仕事に責任感を持て」「もっと主体性を発揮しろ」など、性格にフォーカスを当ててしまいがちです。
言われる本人からすれば、「抽象的すぎて何を直せば良いか分からない」「自分の人格を否定された」と感じ、行動変化だけでなくハラスメントのリスクが高まります。
性格にフォーカスを当てるのではなく、「プロジェクトの進捗会議で発言が無い行動は、協調性が無いと感じる。理由があれば教えてほしいし、プロジェクトの成功に向けて会議では意見を出してほしい」など、行動をベースに対話を進めましょう。

自らの業務などで忙しく、ついつい「そのくらい自分で考えろ」「根本から正さないと駄目だ」と思わず言いたくなることがあるかもしれません。しかし、まずは対象者の一つ一つの行動を変えることに注力すれば、周囲の評価も変わり、最終的には本人の思考などが変わっていきます。
【行動が変わる→周囲の評価が変わる(誉められる)→変化が習慣化する→仕事への意識自体が変わる→成果が変わる】というサイクルを意識しましょう。

再現性をコントロールする

  • 良い行動は、その場で誉める(再現させる)
  • 良くない行動は、何度でも叱る(再現させない)

行動変容は、その人のすべてを叱ることではありません。
先述の【行動が変わる→周囲の評価が変わる(誉められる)→変化が習慣化する→仕事への意識自体が変わる→成果が変わる】というサイクルを念頭に、良いことは誉めて繰り返し実行してもらい、良くないことはその都度注意して繰り返しをさせないという観点が重要です。
この積み重ねによって、望ましい方向への変化を促していきましょう。

行動変容に向けたプロセス

コミュニケーションのプロセスをまとめます。

1.パフォーマンスに関して、部下の自己評価とありたい姿を聞く
今の認知とありたい姿(WILL)を聞きます。

2. パフォーマンスに関する、上司の期待・評価を伝える 
ギャップがあることを誠実に伝えましょう。本人には不愉快な場合もありますが、避けて通れません。

3. 期待とパフォーマンスにギャップが生じている事実を話し合い、認識・受容させる 
説教や説得ではなく、傾聴しながら本人が他責から自責に視点を移すことが大切です。

4. 現状の打開、改善の必要性について意欲を喚起し、改善について合意を得る
両者の合意がポイントです。上司の一方通行にならないよう、本人に内容を説明してもらいます。

5. 改善目標は具体的な行動や測定可能な基準に落とし込む
「何を・いつまでに・どのように・どこまで」行うのか、期限付きで設定し、進捗確認の機会も決めます。

6. 改善がされなかった場合に起こり得る可能性に言及する
現在の状況が改善されない場合に、人事制度上起こり得る可能性(降給・降格・異動・その他)があれば、事実として伝えることも誠意あるコミュニケーションです。

その後、改善傾向があれば、労いと称賛、より難易度の高い役割を提供することが重要です。
一方で、改善傾向や当事者意識がないようであれば、何度でも明確に注意をすることが重要です。

終わりに

部下・社員の行動変容は、職業人生も人生自体も長くなっている現代において、会社のため以上に何よりも本人のために必要です。
改善の鍵は、上司が「誠意と論理」を兼ね備えて、本気で対応することに尽きます。
採用難が続く状況では、人材を次々に入れ替えることは容易ではありません。
今いる人材をどう活性化するかが、少子化が続く日本においての人事戦略上の重要課題といえます。

しっかりと対象者と対峙することで「あの時、真剣に向き合ってくれて良かった」と対象者が感じる瞬間を信じて、人材対応に取り組んでいただくことを切に願っています。

マンパワーグループでは、社員の行動変容プログラムや上司向けの研修プログラム、人事向けの制度設計コンサルティング等を提供しています。
本プログラムによって、「かつてパフォーマンスが低下していた人材が仕事への熱意を取り戻し、貢献人材へと変容した」とのご感想を、多くのクライアントからいただいております。

社風や人事制度によってプログラム内容は変わります。検討課題がございましたら、お気軽にご相談ください。

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