調査データ
2025年1月20日
ITエンジニア採用は、長期間にわたり人材不足による売り手市場が続いており、今後、ますます採用が難しくなっていくことが想定できます。また、一定以上のスキルを持つITエンジニアの場合は、転職を重ねることによってキャリアを形成していく傾向もみられます。
そこで、マンパワーグループでは、ITエンジニア職の正社員で転職回数1回以上の20~49歳の男女390名を対象に、「転職後の満足度」について調査しました。
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関連調査データ
ITエンジニア職の正社員で転職回数1回以上の20~49歳の男女390名に、転職後、いまの会社に満足しているか聞いたところ、「満足している」(21.8%)、「やや満足している」(40.5%)を合わせた【満足】が6割超という結果となりました。
一方、「あまり満足していない」(7.7%)、「満足していない」(7.7%)を合わせた【不満】は15%程度となっています。
年代によると、20代、30代では大きな差異はみられませんが、40代では【不満】を感じる人が1割弱と少なくなっています。
「転職後に満足しているところ」については、給与や人間関係、ワークライフバランスの面をあげる声が多くみられました。
仕事内容やスキルアップの面をあげる声も多くみられましたが、年代によって着目するポイントも違っているようです。
20代の場合は、「やりたい仕事につながる仕事で勉強できる」(男性・20代)、「研修が充実している」(男性・20代)、「新しい知識が身に付く」(女性・20代)など、成長できる点に言及する声がありました。
一方、30代の場合は「業界経験を積めた」(男性・30代)、「専門的な知識が学べる」(男性・30代)、「スキルアップできたと感じられる」(女性・30代)、「自分のスキルを思う存分発揮できる」(男性・30代)、「希望通りの仕事であること」(女性・30代)など、自分が望む方向でのスキルアップができることや、希望に沿った仕事内容に満足している声が多くみられました。
さらに、40代の場合は「自身のやりたいことが通りやすい」(男性・40代)、「比較的。自分のペースで仕事ができる」(男性・40代)、「自由にいろいろチャレンジさせてもらっている」(男性・40代)、「自己責任で仕事の段取りが組める」(女性・40代)など、裁量権の大きさや自由度の高さに満足している傾向がありました。
また、ITエンジニアの場合は、自社開発・客先常駐のどちらに携わるかによって働き方や携わるプロジェクトが大きく変化するためか、「勤務地が変わらないこと」(男性・30代)、「勤務地の安定性」(男性・40代)、「客先へ行くことがほとんどない」(男性・30代)、「一つのプロジェクトに腰据えてキャリアを積めていること」(女性・40代)などの声もあがっていました。
「転職後に不満を感じているところ」については、給与や昇進についての問題をあげる声が多くみられました。
いまの会社での仕事を今後どのくらい続けたいかを聞いたところ、全体では、いまの会社での仕事を「5年以上」続けたい人が4割超という結果となりました。
特に40代では、「5年以上」続けたい人が6割超と半数以上が今後の転職は考えていない様子がうかがえます。一方、20代では「5年以上」の割合が2割弱にとどまり、「1年~2年未満」の割合が3割弱と他の年代よりも高い傾向にあります。20代のITエンジニアは、いまの会社の仕事をしばらく続けながらも転職の機会を待っている人が多いようです。
今回の調査では、ITエンジニア職で転職した人のうち、「いまの会社に満足している」と感じている人が全体の6割超を占め、給与や職場の人間関係、ワークライフバランス、仕事内容やスキルアップなどについて満足している声が多くみられました。また、リモートワークができることも満足している点の一つになっているようです。
一方、不満に感じていることについては、給与や昇進、ワークライフバランスについてあげる声が多く、評価体制や社内の風土環境について不満を持っている人も少なくないようです。
ITエンジニアの給与水準は、ほかの職種と比べて全体的に高い傾向があるため、思うように給与が上がらない場合は、転職によって給与アップを目指す人も少なくはありません。そのため、納得できる評価体制の構築や、働き方・社内風土の改革などを進めることが重要と言えるでしょう。
また、昨今はリモートワークによって職場の人間関係が希薄になり、ロイヤリティが下がりやすくなる傾向もあるため、社内で交流する機会をいかに提供できるかも定着率をアップするためのポイントになるでしょう。