調査データ
2025年2月17日
ITエンジニアの人材採用が厳しくなっている昨今、「自社の魅力をどのように打ち出せば採用に結び付けられるのか」と悩んでいる人事担当者も少なくはないでしょう。
そこで、マンパワーグループでは、ITエンジニア職の正社員で転職回数1回以上の20~49歳の男女390名を対象に、「次の転職先に選びたい企業」について調査しました。転職経験のあるITエンジニアが、今後の転職先に求めている魅力を知り、より効果的な採用活動を行うための参考にしてみませんか?
マンパワーグループの採用代行・採用コンサルティングサービスは、希少人材の採用や全国採用など、難易度の高い採用のサポート実績も豊富です。ITエンジニア採用に関するご相談も承ります。
関連調査データ
ITエンジニア職の正社員で転職回数1回以上の20~49歳の男女390名に、エンジニア職の転職先として、次に転職するとしたらどんな会社を希望するか聞いたところ、IT系企業の「コンサル/SIer系」(26.9%)、「自社製品・サービス企業系」(22.3%)がそれぞれ2割超で、高い回答率を占めています。
年代別に見ると、各年代ともほぼ近似した結果になっていますが、30代ではIT系企業の「自社製品・サービス企業系」(30.8%)が3割超で、全体において最も高い回答率となりました。また、20代はIT系企業の「SES/サプライヤー系」(14.6%)がほかの年代よりもやや高く、40代は「IT系以外の企業(事業会社の情報部門など)」(16.9%)がほかの年代よりやや高い傾向にありました。
転職先別に聞いた「次の転職先として希望する理由」について、最も転職先として希望する人の割合が多かったIT系企業の「コンサル/SIer系」では、現職とはまた違う仕事内容に魅力を感じている声が多く、次いで多かったIT系企業の「自社製品・サービス企業系」では、自社で開発する製品に携われる魅力についての声が多くあがっていました。また、将来のキャリアを考えている人や仕事のやりがい重視する人も多くいます。
IT系企業の「SES/サプライヤー系」については、客先常駐で幅広い案件に携われるためか、スキルアップしたいという声が多く、やりたい仕事に集中できる環境に対してのメリットや魅力があるようです
「IT系以外の企業(事業会社の情報部門など)」では、専門性を高めたいといった声がある一方、安定的に働ける環境や待遇に魅力を感じる声も多くあがっていました。また、「フリーランス・起業」は、個人で自由に動ける働き方に魅力を感じているようです。
また、それぞれの転職先に対して、「今までと同じ仕事を続けたい」「今のスキルを活かせる」「今の仕事が好きだから」などの理由から、現職と同じ仕事に就きたいとする人も一定数いました。
次に、「転職先別の良いと思うところ」について、それぞれのTOP3をご紹介します。
SIer(システム インテグレーター)のエンジニア職の良いところは、「給与や待遇が良さそう」(20.3%)、「スキルや経験を活かせそう」(17.2%)、「スキルアップできそう」(15.9%)がTOP3を占めました。20代は「労働条件(勤務時間や通勤等)が良さそう」(14.6%)、30代は「業績が安定してそう」(15.4%)が他の年代より高い傾向にありました。
IT関連の事業会社のエンジニア職の良いところについても、「給与や待遇が良さそう」(15.1%)、「スキルアップできそう」(14.4%)、「スキルや経験を活かせそう」(13.3%)がTOP3を占めています。各年代とも近似した割合となっていますが、30代では「顧客対応に追われない」(13.1%)がほかの年代より高くなっています。また、20代と40代では「業績が安定してそう」がそれぞれ1割超と比較的高い割合だった一方、30代はやや低い傾向が見られました。
IT関連のサプライヤーのエンジニア職の良いところも、「スキルや経験を活かせそう」(13.1%)、「スキルアップできそう」(12.1%)、「給与や待遇が良さそう」(11.5%)がTOP3を占めていますが、これに続く「労働条件(勤務時間や通勤等)が良さそう」(10.8%)、「業績が安定してそう」(10.3%)についても1割程度と、大きな差は見られませんでした。
IT関連以外の会社のエンジニア職の良いところは、「労働条件(勤務時間や通勤等)が良さそう」(11.3%)、「スキルや経験を活かせそう」(10.5%)、「給与や待遇が良さそう」(9.0%)が上位となっており、待遇やキャリアだけでなく、ワーク・ライフ・バランスの改善が望める点に魅力を感じていると言えそうです。
フリーランス・起業のエンジニア職の良いところは、「仕事量をコントロールできそう」(16.2%)、「スキルや経験を活かせそう」(15.4%)、「給与や待遇が良さそう」(11.5%)が上位となっており、30代では「スキルや経験を活かせそう」(20.8%)がほかの年代よりも高くなっています。また、20代は「労働条件(勤務時間や通勤等)が良さそう」が12.3%と高い一方、キャリアの長い40代は2.3%と非常に低い結果に。若手世代はテレワークができる環境を望む傾向があるものの、エンジニア経験が豊富な40代のほうが業務量全体の判断力に優れていると言えるでしょう。
今回の調査では、ITエンジニア職で転職した人が、エンジニア職の転職先として、次に転職するとしたらどんな会社を希望するか聞いたところ、全世代においてIT系企業の「コンサル/SIer系」(26.9%)、「自社製品・サービス企業系」(22.3%)がTOP2となりました。
また、それぞれの転職先の良いところについては、「Sler(システムインテグレーター)」「IT関連の事業会社」「IT関連のサプライヤー」といったIT企業については、「給与や待遇が良さそう」「スキルや経験を活かせそう」「スキルアップできそう」が上位を占め、「IT関連以外の会社」では、「労働条件(勤務時間や通勤等)が良さそう」、「フリーランス・起業」では、「仕事量をコントロールできる」が1位でした。
これらを踏まえると、ITエンジニアが転職先に選ぶ企業の条件としては、「給与などの待遇面の魅力」と「スキルを活かせる仕事内容」が大きいと言えそうです。また、スキルアップを目指す場合はIT関連企業、働き方を重視する場合はIT関連以外の企業やフリーランス・起業を選択しようとする傾向があることも窺えます。
とはいえ、ITエンジニアの給与水準は、そもそもほかの職種と比べて高い傾向があるため、資金力に余裕がある企業以外では、他社よりも魅力的な金額を提示することは難しいと言えるでしょう。今回の調査では、同じITエンジニア職でも業種によって魅力を感じるポイントが異なり、かつ、年代によっても違いがあるという結果が出ています。これを踏まえると、今後は、自社の業種の特性や欲しい人材の年代に合わせた魅力をより強く打ち出すことがカギになるかもしれません。