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ITエンジニアの約半数が、入社後に違いやギャップを感じている。いい意味、悪い意味、それぞれのギャップを紹介

2024年12月 9日

ITエンジニアの人材不足が加速する中、応募者を集めるために求人情報の文章を工夫するなど、自社の魅力を伝えようと試行錯誤している方も多いのではないでしょうか。しかし、採用に成功しても、入社後に「求人内容から想像していたこと違う」というギャップが生じ、結果的に早期退職につながるケースは少なくありません。

そこで、マンパワーグループでは、ITエンジニア職の正社員で転職回数1回以上の20~49歳の男女390名を対象に、転職先に入社後、ギャップを感じたことについて調査しました。

マンパワーグループでは、希少人材の採用や全国採用など、難易度の高い採用のサポート実績も豊富な採用代行・採用コンサルティングサービスを提供しています。ITエンジニア採用に関するご相談も承ります。

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調査時期
2024年9月
有効回答
20代~40代のITエンジニア職の正社員かつ転職回数1回以上の男女390名

目次

ITエンジニアの約半数が、入社後に違いやギャップを感じている

今の会社に纏足して、入社前に抱いていた期待と実際の仕事に違いやギャップを感じましたか?

ITエンジニア職の正社員で転職回数1回以上の20~49歳の男女390名に、今の会社に転職して、入社前に抱いていた期待と実際の仕事に違いやギャップを感じたかを聞いたところ、全体では「いい意味のギャップを感じた」が3割弱、「悪い意味のギャップを感じた」が2割強と、約半数が違いやギャップを感じていることがわかりました。

年代別の傾向をみると、30代では「期待通りだと感じた」という人の割合がほかの年代よりも高く、40代では「いい意味のギャップを感じた」という人の割合がほかの年代よりも高くなっています。年代が高くなるほど、悪い意味でのギャップを感じることが少なくなるようです。

転職後にギャップを感じたことトップ3は、「給与・賞与・手当」「仕事の内容」「仕事の進め方・業務範囲・責任範囲」

どのようなことに違いやギャップを感じましたか?

転職先でどのようなことに違いやギャップを感じたかを聞いたところ、「給与・賞与・手当」「仕事の内容」「仕事の進め方・業務範囲・責任範囲」がトップ3となりました。いずれの項目も、いい意味/悪い意味の双方でギャップを感じており、項目による大きな偏りはみられませんでした。

年代別の傾向をみると、20代は「オフィス環境」「求められるスキルや業務の難易度」がほかの年代より高い傾向にありました。コロナ禍以降、リモート勤務ができることを重視する傾向や、経験・スキルがまだ少ない若手世代ならではのギャップ感があることがうかがえます。

一方、30代は「仕事の内容」「勤務時間・勤務体系・勤務地」「取引先との関係性」にギャップを感じる割合がほかの年代よりも高くなっていました。仕事において求められることが増えていくと同時に、結婚・子育てなどでライフステージが変化しやすい世代であることも影響しているといえそうです。

また、40代では、「仕事の進め方・業務範囲・責任範囲」「社風や経営方針」にギャップを感じる割合が高い傾向がありました。一定以上の責任やポジションを任される世代ということもあり、転職先の仕事や組織の体制、社風などにギャップを感じやすいのかもしれません。

ITエンジニア職に聞いた、転職後にギャップを感じたエピソード

転職後にギャップを感じたエピソードとしては、給与や仕事内容、ワークライフバランスなどに対して、いいギャップ()、悪いギャップ()それぞれ感じている声が多く上がっていました。

給与・賞与・手当についてのギャップ

前職は評価・給与が不適切だったが、転職後、どちらも適切になった(男性・30代)

思ったより月収が増えなかった(男性・20代)

ボーナスはあると聞かされていたが、規定がありその規定に届かないともらえない(女性・40代)

評価の基準があいまいで、昇給が2年に1回あればいいほう。昇給額も少ない(男性・30代)

ワークライフバランスについてのギャップ

残業が以前より減った(男性・30代)

在宅勤務メインなので融通が利く(男性・40代)

配属案件が選べるのはいいが、面談時と配属時で残業時間に差があった(女性・20代)

残業が思ったより多い(男性・40代)

仕事量と給料が見合っていない(女性・20代)

仕事内容についてのギャップ

面接で聞いていた仕事内容の10%も充足していない(男性・30代)

ITコンサル領域の仕事をしているが、会計領域だと思ったが、実際には生産管理システムをやっている(男性・30代)

語学を重視した採用だったが、実際はほとんど使うことはなかった(女性・20代)

仕事の進め方についてのギャップ

現場で業務改善を積極的に行う文化があった(男性・30代)

開発の設備環境がよかった。仕事しやすくする配慮がされていた(男性・40代)

チーム内で業務フローやナレッジが整理されておらず、業務に慣れていない人にはとても入りづらい環境であった(女性・30代)

根拠が乏しかったり、実現性がなかったりする内容を行うことが多く、自分の知識が活かされていないと思った(男性・30代)

ITエンジニアによくある仕事のギャップとして、「自社開発をアピールしていたのに、その実態は過去にやったものばかりで、ほぼ客先勤務の会社だった」(女性・40代)、「客先常駐の比率が、面接で聞いていたよりも多かった」(女性・20代)といった声も少なくはありませんでした。

また、20代の若手層の場合には、「未経験でも一から教えると書いてあったのに、すぐに派遣先に行かされた」(女性・20代)、「入社してみると研修が充実していた」(男性・20代)、「求めていた成長機会が想定よりも少なかった」(男性・20代)など、教育体制や成長機会に言及する人もみられました。

求人票の内容とのギャップを、面接などの採用過程でいかに埋めるかが重要に

今回の調査では、ITエンジニア職の約半数が、入社後に違いやギャップを感じていることがわかりました。転職後にギャップを感じることは、「給与・賞与・手当」「仕事の内容」「仕事の進め方・業務範囲・責任範囲」が上位を占めます。

また、「給与や仕事内容、残業の多さなどが、求人に書いてあることや面接で聞いた話と違った」という声が多くあり、仕事内容については、「自社開発に携われると思っていたのに、客先常駐の仕事だった」「設備や言語などの開発環境が古い」などの不満を感じている声も少なくありませんでした。一方で、社風については「思ったより自由度が高い社風で働きやすい」「一緒に働く人たちがいい人だった」というプラス面でのギャップを感じている声も多くありました。

20代の若手層の場合は教育体制や成長機会を求める傾向がある一方、30代、40代の場合は、より自分の専門性を活かして活躍できる仕事内容や仕事環境、正当な評価などを求めている傾向にあります。

採用活動においては、求人票で自社の魅力をなるべくアピールし、応募の母数を高めることが必要ですが、面接などの選考過程を通じて、これらのマイナス面のギャップをいかに埋めるかが重要といえそうです。

また、プラス面のギャップとして挙げられている社風などについて、よりアピールすることでも応募者を増やすことができるかもしれません。

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本調査データの利用・引用に関しては、下記のWEBフォームよりお問い合わせください。また、本調査データを利用・引用の際は、当該ページのURLとともに、出典の記載をお願いいたします。

また、アンケートの結果は調査時点に基づいたものであることにご留意ください。

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