執筆者プロフィール
宮澤 拓巳
東日本ITサービス部 兼
GTD東日本ITサービス部
部長(掲載当時)
今回はいつもと少し違った視点で「人間の性格は職種によって変わるのか?」というテーマでコラムを書いてみようと思います。独自の見解が多い文章になりますがご了承下さい。
デザイン業界からIT業界に転職
私はIT業界に転職して今年で13年ほど経ちますが、前職はIT業界とはほぼ無縁のデザイン業界で仕事をしていました。
デザインにも色々なデザインがありますが、私が8年間ほど携わっていた業界は、雑誌や広告などの「エディトリアルデザイン」が主な内容でした。「エディトリアルデザイン」とはポスター/パンフレット/雑誌/広告など出版物のレイアウト(紙面割りからPHOTO切抜き・背景デザイン・フォント設定等)を行うものです。今ではMac等の家庭用のパソコンでも立派なものが出来るようになりましたが、少し前までは専門職の1つでした。
元々私はデザインが好きだったこともあり好んで選んだ職業ではありましたが、世の中の出版物はWebデザインにどんどんシフトしていくと同時に、家庭用のパソコンの急激な普及や性能向上に相まって、業界が縮小の方向に向かい始めた時期に転職をしたことになります。
まさにITの潮流に飲み込まれたと言っても過言ではありません。と前説はこれくらいにしておき、デザイン業界⇒IT業界に転職したことにより性格がどのように変わったのか、もう少し具体的な例を赤裸々に紹介してみようと思います。
IT業界に転職し彼女との喧嘩が減った!?
良くあるケースですが、とある休日のランチをどこで食べるかで大喧嘩になった場面より。
男性「そろそろ腹減ってきたね。何食べようか?」 男性の頭の中⇒「彼女が喜ぶ物を食べよう」
女性「何でもいいよ。何食べたいの?」 男性の頭の中⇒「トンカツ食べたい」
男性「じゃあトンカツにしようか?」
女性「う~ん、トンカツ以外がいいかなあ」 男性の頭の中⇒「何でもよかったんじゃないのかよ」
男性「じゃあ、パスタとかどう?」
女性「パスタ昨日食べたかも~」 男性の頭の中⇒「先言ってくれよ!何でもよかったんじゃないのかよ」
男性「じゃあ、もう好きにしてよ。ブチッ(切れた音)」
女性「・・・・・プチッッッ!(切れた音)」
同じ経験をお持ちの方も多いと思います。若さも手伝ってか、元々私は短気であり、その上直感で物を言ったり行動するいわゆる「直情型」の人間でした。こんな事ばかりを20代は繰り返していた記憶があります。
20代後半で転職してからこのような些細な衝突がほとんどなくなっていく訳ですが、そこには経験の積み重ね(年齢)や、ある程度の余裕(自信)、自分を取り巻く環境の変化(外因)などの要素より、明らかに例外が発生した際に一時的に考えるフロー(思考回路)が変わったことが大きく関わっているのだと勝手ながら自己分析しています。職種によって性格が変わるかどうかは分かりませんが、転職直後に某大手コンピューター会社のソフトウェア障害調査・解析担当の現場に放り込まれて以来、どんなシーンにおいても瞬時に一旦考えるという癖が付いたのは事実です。おそらく前職と現職では頭を使う部分と使う時間が異なっていたのでしょう。それでは具体的にどのように変わったのでしょうか。
男性「そろそろ腹減ってきたね。何食べようか?」 男性の頭の中⇒「彼女が喜ぶ物を食べよう」
女性「何でもいいよ。何食べたいの?」 男性の頭の中⇒「何でもいいのか・・・・この辺りの飲食店だと7,8種類くらいかなぁ」
男性「じゃあトンカツにしようか?」
女性「う~ん、トンカツ以外がいいかなぁ」 男性の頭の中⇒「トンカツ以外という事は残り5,6種類か、じゃあ次はパスタが無難かな」
男性「じゃあ、パスタとかどう?」
女性「パスタ昨日食べたかも~」 男性の頭の中⇒「なるほど。彼女もう選ぶ気なさそうだな。だったら一通り揃っている場所が1番ベストだな」
男性「じゃあファミレスにしよっか?」
女性「OK!」 男性の頭の中⇒「目的達成」
また、こちらは特に職種に関係ないと思いますが、IT業界に転職してからサーバー系のシステム要件/設計/構築/運用と一通りの流れを経験させてもらってきたことで、目的⇒手段⇒達成のプロセスが最も大事で、良くある目的と手段を履き違えてしまうということがなくなりました。目的を達成するための過程や手法はあくまでも手段にすぎないという意識が癖のように頭に植え付けられたことも性格に変化を与えた要素の1つではないかと思っています。
最後に
「そもそもデートでランチする場所くらい事前に決めておくでしょ・・・・」と身も蓋もないことを思ったあなた!
見事な事前リスク回避です。私よりよっぽどエンジニアに向いていると思います。是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか?