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調査データ

【労基法改正関連調査】有給休暇を取得できない理由。男性は仕事量が多い、女性は迷惑がかかる

2016年7月20日

マンパワーグループは、20~59歳の正社員(勤続年数1年以上)の男女を対象に、2015年度の有給休暇取得状況の実態についてアンケート調査を実施しました。2015年通常国会に労働基準法改正法案が提出され、いまだ継続審議となっていて法案の行方は未定ですが、特に一般企業に影響の大きい有給休暇取得促進の施策について、取得状況とその背景を把握しておくことが今後の対策につながります。

調査時期
2016年6月
有効回答
400人

目次

有給休暇は「取得できている人」と「全く取得できていない人」に二極化

2015年度の有給休暇の取得日数について質問したところ、上位は「10日」(21.8%)、「0日」(18.5%)という結果に。有給休暇取得の実態においては、「取得できている人」と「全く取得できていない人」に二極化していることがわかりました。

労働基準法改正法案では、年次の有給休暇付与が10日以上の労働者を対象に、「付与した有給休暇日数のうち、年5日については企業が1年以内に時期を定めて与えねばならない」という方向になっています。今回のアンケート結果を見てみると、年5日以上の有給休暇を取得していると回答した人は、全体の61.6%。自主的に取得する日数が少ないケースが4割近くという現状が浮き彫りになりました。

有給休暇は「取得できている人」と「全く取得できていない人」に二極化

男性は「仕事量が多い」、女性は「迷惑がかかる」「病気や用事にとっておきたい」が取得できない理由に

それでは、自主的に有給休暇を取得しない背景として、どのような理由があるのでしょうか。
調査の結果、男性においては「仕事量が多いから」(31.5%)が上位になりました。日常的に多くの仕事を引き受けていたり、責任ある立場でプロジェクトを進めているなどの場合、自分が数日休むことによって仕事の進捗に影響が出ることを懸念するケースが多いようです。

一方、女性においては、「他の社員に迷惑がかかるから」(26.0%)、「病気や用事のために取っておきたいから」(24.5%)が上位に。チームで仕事を進める際に他のメンバーへの影響を考えているのはもちろんのこと、育児と仕事を両立する女性の場合には、子どもの病気などの突発的な出来事に対応するために、日頃の業務においてなるべく穴を開けないよう努めていることがうかがえます。

その他に、「職場の雰囲気が悪く、申請しづらい」(男性/製造業 石けん・合成洗剤・医薬品・化粧品)、「事前に申告する手間を考えると、取得すること自体が面倒」(女性/建設業)などの回答が。申請しにくい雰囲気や、手続き面の複雑さも影響しているようです。

さらに、「1年先まで持ち越しできるため、まだ使っていない」(女性/銀行・金融・保険業)、「休日出勤が多いので休むときは振替になる」(男性/出版・印刷関連産業)というコメントも。それぞれの業界特性によって、制度そのものに差異が出ている状況も見えてきました。

男性は「仕事量が多い」、女性は「迷惑がかかる」「病気や用事にとっておきたい」が取得できない理由に

まとめ

今回の調査では、業界や企業ごと、個々の立場によって、有給取得日数における格差があることがうかがえました。 しかし、労働基準法改正法案においては、一般社員だけでなく、管理職の従業員も対象に検討されています。また、従業員数の多い大企業だけでなく、中小企業なども含めて、全ての企業がこの有給休暇の指定義務化の対象になることも予想されています。さらに、規定の有給休暇日数を消化していない社員が多い企業には、罰則規定がもうけられる可能性もあります。

2016年春からの施行は先送りされたものの、今後も法制化を検討する流れが予想されるため、これから先、企業が従業員の有給休暇の取得に対し、管理・対応することが必要となる可能性があります。今後は、さらなる取得促進のための環境整備や、取得を義務づける制度の導入などを検討し、準備を進めておくべきかもしれません。

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