調査データ
2025年11月10日
中途採用も売り手市場が続くことが予想されている現在、複数回にわたる「転職」という選択肢も当たり前になりつつあります。採用できたとしても「いかに定着させるか」という課題をクリアすることが重要になると言えそうです。
そこでマンパワーグループでは、20代~40代の転職経験者400名を対象に、「働きやすい職場」について調査しました。
退職者インタビューを活用した人材戦略の事例をご紹介した資料をご用意しています。離職防止や組織改善の参考にご活用ください。

20代~40代の転職経験者400名に、働きやすい職場とは、どのような職場だと思うかを聞いたところ、「休暇が取りやすい」(41.5%)が最も多く4割強、「上司、同僚、部下との関係が良好である」(38.5%)も4割弱の高い割合で続きます。3位以降は「福利厚生が充実している」(31.5%)、「会社の経営が安定している」(25.5%)が続きます。
年代別で見ると、20代では「業務の希望が通る・チャンスが与えられる」、30代では「休暇が取りやすい」、40代では「会社の経営が安定している」が、それぞれ他の年代に比べて高い傾向にあることがわかりました。

働きにくい職場については、「休暇が取りにくい」(34.3%)、「上司、同僚、部下との関係が良好ではない」(32.5%)が3割強でトップ2となりました。こちらは働きやすい職場の条件トップ2の裏返しとなり、「休暇」と「人間関係」は働きやすさに大きく関係していることがうかがえます。
以降は、「離職率が高い」(26.5%)、「評価基準が公正でないと感じる」(23.0%)、「福利厚生が整っていない」(22.5%)が2割超で続きます。
年代別で見ると、30代と40代は「休暇が取りにくい」、「上司、同僚、部下との関係が良好ではない」の割合が、20代に比べて高い傾向にありました。一方、20代は、「福利厚生」が3割弱と、他の年代と比べて高い割合となりました。

転職経験者に、転職後、働きやすさは改善されたと思うかを聞いたところ、「良くなった」が最も高く、4割台半ばを占めています。「とても良くなった」(18.0%)、「良くなった」(46.5%)を合わせると、転職経験者の6割超は、転職することによって、より働きやすい環境へと改善できたことがうかがえます。
年代別で見ると、「とても良くなった」「良くなった」を合わせた【良くなった】と回答した人の割合は、20代、30代、40代いずれも6割程度で、年代問わず改善傾向にあることがわかりました。

働きやすさが改善されたと感じる要因については、「休暇取得」が3割強で最も高く、「上司・同僚・部下との関係」、「福利厚生」が2割強で続きます。先に質問した「働きやすい職場」の条件トップ3と同様の結果になっているため、これら3つの条件を叶えられることは転職成功を実感する要素にそのまま当てはまると言えるでしょう。
また、フレックス/リモート勤務などの「時間のコントロール」、「経営状況」も1割台半ばと一定数いることから、柔軟に働けることや、安定的に働けることも、働きやすい職場だと感じる要因と言えそうです。
今回の調査では、20代~40代の転職経験者の4割超が「働きやすい職場」の条件として、「休暇が取りやすい」「「上司、同僚、部下との関係が良好」であることを挙げています。また、働きやすさが改善されたと転職経験者が感じる要因については、「休暇取得」「人間関係」「福利厚生」がトップ3となっていました。
これらを踏まえると、転職者は、休みの取りやすさ・多さ、職場の人間関係が良好であること、福利厚生が充実しているという3点を満たしているかどうかを重視する傾向が見えてきます。自社の魅力を伝える際には、有給休暇の取得率や取得を当たり前とする風土があること、職場の雰囲気を伝えることが重要となりそうです。応募前のカジュアル面談や内定前の職場見学などで、働きやすい環境や職場の風土についてしっかりと伝え、相互理解を深めることが必要と言えるでしょう。
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