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調査データ

新卒の就活では、オンラインと対面、どちらが良い?「最終面接」は約7割が対面派

2024年1月15日

新卒採用の活動にオンラインによる説明会や面接を実施する企業が増え、現在は一般化されている状況といえます。しかし、オンラインの活用には、メリットだけでなくデメリットもあるため、「新型コロナウイルスに関連する各種対策が緩和された今、採用活動にオンラインをどこまで活用すべきか」を再検討している企業も少なくないでしょう。

そこでマンパワーグループでは、社会人13年目の男女400名を対象に、「新卒就活時に感じたオンライン・対面の状況」について調査しました。新卒採用の各段階におけるオンラインの活用状況や、オンラインと対面、それぞれに対して感じたことなどをご紹介します。

調査時期
2023年7月
有効回答
22歳~29歳の社会人3年目までの男女 400名

目次

選考過程が進むほどオンライン参加は減り、「最終面接」は対面による参加が約半数

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社会人1〜3年目の男女400名を対象に、新卒での就活のとき、会社説明会、一次面接、二次面接、最終面接にどのような方法で参加したかを聞いたところ、オンライン参加が最も多かったのは「会社説明会」でした。

「オンラインのみ」(29.8%)と回答した人は全体の3割程度でしたが、オンラインの会社、対面の会社、どちらも経験したことのある「オンラインと対面の両方」(52.3%)と回答した人を合わせると、8割超がオンラインで会社説明会に参加したことになります。

次いでオンライン参加が多かったのは「一次面接」で、「オンラインのみ」(28.8%)が3割弱、「オンラインと対面の両方」(48.5%)が5割弱となっています。

さらに、「二次面接」では「対面のみ」(26.3%)が「オンラインのみ」(22.3%)を上回り、「オンラインと対面の両方」(44.0%)との回答もわずかに減っていました。

「最終面接」になると、「対面のみ」(49.0%)が半数近くを占め、「オンラインと対面の両方」(30.0%)が3割、「オンラインのみ」(18.0%)との回答は2割にも満たない結果となり、全体の8割は対面による最終面接に参加したことがうかがえます。

二次面接以降は「対面」による参加方法が増えており、最終面接という重要な局面では「対面」による実施を選ぶ企業が多いことがわかりました。

「最終面接」では全体の約7割が「対面のほうが良かった」と回答

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新卒の就活を振り返ってみて、オンラインと対面のどちらが良かったと思うかを聞いたところ、参加段階別に見ると、「会社説明会」は「オンライン」(39.3%)と回答した人が約4割、「どちらかというとオンライン」(21.9%)2割超で、全体の6割超が「対面より、オンラインのほうが良かった」と感じていることがわかりました。

また、「一次面接」についても、「オンライン」(26.5%)が3割弱、「どちらかといえばオンライン」(29.4%)が約3割で、過半数が「対面より、オンラインのほうが良かった」と感じています。

一方、「二次面接」になると、「対面」(21.1%)と回答する人が2割超、「どちらかというと対面」(35.7%)は約4割となり、全体の6割弱が「対面のほうが良かった」と感じていました。

さらに、「最終面接」では、「対面」(33.3%)が3割を超え、「どちらかというと対面」(36.2%)を合わせると、全体の約7割が「対面のほうが良かった」と感じていることがわかりました。

選考過程が進むほど「対面」による参加方法の比率は多くなる傾向にありますが、学生自身もそれと同様に「対面」を望む人が増える傾向があるようです。

「オンラインが良かった」「対面が良かった」それぞれの理由

オンラインと対面に対し、それぞれ良かったと思うことを聞いたところ、どちらにも良い面、悪い面があると感じている人が多くいました。

オンライン派の声としては、移動時間や交通費などの負担を軽減できる点を挙げる人が多く見られ、オンライン面接が可能になったことで、地域を限らずに就職活動がしやすいことを挙げる人もいました。また、気軽さや緊張感など気持ちの面でメリットを感じている声もありました。

一方、対面派の声としては、対面のほうが企業の雰囲気が伝わるという声が多くあり、対面でないとどういった人たちと同じ職場で働くのかもわからず不安に感じるという人もいました。

面接についてはオンラインにデメリットを感じる人が多く、会話の中の細かいニュアンスが伝わりにくい、会話と会話の間が気になるという声や、通信のエラーがあったときに対応に苦慮するといった、通信環境への不安についてあげる声もありました。

最もオンラインでの実施率が高かった会社説明会については、意見が分かれる傾向が見られ、オンライン派のメリットとしては、1日に数件の予定を詰めることができ、交通費もかからないなどを挙げる人がいました。一方、対面派のメリットとしては、集中できる、質問しやすい、対面のほうが印象に残りやすい、といった声などがありました。

全体的には、オンラインと対面を選考段階によって使い分ける方法が良いと考えている人が多い一方で、最終面接については圧倒的に対面派が多く、相互に伝わりやすい対面の面接のほうが、よりマッチングしやすいと感じているようです。

オンライン派の理由

  • 移動時間や交通費がかからないので、効率的にたくさんの会社説明会に参加することができる(入社2年目・/女性・24歳)
  • オンラインのほうが移動や身支度にかかる時間、交通費などのコストが抑えられる(入社3年目/男性・24歳)
  • オンラインのほうが変に緊張しないで済む(入社3年目/男性・26歳)
  • 会社説明会など、志望度が微妙な最初の段階で対面は厳しい(入社1年目/女性・22歳)

対面派の理由

  • 対面のほうがコミュニケーションしやすい。面接担当者の雰囲気や自分の良いところが伝わりやすいと思った(入社1年目/男性・22歳)
  • オンラインだと電波の調子が悪いなどの不安がある(入社2年目・/女性・23歳)
  • 対面のほうが会社や社員の雰囲気を知ることができる(入社3年目・/女性・25歳)
  • オンラインだと記憶に残らない。対面のほうが印象に残りやすい(入社3年目/女性・24歳)

選考過程に応じてそれぞれの方法を使い分けることが重要

今回の調査では、新卒の採用活動でオンラインによる実施率が高い段階は、「会社説明会」であり、全体の8割超がオンラインで参加したことがわかりました。また、二次面接以降は「対面」による参加方法が増えており、最終面接という重要な局面では約8割が「対面」による参加をしたことがわかりました。

一方、新卒の就活を振り返ってみて、オンラインと対面のどちらが良かったと思うかという点では、「会社説明会」は全体の6割超が「オンライン」、「一次面接」も過半数が「オンライン」という結果でしたが、「二次面接」では全体の6割弱が「対面」と回答しました。さらに、「最終面接」では、全体の約7割が「対面のほうが良かった」と感じていることがわかりました。

オンラインは、移動時間や交通費などのコストがかからず、地域も制限されないため、多くの企業の選考を受けられ、可能性を広げることができるという人が多い一方、対面のほうが自分の良さも応募企業の雰囲気も伝わり、オンラインではわからないことが見えてくるという声も多く挙がっていました。オンラインで実施する場合は、発言しやすい雰囲気づくりや、就活生の印象に残る会社説明会にする工夫などが必要になりそうです。

より多くの学生に応募してもらい、採用の可能性を広げるために、「会社説明会や一次面接はオンラインで実施」、学生の志望度を高めつつ、相互のミスマッチを防ぐために、「二次面接以降は、対面で実施」など、選考の過程に応じた使い分けが大事になるといえそうです。

採用代行などを活用し、適切なプロモーションの展開やアセスメントツールの選定、あるいは採用戦略や採用ブランディングそのものへの助言を得るのも一つの方法です。

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