調査データ
2018年9月17日
女性活躍推進において、多くの企業が結婚・出産後の女性支援のための制度・環境づくりを進めています。厚生労働省による「子育てサポート企業」としての基準を満たす"くるみんマーク"を取得した企業は、2018年3月末時点で、2,878社に のぼっています。そこで、マンパワーグループは、現在の会社に正社員として1年以上勤務している20代~50代女性400人を対象に、結婚・出産後の職場復帰の状況について調査しました。女性に向けた採用活動や定着率アップのヒントにしませんか?
現在の会社に正社員として1年以上勤務している20代~50代女性に対し、「結婚後、仕事は続けたか」と聞いたところ、全体の77.3%が「結婚後も同じ職場で仕事を続けている」と回答しました。「転職した」(6.4%)と回答した人を合わせると、8割以上の女性正社員が結婚後も仕事を続けていることがわかりました。
「結婚後に退職・転職した」と回答した女性正社員に、その理由について聞いたところ、「もともと結婚したら、退職するつもりだったから」(35.9%)、「子どもができたから」(28.2%)が、全体の6割以上を占めています。
退職を選んだ人のケースには、結婚・出産すれば退職するのが当たり前だったという時代の影響や、子育てに専念したいという価値観によって退職を選択したケースがあるようです。
一方、転職を選んだ人のケースには、産休・育休が取りにくいなど、職場の女性支援が不十分であるため、転職せざるを得なかったケースが多数ありました。体力的に子育てしながら働き続けることが厳しい職場だったり、子どもと過ごす時間を大事にしたいといった希望を満たすため、仕事の内容や勤務形態を選べる職場に転職したケースもありました。
■退職したケース
・子どもを保育園に預けることができず、復職・転職できなかった(48歳/東京都)
・結婚・引っ越しにより、職場が遠くなるため、退職することに決めていた(40歳/愛知県)
・子育てに集中したかったから退職した(47歳/静岡県)
■転職したケース
・子育てや家庭の事情で休みを取ることが増え、職場に居づらくなったことで転職した(43歳/兵庫県)
・土日祝日に子どもと過ごすため、条件にあった会社に転職した(47歳/岡山県)
・育児休業を取った結果、勤めていた職場に復帰できなったため、転職した(50歳/神奈川県)
「出産後、職場に復帰したか」という質問に対し、「復帰した」(67.2%)と回答した女性は全体の7割近くを占めました。
正社員として働いていた背景もあるためか、寿退社する女性社員は少数派であり、出産後も7割近くが職場復帰している現状が見えてきました。
出産後に職場復帰して働く女性にとっては、職場に託児所があったり、保育園の預かり時間に合わせて、就業の開始時間や終わりの時間を変更できるなど、育児と仕事の両立に対する会社によるきめ細やかなサポートが欠かせません。また、パート勤務への切り替えなど、雇用形態への柔軟な対応や再雇用制度によって復帰を決意したケースもありました。
■職場復帰できた理由
・会社や同僚がしっかりサポートしてくれた(34歳/東京都)
・保育園に入れるタイミングまで育休を取ることができた(53歳/大阪府)
・これまで何人も育休を取って復帰しているので、社員たちの理解がある(39歳/福井県)
・会社に託児所があり、復帰しやすい環境が整っていた(28歳/千葉県)
・会社が協力的なため、残業なしで働くことができた。夫も保育園の送り迎えをしてくれた(30歳/福岡県)
■退職した理由
・出産したら"辞めなくてはいけない"雰囲気があった(43歳/長崎県)
・勤務時間が長く、休みも取りづらかったから(45歳/東京都)
・出産や子育てにおいて、協力を得にくい職場環境だったから(50歳/京都府)
・シフト制の勤務形態であり、役職にもついていたため、時間の融通が利かなかった(36歳/愛知県)
今回の調査では、正社員で働く女性の約8割が結婚後も同じ職場で仕事を続け、出産後でも7割近くが職場復帰をしていることがわかりました。時代背景もあり、過去には退職や転職を選択するケースも多く見られましたが、現在は会社のサポート体制が充実していることで復帰を後押しされたケースが増えてきました。
結婚や出産を経て職場復帰を果たした女性の中には、「復帰までの育児中、子どもと二人っきりの世界で過ごす専業主婦は向いていないと思った。働くことが好きだと実感した」(32歳/大阪府)、「経済的に自立していたいから働き続けたいし、会社の制度や周囲の人たちに恵まれているおかげでそれができている」(40歳/東京都)といった声も多く、働き続けることに積極的な女性が増えているようです。保育園に入れない待機児童問題などによって、今の仕事を続けたいのにそれができない女性たちのために、企業が率先して女性支援の制度・環境整備に注力することは、意欲の高い人材を確保するためにも必須と言えるでしょう。
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