監査法人の年収は? 大手監査法人の年齢別・役職別の平均年収を紹介

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監査法人とは、5人以上の公認会計士によって構成される法人を指し、企業に対して監査をはじめとしたさまざまな業務を行います。監査法人への就職を希望する人にとっては、年収や具体的な仕事内容が気になるのではないでしょうか。人気の高い職場ゆえなおさらでしょう。
本記事では、実際どれくらいの年収があり、どのような業務を行うのかについて解説します。公認会計士の資格をもちながら監査法人以外で働く場合の年収比較も紹介しますので、ぜひ今後の就職に役立ててください。

【年齢別】監査法人の平均年収

ここでは、監査法人の年齢別平均年収を主要な法人を例に紹介します。

法人名20代30代30代
有限責任あずさ監査法人 406万円~568万円 524万円~712万円 679万円~896万円
有限責任監査法人トーマツ 500万円~750万円 650万円~1050万円 900万円~1400万円
EY新日本有限責任監査法人 507万円~632万円 700万円~800万円 800万円~1000万円
PwCあらた有限責任監査法人 568万円~707万円 777万円~887万円 997万円~1,116万円

※参考
あずさ監査法人の年収
有限責任監査法人トーマツの中途採用事情~社員年収、就労環境など~
新日本有限責任監査法人の年収
pwc(プライスウォーターハウスクーパース)の年収を詳しく解説!


【役職別】監査法人の平均年収

ここでは、監査法人の役職別平均年収を主要な法人を例に目安を紹介します。

法人名役職なし
(スタッフ)
シニアスタッフマネージャーシニア
マネージャー
有限責任あずさ監査法人 560万円 820万円 896万円 1,088万円
有限責任監査法人トーマツ 600万円 880万円 976万円 1,152万円
EY新日本有限責任監査法人 600万円 700万円 1,072万円 1,280万円
PwCあらた有限責任監査法人 560万円 760万円 1,056万円 1,280万円


※参考
公認会計士の年収実態調査結果総まとめ


【参考】監査法人以外で働く公認会計士の年収目安

公認会計士の中には、監査法人とは異なる職場で働く人もいます。たとえば「会計事務所」「税理士法人」「一般企業」などです。監査法人以外で働く公認会計士の平均年収目安は960万となります。

※参考
公認会計士の年収実態調査結果総まとめ


監査法人の仕事内容

監査法人の仕事内容は監査業務のみではなく、コンサルティングや会計業務など多岐に渡ります。ここではそれぞれの仕事内容について、具体的に解説します。

監査業務

まず、監査法人での主要業務となる監査業務について解説します。

監査とは

監査とは、企業の業務執行や会計処理について、不正や誤りがないかを法律などに照らしてチェックすることです。これを公認会計士が行う場合は「会計監査」、税理士が行う場合は「税務調査」と区別されています。

監査の重要性

なぜ監査が重要なのかというと、第三者的な立場での判断が必要だからです。もしこれを企業などが独自で行えば、決算報告などの信ぴょう性が損なわれます。つまり、外部機関からも評価を得ることが求められるのです。

監査業務の流れ

予備調査の後、監査計画のとおりに業務を行います。ここでは、3月が決算月であり、支店/子会社をもつ企業の監査を行う場合のスケジュール例を紹介します。また、スケジュール例に出てくる「往査」とは、 監査対象の企業に出向いて監査を行うことを指します。

7月 監査計画の立案
7月~8月 第1四半期レビュー
7月~9月 期中監査(内部統制・支店/子会社往査)
10月 第2四半期レビュー
11月~12月 期中監査(内部統制・支店/子会社往査)
1月 第3四半期レビュー
2月~3月 期中監査(内部統制・支店/子会社往査)
3月 棚卸立会
4月~5月 期末監査
5月~6月 計算書類/有価証券報告書監査
6月 監査意見表明

コンサルティング

次に、コンサルティングについてその主な業務を解説します。コンサルティングは監査業務と平行して実施されることもあれば、専門のコンサルタントと連携して実施されることもあります。

株式公開支援業務

経営戦略として企業が株式を公開する場合のサポートです。スケジュールや資本政策を立案し、法律や株式公開規制にもとづいて株価算定をします。また、株式公開を成功させるための事業計画を立て、株式公開に向けた書面審査もバックアップします。

M&Aアドバイザリー業務

M&Aアドバイザリー業務とは、企業間の「合併」「買収」に関するサポートです。具体的な業務は財務から法務まで幅広く、顧客との打ち合わせや相手企業との交渉なども行います。

その他

最後に、会計業務・税務について解説します。

会計業務

会社に出入りするお金の流れに関わる仕事です。決算書類を作成したり、請求書の確認や売掛金の管理をしたりします。場合によっては、伝票整理や帳簿づけも行います。また、決算報告や経営者の判断に応じて事業計画の作成を依頼されることもあるでしょう。

税務

本来は税理士が行う業務ですが、公認会計士は税理士登録をした上で行います。主な業務は税務相談や税務申告の代行、税務書類の作成などです。


監査法人で働くために知っておきたいこと

ここでは、監査法人で働くために知っておきたいことを紹介します。

公認会計士の資格が必要

資格取得が就職の絶対条件というわけではありませんが、実状としては資格を取得していないと採用されにくい場合があります。

試験内容の詳細と合格基準

公認会計士の試験は「短答式」「論文式」の2種類あります。公認会計士・監査審査会が公開している試験は以下のとおりです。

短答式試験(年2回):
・4科目/総点数の70%を基準として公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする。
・1科目につき、満点の40%に満たない場合は不合格となることがある。

論文式試験(年1回):
・5科目/52%の得点比率を基準として公認会計士・監査審査会が相当と認めた得点比率とする。
・1科目につき、その得点比率が40%に満たない場合は不合格となることがある。

いずれの試験も合格した科目は、合格後2年間の試験が申請により免除されます。

※参考
公認会計士・監査審査会ホームページ - 金融庁

公認会計士の資格を取得するには

公認会計士の合格率は10.8%(平成28年度)と難関であり、受験生の多くが予備校や専門学校など、会計の知識を学べる学校を利用しています。独学の場合、挫折しやすい、疑問点を質問できる相手がいない、論文の添削を行ってもらえないなど様々なデメリットがあるため、基本的には予備校などに通うことをおすすめします。

一方、独学での合格も不可能なわけではありません。もし独学で勉強する場合は、市販のテキストで問題の理解をした上で、過去問を繰り返し解くことが大切です。また、自分の実力を客観的に知るために、予備校などで行われる模試にはできるだけ参加するようにしましょう。モチベーション維持にもつながります。

公認会計士の就職状況

ある一時期、国の政策で公認会計士の合格者が大幅に増えたことがありました。その結果、2009年頃に公認会計士の就職氷河期が訪れました。しかし現在、監査法人は公認会計士の資格保有者にとっては「売り手市場」の業界といわれています。背景にあるのは、好景気によって生じた監査業務の需要増加と人手不足です。このような状況は少なくとも2020年頃まで続くと見られています。

※参考
公認会計士の就職事情について解説【就職氷河期を越えて】 - 外資系投資銀行への道標

アシスタントなら無資格でも働ける

公認会計士のみが行える業務は一部あるものの、それ以外の業務であれば「アシスタント」という立場でも担当できます。法律的にも、アシスタントは公認会計士の資格取得を義務づけられていないため、資格がなくても働けます。アシスタントの仕事は監査業務などの補佐が主になり、地域によっても異なりますが、随時募集があります。


まとめ

本記事では、監査法人の年収目安と業務内容、監査法人で働くために知っておきたいことについて解説しました。監査法人で働く場合、年収はサラリーマンの平均年収を大きく上回ります。
公認会計士に合格さえすれば、現在監査法人は売り手市場となっています。興味がある方は就職をぜひ検討してみてください。

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