【ITエンジニアが語るキャリアの築き方】逆境に立ち向かう自分を作る

目次

宮地 章弘

執筆者プロフィール

宮地 章弘

システム技術5課
ITエンジニアリーダー(掲載当時)

はじめに

大小はありますが、生きていると誰しも逆境を経験します。めざましく変わるIT業界では特にそれに立ち向かうことが多く、なかなか思うようにならないものです。だからと言って新しいことに挑戦せず現状に満足していると、逆境に出会った時、そこから抜け出せなくなるものです。そこで、第1回のITコラムでは、私なりの逆境対策「逆境に立ち向かう自分を作る」についてお話します。

看護師からシステムエンジニアへの転職

高校卒業後、私は定時制の看護学校に入学し卒業後准看護師として4年間病院で働きました。最初は人のためになる仕事であり、人と関わる事が好きな私に適した職業だと思っていましたが、次第に以前から興味のあったコンピュータ関係の仕事に強い憧れを抱くようになりました。全く違う業界への転職・・・。とても考え悩みましたが、やはり諦めることができず転職を決意しました。目指したのは、システムエンジニア(以下、SE)。
数あるIT職種の中で、どうして「SE」を目指したのかと聞かれれば、人間臭さがあるところでしょうか。システムを使ってくれる人の事を考えて、仕事の効率をよくしたり、要望をかなえたりするところにとても魅力を感じていました。
とは言え、看護師であった私は全く職種の違うとても高い壁を乗り越えなければなりませんでした。当時、SEのスキルが全く無かった私は、面接でSEを語っては勝てないと思い、「積極性」「柔軟性」「外向性」「協調性」といったヒューマンスキルを武器に、「人間関係の重要性」をアピールし、1社目で採用合格を勝ち取ることができました。
強い気持ちがあれば、どんな逆境も乗り越える事ができる」~私がこの転職活動から学んだことです。

人脈は財産

転職直後の苦労話を1つ。転職の場合、新卒に比べ現場で即戦力を求められます。急に辞めてしまった方の後任として配属された私は、引き継ぎもないまま社内のサーバメンテナンスとシステム開発を任されました。
毎日、システムや開発言語を必死に勉強しましたが、経験の少ない私には調べることが多すぎて納期に間に合わないことや、聞かないと分からないことが多々ありました。そんな時、私は様々な分野の知人に尋ね1つ1つの課題を解決していきました。
また、尋ねることによって相手も逆に聞きやすくなったようで、よく仕事以外の事でも質問を受けるようになりました。聞かれたことには誠意を持って答えることで、「知り合い」から「仲間」になれた気がします。
技術的な事は勿論ですが、逆境に陥っても助け合えるような「信頼できる仲間」を作る事が、SEとしての1番の財産ではないかと最近特に感じています。

強い自分を作るために

それでは、「信頼できる仲間」を作るにはどうしたら良いのでしょうか? 私は、次のように考えます。
人間関係の基本ですが、相手を常に敬い感謝することです。そうすれば自然と相手から歩み寄ってくれるようになります。私は、相手の好意がどんなに些細でも、きちんと言葉や形にして礼儀を尽くします。
また、普段から仕事だけでなく相手の趣味の話などから、深い人間関係を築くように心がけています。そうすることが、困った時に相談しやすい土壌を築いているのだと思います。周りの人たちと円滑な人間関係が築けていれば、仕事で問題が発生してもその力を借りてスムーズに解決できるとともに、難問を解決することによって周りからも必要とされるため、モチベーションを向上させることができ、逆境に立ち向かえる強い自分を作る事につながるのだと思います。

おわりに

あの時、異業界への転職を諦めなかったこと。そして、転職後の苦労を周囲の仲間と共に乗り越えたことで、今のITエンジニアとしての自分がいます。自分が考えたシステムが運用に乗った時の達成感は計り知れないものがあり、SEという仕事は、私が看護師時代に思い描いていた以上に魅力的な仕事です。
逆境に陥ると、今までの経験が通じずネガティブな発想になりがちです。しかし、逆境に立ち向かいそれを打破することは、人が大きく成長できるチャンスではないでしょうか。私は、逆境に陥った時に逃げ出したり誰かが解決してくれたりするのを待つのではなく、積極的に立ち向かうようにすることで、仲間とともにやりがいを感じ、SEとしての人生を楽しく歩んでけるのではないかと思います。
私の考え方が、少しでも皆さんの今後の参考となれば幸いです。

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