【ITエンジニアが語るキャリアの築き方】ITエンジニアはつらい?

目次

三ツ木 貴代志

執筆者プロフィール

三ツ木 貴代志

システム技術3課
ITエンジニアリーダー(掲載当時)

ITエンジニアはつらい?

過酷な職業の1つとして上げられることが多いITエンジニア
ITエンジニアと一口に言いますが、SE、プログラマ、ネットワークエンジニアなど実際には多くの職種に及びます。それぞれの立場で大変なことはあるのですが、果たしてITエンジニアは本当に過酷なのでしょうか。
結論から言うと、確かにきつい時もあります。よく言われるように、日本の産業の構造的欠陥により、例えば下請けの下請けで従事するプログラマの立場だったりすればつらいことが多いでしょう。
では具体的にどんなところがつらいのでしょうか。

なぜITエンジニアはつらいと言われる?

なぜITエンジニアはつらい仕事だと思われるのでしょう。この後の話は勤務先の環境によって大きく変わるため一概には言えませんが、大なり小なり当てはまりそうな話の一般論に絞ってみます。
まず1点目は、残業が多いことがあるでしょう。基本的に納期は待ってくれません。ですから、限られたリソースで納期を守ろうとしたら、その分個人にかかる負担が大きくなるのは当たり前です。おまけに必ずトラブルが発生します。仕事で使用するツールやソフトは、市販パッケージ品含めても完全なものではない上、操作は人間がすることですから、必ず何らかのトラブルが発生します。そうなるとそれを解消しない限り完成しません。これはプログラマに限った話ではなく、システムの運用や構築時にも当てはまることです。もちろん、トラブルが発生しないように最大限の工夫をしたり体制を作っているところでは発生頻度が低くなるとはいえ、確実にありえることです。
2点目は、評価されることが少ないことです。「できて当たり前」「システムは普通に動いて当たり前」と考えられることが多く、当たり前のことをしても評価に値しないと考えられがちなのです。人間、自分のスキルが実際に試され、そのスキルを評価されることが喜びにつながりますが、残念ながらそのスキル自体が評価されづらい。
3点目は、2点目に少し重なりますが、コストダウン要求が厳しいことがあります。考えてみてください。もともとIT化がなぜ叫ばれたかと言えば、「効率化」「コストダウン」「省力化」といったポイントが大きかったはずです。「コストダウンのためにコストをかける」・・・理屈はわかっても何となく納得できない気持ちになるのは仕方ないかもしれません。当然個々の待遇に跳ね返ってくることになります。

ITエンジニアだけのこと?

いかがでしょうか。ITエンジニアが他の職種に比べてよりきつい仕事だということになるでしょうか。他の職種でも多かれ少なかれ、同じようなことはありませんか。よく考えてみると、何もこれはITエンジニアに限ったことではないと思いませんか。個人的な経験で恐縮ですが、数少ない職業経験からするとファストフード店でのアルバイトの方が精神的にきつかったです。ファストフード店は高度にマニュアル化されている上、どうしても工夫の範囲は限られます。私個人に限って言えば、惰性で仕事はできましたけど、モチベーションの維持が難しかったのです。
体力的にきつい職種には就いたことが殆どないので、そちら方面では良くわかりませんが。少なくとも、ITエンジニアだからつらい、ということは実はそう多くないということが何となくわかっていただけたでしょうか。

ITエンジニアはつらくない!

よく言われるように、仕事をするからには何かを生み出さなければいけません。それが物であれ、時間であれ、ホスピタリティであれ、です。いわゆるクリエイティブなことこそ仕事なのです。
そういったことを考えてみると、クリエイティブでない仕事はこの世に存在しません。中でも、ITエンジニアはクリエイティビティを実感しやすい仕事だと思います。安定稼動を求められる運用業務だって、クリエイティブな仕事です。安定稼動しているという成果を達成しているのですから。そしてクリエイターに求められる能力とは、「集中力」「単純作業を続ける力」なのだそうです。このことは私も実感しています。パッとしたひらめき、アイデア、そういったことは1つのピースに過ぎません。
仕事に対する考え方は人さまざまですが、私は大きく二つのタイプに分けられると思います。1つは、仕事をどうせするのであれば楽しくしたい、あるいは、最低限の報酬でいいから楽な方がいいというタイプ。もう1つは、仕事は苦しくて大変なもので、その中でぎりぎりまで答えを追求していくタイプ。でも、個人的にはそのハイブリッドが1番なのではないかな、と考えています。どうすれば1番いいのか、自分が納得できるのか、そして、もちろんお客様が喜んでくれるのかを追い求める。
その結果、苦しかったけど楽しいこともあったというのが理想です。集中力を維持する、単純作業を続ける、どちらも非常に大変なことです。ですが、世の中にクリエイティブではない仕事が存在しない以上、どの仕事でも同じこと。
今やメジャーリーガーを代表する選手となったダルビッシュ投手が言っていました。
「何もしないうちに初めから興味わけをして、自分から逃げていくのはもったいない。」

もし、「きつい仕事かも」という理由だけでITの世界に入ることを躊躇している人がいたら・・・。
ぜひ思い切って1歩を踏み出してみてください。苦しいことも楽しいことも、すべて揃っていると保障します。

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