日本の有給休暇取得率は世界の半分以下!
有給休暇に対して、あなたはどのようなイメージをお持ちですか? 「お給料をもらって休める日」くらいの認識の方が多いのでは? また中には「職場が申請しづらい雰囲気」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
有給休暇は、「雇入れの日から6ヶ月間継続勤務した場合、かつ、その間の全労働日8割以上出勤した場合に最低10労働日分が付与される」ということが労働基準法にて定められています。最初の付与以降、毎年付与日数は増えていき、6年半以上になると毎年20労働日分が付与されます。これは正社員や派遣社員、契約社員など、雇用契約条件を問いません。パートタイムで勤務している方は、週の労働日数によって付与日が変わってきます。
有給休暇が誕生した目的は、労働者の心身の疲労を回復するためです。また、企業によっては、労基法で定められている日数以上の休暇を労働者に支給するなど、働く人たちにとって嬉しい独自の規定を設けていることがあります。
しかし、現実問題として、有給休暇は申請しにくいと感じる方が多いようです。厚生労働省の調査によると、66%の人が有給の取得にためらいを感じ、実際の有給休暇取得率も47%にとどまると言います。世界各国の取得率と比べると、およそ半分から3分の2程度というのが現状です。
有給休暇取得の理由は何でも良い?
病気や冠婚葬祭の時以外に有給を取得したことがないという方もいるのでは? しかし、実は休む理由を会社側に説明しなければいけない、という義務は労働基準法上ありません。取得理由がどのようなものでも、会社は拒む権利を持っていないのです。 ただし、雇用主は「時季変更権」を持っています。「有給休暇を申請した労働者しかできない仕事がある」「同時に休む社員が複数いる」など、会社の正常な業務に支障をきたす場合は、日にちをずらすことができます。
ちなみに派遣社員の方が有給休暇を取得する場合、派遣先・派遣元のどちらに申請すれば良いかご存知でしょうか? 実は、契約上、「派遣元に申請」を行い、「派遣先に許可(その日に休んでも良いかどうかの確認という意味で)」を得る必要があります。一方にしか伝えていないと、勤務管理の問題でトラブルになってしまう可能性もありますので注意が必要です。
有給休暇には期限がある
有給休暇は付与日から2年で時効となります。 たとえば、4月1日に入社し、6ヶ月後の10月1日に10日の有給休暇が付与された方の場合、さらに1年後の10月1日に11日間の有給休暇が付与され、前年の10日間は繰越となります。2年後の10月1日には12日の有給休暇が付与されますが、最初に付与された10日間は消滅することになります。
スムーズな有給休暇取得のポイントは周囲への配慮
労働者は自由に有給休暇を取得できますが、基本的には会社との合意が必要。法律をもとに希望を通すこともできますが、自分の主張だけを押し通してばかりいると、職場の同僚や上司からあまりいい印象は持たれないかもしれません。気持ちよく有給休暇を取得するためには、仕事の前倒しや不在時の対応の引き継ぎを行い、業務に支障が出ないように対策を整えましょう。