
執筆者プロフィール
小林 弘幸
システム技術3課 兼
GTDシステム技術3課 兼
プロジェクト推進課
課長(掲載当時)
はじめに
今回は「考え方」についてお話しさせていただきます。
「気の持ちよう」という言葉がありますが、嫌々仕事をするより楽しく仕事をしたいと常々思っております。そして、楽しく仕事をするためには良好な信頼関係を保つことが必要ではないでしょうか。私は20数年IT業界に席を置いておりますが、IT業界と一言で言っても多種多様な業務があり、その中で沢山の方々と接する機会に恵まれ、そこで学ばせて頂いた考え方をお話しします。
間違った頑張り方をしていませんか?
IT業界では、お客様や他社ベンダーの方とプロジェクトやチームとして仕事をする機会が少なくありません。その中で自分が置かれている役割を常に意識して考えることが重要です。
頑張っているのに評価されない と思っている方も多いと思います。私自身も同じ思いをした経験があります。例えばリーダーの役割を担い、率先して業務を実施し、とても頑張っていたとします。しかしリーダーの役割はチーム全体の監督でもあり、チームのコントロールが出来ていないと評価されないことにつながります。
また、言われたことを漠然と作業するのではなく、依頼された意図を自分なりに解釈して、相手が何を求めているのかを想像することでより良い結果を得られるのではないでしょうか。会社が求めている自分の役割を考え、時には上司と相談しながら自分がすべきことを理解し努力することで、頑張りと評価が同一のものになっていくと考えております。
最悪を想定する
ネガティブな考え方と思われるかもしれませんが、最悪を想定することで想定の範囲内にするとの考え方です。車の教習所で、『かもしれない運転』という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。考え方は同じで、
コマンドを間違えたらサーバーをダウンさせてしまうかもしれない。
サーバーがダウンしたら、メールが利用出来なくなってしまうかもしれない。
作業漏れやビジネスチャンスを失うかもしれない。
想定をしたら実際に発生した時の対応を考えることが重要です。
⇒ コマンドを間違えないために、ダブルチェックにする。
⇒ そもそもコマンドを入力しないでよい仕組みにする。
⇒ サーバーがダウンしてもいいように予備機を準備する。
⇒ メールが利用出来なくなった時に影響が出る相手をリストアップしておく。
コマンドは絶対に間違えないことが大前提ですが、メールが利用出来なくなるのはコマンドミスだけでは無いので、こんな時は?あんな時は?と考えることで事前の準備を整えて行くことが出来ます。想定と実際に起こる事象に乖離が少なくなればなるほど、落ち着いて対応が取れるようになりプレッシャーも小さくすることが出来ます。 考え過ぎて行動が遅れがちになることもありますので、バランスの取れた考え方を心掛けることをお勧めいたします。
Yes But な考え方
コミュニケーションの話となりますが、何かを頼まれた時に「Yes」を前提とする考え方です。
◇ 上司から「来週までに手順書を作成して下さい」と依頼されたとします。
しかし自分の業務も多忙であり、期日までに出来そうもない場合の回答として以下の例を挙げます。
× 今忙しいから無理です。別の人に頼んで下さい。
○ 分りました。ただ、仕事が溜まっており期日を延ばして頂くか、仕事の優先度を相談させて下さい。
要求されたことに対し、受けることを前提に障害を取り除く考え方です。出来ないと一言で言うのは簡単ですが、出来るためにはどうすれば良いのかを考える姿勢が重要であり、結果断ることになったとしても納得された回答になると思います。また、出来もしないのに安請け合いしてしまうのは、自分自身を追い詰めてしまうので注意が必要です。
考え方は十人十色
考え方を紹介しましたが、考え方は人により違いがあります。同じチームで違う考え方の人がいて、物事が上手くいかないときもあるでしょう。でも私は、違いがあるからこそ面白いと感じます。自分には無い「考える前にまず行動」という人を見ると、尊敬することもあります。大切なのは、様々な考え方を受け入れつつも「自分らしさ」を忘れないことではないでしょうか。今より少しでも仕事を楽しくするために・・・。自分らしさを忘れずに頑張って下さい。