「未経験可」この言葉を甘く見てはいけません。
求人情報をチェックしていると、時折「未経験可」という言葉を見かけます。経験がなくても採用してもらえるというのはなんとなく心が惹かれるかもしれません。転職したいという気持ちが高まっている時はなおさらでしょう。
でも、ここでひと呼吸置いてよく考えてみましょう。経験がない人でも採用したい。「未経験可」という言葉には人材に対する期待や渇望感が凝縮されています。実際予想以上に競争は激しく、応募理由をきっちり聞かれます。甘い気持ちで応募しては、決していい結果は得られないことを心しておきましょう。
なぜ未経験者を募集するのか。その狙いは?
ここで冷静に考えて見ましょう。転職者を募集する、つまり中途採用するニーズは、一般的には即戦力のはず。なぜ未経験者を募集するのでしょうか?
企業の本音は大きく分けて2つだと思います。
一つは「癖のついた人よりも一から企業カラーに染まってくれる人を育てたい」。これは新卒採用と同様に考えているため、経験者は敬遠されるかもしれません。
一方大半の企業の考えは「経験者の絶対数は多くないので、未経験者を採用して一から育てるしかない」。もちろん経験以外の募集条件が最重要だった場合もこれに当てはまります。未経験可の案件であっても、もし経験以外の条件が一緒だった場合には、経験者のほうが育てる手間も省けるし、早く戦力になるためそちらを採用するでしょう。
「未経験可」は、「経験者の方がいなければ、未経験者でもOKです」ということなのです。「経験者を採用するなら、最初から未経験可などと書いて欲しくない」と考えてしまうかもしれませんが、未経験可という言葉に安心しすぎてはいけないということです。
競争は激しい。企業が納得できる応募理由を語れるかが、大きなカギ。
未経験可の応募には応募者が増える場合が多いようです。だから競争も激しい。しかし、ここでも企業の本音を言えば、「未経験であることをなんのハンデとも感じないで努力せず、経験者に勝とうと思わない人が実は多い」ということです。
未経験可の企業に応募する。これには経験者を抑えて採用されるという大きな壁があるので、しっかりした応募理由がなければ難しいことです。「前職の経験や知識を捨てて応募してきたのには何か理由があるはずだ」と求人する企業は考えます。
だから応募理由が一番聞きたい。それはある意味当然のことですが、ここで企業が納得できる応募理由を語れるかどうかが、大きなカギになるのです。
熱意、誠意、そして覚悟を語れるか。
とは言うものの、前職を捨てるわけですから、これまでの職歴をただ並べただけの応募書類や面接の態度では、厳しい競争を勝ち抜くことはできません。企業にしても自社の業務に関係のない経歴やスキルをいくらアピールされてもピンとこないし、判断できません。大事なのはこれまでの経歴やスキルよりも、自分の新しい仕事に挑む熱意、誠意、そして覚悟を、面接の場でどれだけアピールできるか、ということです。
たとえば、「御社の業務は未経験ですが、私はこれまで別の業界・会社で○○の経験を積み、知識を身につけました。ですから○○の力には自信があります。それは御社のこういう場面でお役に立てると考えています」と自信を持って語れるのなら、企業の側も、「この人は、自分の仕事や強みをしっかり理解していて当社でどう生かせるかも考えている。ちゃんとした覚悟を持って応募してきたようだ。これならば、最初は多少まごついても意外に早く戦力になってくれそうだ」と高く評価してくれるかもしれません。
「未経験可」という言葉だけで応募を繰り返してもいい結果は得られません。未経験だからこそ、どうしてもその業界、会社に行きたいのなら、それなりの覚悟と努力が欠かせないのです。

T.C
入社3年目、アカウントセールス担当
企業の担当者様、派遣社員の方、支店のメンバーなど自分に関わるすべての方々から毎日教えてもらうことばかり。日々切磋琢磨しています。
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