女性の転職・仕事探し。統計データと企業の期待・不安について

女性の転職・仕事探し。統計データと企業の期待・不安について

目次

女性の採用に企業が躊躇する理由

わたしが初めて就職した時、男女雇用機会均等法は1997年改正法の施行前で、「営業は男性のみ」と言われ門前払いされました。女性にだけ「結婚の予定があるか」といった質問をしている企業もまだあったものです。
改正法により募集・採用・昇進などで男女差をつけることが禁止され、「女性だから」という理由で男性と差別されることは基本的にはなくなりました。しかし、就職・転職において男性より不利だと感じる女性はまだまだ多いように思います。それはなぜでしょうか。

2009年までのデータですが、結婚や出産を取り巻く状況としてこんな調査結果が出ています。

女性が結婚退職する割合は25.6%
女性が第一子出産で退職する割合は43.9%

(国立社会保障・人口問題研究所 第14回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査))

結婚退職後に再就職する方もいますので一概には言えませんが、結婚・出産を機に会社を辞める人が7割弱に上るのです。企業が結婚や出産による退職を心配するのも無理はないかもしれません。これが転職を希望する女性の採用に企業が躊躇する理由です。
もちろん、働き続けられる環境を企業が与えてくれなかった、という方もいらっしゃるでしょう。それも、これまで続けようとした女性がいなかったために女性に長く勤務してもらうための意識が欠如しているのかもしれません。
ご存知の通り、日本は急激に少子高齢化が進んでいて、検討はされているものの今後移民の受け入れが加速することも期待できず、働く女性の力がますます重要性を増しているのですが、現実はまだまだ遅れていて追いつけていないのです。

年齢の壁。企業の見る目はどう変わる

20代後半から壁を感じる方もいらっしゃるでしょう。女性の平均初婚年齢は29.2歳、第1子出生時の母の平均年齢は30.3歳となっています(厚労省:人口動態統計調査)。平均的に30歳前後に大きなイベントがあるため、20代後半になると入社してもすぐに辞めてしまうのではないかと考えられてしまいます。
また転職市場では、30歳を超えると男性、女性ともハードルがぐんと上がります。なぜなら、求められる「スキル」が変わるからです。
どの会社でもマネジメントスキルを求めるようになり、採用の基準が高くなります。さらに中途入社であれば教育期間が短いため自ら率先して業務にあたってくれるヒューマンスキルも求めます。その会社に新卒で入社した社員と比較してみて、それでも採用したいと思わせる人材かどうかが大きな判断基準になるのです。
つまり女性には統計データと企業の期待からくる不安を払拭する努力が必要なのです。

自分の人生設計をアピールすることが企業の不安を払拭する

面接の時には転職の理由や動機はもちろん聞かれると思いますから、それに対する回答も考えておかなければなりませんが、それに加えて、「仕事に対するスタンス」をしっかり伝えることが大事です。
「結婚、出産あるいは介護などの必要があったとしても継続して働きたい。そのために自分はこんな風に考えている」と、人生設計をアピールすることで心配性の企業を納得させましょう。この積極性が企業の不安を払拭することに繋がります。
もちろん、就業形態にこだわらずワーク・ライフ・バランスを重要視してもいいと思います。
日本人材派遣協会が派遣で働いている方に理由を尋ねたところ、「働く時期や期間を自分で選べるため」という回答が4割強となりました。もし何年も先の人生設計をアピール出来ない、という方には柔軟な働き方も選択肢の一つではないでしょうか。

プロフィール

I.S

入社10年目、アカウントセールスを経てスタッフコンサルタント主任

数年前に取得したキャリアカウンセリングの資格を生かし、多くの求職者のお役に少しでも立ちたいと思っています。

趣味 オルガン演奏
好きな言葉 臨機応変
口癖 なるほど
将来の夢 一人でも多くの方のキャリアカウンセリングをすること

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