年俸制の場合、残業代やボーナスはどうなる?

年俸制の場合、残業代やボーナスはどうなる?

年功序列主義から実力主義や成果主義に変わりつつある現在、年俸制を導入している企業が増えてきています。従来の年功序列型の給与体系と年棒制はどこに違いがあるのでしょうか。また、残業代は支払われるのか、ボーナスはどうなるのか、という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、年俸制の仕組みや特徴、注意点などをご紹介します。

年棒制の仕組みと特徴

年棒制の仕組みと特徴

年棒制とは、年単位で契約して賃金を決める制度です。年齢や勤続年数により賃金がある程度決まっている年功序列制度と異なり、成果主義で評価される制度(成果主義賃金制度)です。

成果主義賃金制度を簡単に説明すると、自分に与えられた業務の成果で評価され、業務のプロセスよりも業績重視で報酬が決まります。つまり、自分の業務でどれだけの成果が出せたかによって翌年の給与が決まる制度といえます。例として、1年の成績で翌年の年俸が決まるプロ野球選手の年棒制が有名です。

企業にとっては、社員に支払う人件費が明確になるため、経営計画を立てやすいという面があり、導入する企業が増加しています。

年俸制には以下の特徴が挙げられます。
・年齢や勤続年数に関係なく仕事の業績で報酬が決められる
・給与額が確定されているので、金銭に関するローンなどの計画が立てやすい
・業績が良ければ翌年の報酬に反映されやすく、仕事のモチベーションが上がりやすい
・ボーナスや残業代を年俸に含めている場合がある
・成果が出せない場合は年収が下がる可能性がある
・正当な評価がされないと逆にモチベーションが低下する
・サービス残業につながりやすい

自分の仕事の業績が誰の目にも分かりやすく、成果主義と相性が良い職種の場合は年棒制が向いています。

例えば、契約時に目標設定を行い、1年間に自分が行う業務内容と達成すべき成果や数値目標を決めておくことで、自分と会社とで達成状況を客観的に共用できる場合は、成果主義と相性が良いといえます。年俸制の規定は企業によって異なりますので、その都度確認が必要です。注意してください。

年棒制の給与とボーナス

労働基準法24条2項により、「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と定められています。そのため、年棒制でも年俸額を分割した額が毎月支払われることが多いです。また、年棒制では、1年間に支払われるべき年棒の支払い方法のパターンを選べる企業もあり、ボーナスは年棒に含まれるように規定している企業が多いです。

年俸制での一般的な給与やボーナスの支払い方法は以下の通りです。
・単純に年俸額を12で割った金額を毎月支払う
・年俸額を16で割った金額を毎月支払い、16分の2ずつを年2回ボーナス月に賞与として支給する(割り数は会社によって規定が異なります)
・年棒とは別に業績に応じたボーナスを別建てで支給する

年棒制の残業代

年棒制の残業代

年俸制では、年俸額以外の時間外割増賃金(残業代)は支払われないと思われがちですが、年俸制であっても直ちに労基法上の割増賃金の規制(労基法37条)が外れるわけではありません。裁量労働制や事業場外労働についてのみなし労働時間制が適用される場合などを除いて、年俸制でも割増賃金の支払いは必要とされています。

そのため、年棒制を採用している企業では、割増賃金を固定額で支払うという形で対応している企業もあります。年棒制だからといって残業代を支払わなくてもいいわけではないため、個々のケースで残業代を規定している企業が多いです。

また、従来の平均的な実績などによって計算した一定額の残業手当を支払うこととして年俸額を算定し、年俸に残業代が含まれるという契約にしている企業もあります。

年棒制で残業代が支払われないケースは以下の通りです。
・裁量労働制が適用されている場合
・管理職の場合
・一定の残業時間を想定して年俸額が計算されている場合
(ただし、一定の時間を超えた場合は残業代が支払われるべきです)

年俸制は残業代が出ないと思われているのは、裁量労働制を適用している方や、管理職の方に多く適用されていることが理由です。上記以外の条件で残業代が出ない場合は、契約内容を今一度確認し、上司や人事担当者に相談することをおすすめします。

おわりに

年棒制にも年功序列制度にも一長一短があります。年棒制では、業績によって翌年の給与が上がることもあれば下がることもあります。しかし、年齢や勤務年数に関係なく実力によって大きな報酬が得られる可能性があります。逆に年功序列制度では、給与が下がりにくいというメリットもあります。

一口に年俸制といっても、企業や個人ごとに内容が異なるので、ボーナスや残業代について契約前によく確認する必要があります。選択の余地があれば、年棒制のメリット・デメリットをよく理解したうえで、自分のモチベーションや職種に合うのはどちらかを検討してみましょう。

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