働く女性の3人に1人が「働きにくさ」を実感。女性管理職の存在が若手人材確保につながる！？

2018年4月11日

2016年4月に女性活躍推進法が施行されて以降、従業員数301人以上の企業は、女性社員や女性管理職の割合増加や、女性が働きやすい環境の整備などに取り組むことが求められるようになりました。売り手市場が続く中、女性の採用数確保と定着率のアップのための施策は、企業にとっても必要不可欠と言えます。そこで、マンパワーグループは、正社員として働く20～50代の女性400人を対象に、現在の職場の働きやすさや不満点などについて調査しました。働く女性たちが求める職場環境を知り、採用活動や環境整備に役立ててみませんか？

調査時期

2018年3月

有効回答

400人

約3人に1人が「女性が働きにくい職場」だと実感

正社員で働く女性400人に現在の職場は働きやすいと思うか聞いたところ、全体の7割弱が「そう思う」(19.3％)、「どちらかといえばそう思う」(49.3％)と回答しました。一方で、約3人に1人の女性社員が「働きにくさ」を感じている実態が浮かび上がりました。

＜女性が働きにくい理由＞

1. そもそもの女性支援制度がない、制度があっても使いにくい
・「産育休はあるが、妊娠初期に休める雰囲気がない」(27歳／福岡県)
・「時短勤務制度が使いにくい」(34歳／愛知県)
・「時短中は昇給しない」(39歳／北海道)
・「産休後に戻れる保証がない」(30歳／岡山県)

2. 基本の待遇・環境に問題がある
・「残業が多く、休めない」(30歳／埼玉県)
・「給料もボーナスも少なく、有給休暇も好きに使わせてもらえない。」(36歳／愛知県)

3.昇給・昇格などの待遇面に性差がある

・「男女の給与格差があり過ぎる」(48歳／愛知県)
・「女性管理職が少ない」(36歳／東京都)
・「女性の上司が少なく相談しにくいから」(43歳／兵庫県)
・「女性のロールモデルがいない」(44歳／大阪府)

＜女性が働きやすい理由＞

1.女性を支援する制度・環境が充実している
・「産育休を3年取得できる」(39歳／京都府)
・「不妊治療の休暇や生理休暇もある」(46歳／神奈川県)
・「子育てを考慮し、女性職員は土日にきちんと休める」(39歳／岐阜県)
・「女性はほぼ残業がない」(51歳／大阪府)
・「フレックス制度がある」(54歳／長崎県)
・「有休が取りやすく、時間有休も取れる」(43歳／千葉県)
・「当日欠勤でも対応してくれる」(33歳／岐阜県)

2.　性差による不公平感がなくなってきている
・「待遇に差がない」(54歳／北海道)
・「出世のスピードに多少の差はあるが、女性管理職が増えてきている」(53歳／神奈川県)

7割以上が「仕事とプライベートの両立」に満足、一方で約3割が「家庭のために仕事をセーブ」

ワークライフバランスについて聞いたところ、「個人の時間を持てている」(75.8％)、「仕事とプライベートの両立ができている」(75.8％)と回答した女性が7割以上を占める一方、「家庭のために、仕事をセーブしている」(33.8％)割合が約3割いることがわかりました。全体で見ると、公私のバランスをうまく取りながら、しっかり自分の時間を持つことができている女性が多いものの、3人に1人が仕事をセーブしている現状もうかがえます。

女性の支援制度や管理職者数は、採用活動の強みに

今回の調査では、働く女性の約3割が「職場の働きにくさ」を感じていることがわかりました。働きにくさの理由としては、女性支援の制度内容や、職場の理解度、さらに昇給・昇進などの待遇面における性差などが主に挙げられています。女性のキャリアを途切れさせない制度や環境づくりは、定着率アップだけでなく、会社に貢献してくれる人材を育てるためにとても重要です。女性管理職がいることでライフイベントについても相談しやすく、若手女性社員の働きやすさにもつながります。仕事と子育てを両立する女性が多い環境であれば、ロールモデルとして将来に希望を持つことができ、採用活動においても大きな強みとなるでしょう。国による女性活躍推進法は、現在、従業員数300人以下の企業に対しては「あくまで努力目標」とされています。しかし、採用市場の厳しさを多くの企業が実感している昨今、女性が働きやすい制度・環境づくりに取り組めば、長く働いてくれる優秀人材を確保する確率を高めることができるかもしれません。