調査データ
2019年7月22日
2015年の労働安全衛生法改正により、従業員数50人以上の事業者に対してストレスチェックが義務付けられるようになりました。従業員の精神面まで支えていく取り組みは、企業において必須となってきています。
そこでマンパワーグループでは、22~27歳の入社2年目までの正社員男女400名を対象に、「勤務先で感じているストレス」について調査しました。
入社2年目までの若手社員400名に、勤務先でどの程度ストレスを感じているかを聞いたところ、全体の61.5%が「ストレスを感じている」と回答しました。うち、「非常にストレスを感じている」(17.0%)は2割近くを占めています。
一方、「ストレスを感じていない」(6.8%)という若手社員は全体の1割弱と、若手社員の多くは何かしらのストレスを抱えていることがわかりました。
ストレスの原因について聞いたところ、1位は「仕事内容」(43.9%)、2位は「上司との関係」(43.1%)で、どちらも全体の4割を超える高い数値となっています。
自由回答では、「覚えることが多い」「仕事に慣れていない」という声が多く、入社したばかりの若手ならではのストレスといえそうです。
また、上司の性格(理不尽、ワンマン、怒りっぽいなど)にストレスを感じている人も多く見られました。
「仕事量が多い」(23.2%)
「雇用形態や給与・福利体制などの勤務条件」(22.8%)
「自分の将来への不安」(22.4%)
「長時間労働、休暇が取りづらいなどの労働環境」(21.1%)
「仕事の適性」(20.7%)
これらの項目も2割以上を占めており、残業削減や有休取得推進など、環境整備への取り組みが求められているといえるでしょう。
この他にも、「長く働いている女性社員の例がない」(女性・22歳)など、ロールモデルとなる社員がいないことに不安を感じるケースや、「営業は向いてないし、やりたくない」(女性・23歳)など、適性に合わない配属に対して不満を抱くケースもあるようです。
仕事のストレスを誰に相談しているか聞いたところ、「同僚(同期)」(53.8%)、「友人・知人」(50.0%)、「親」(43.0%)が上位を占めました。
年齢の近い同世代は、社内外に関わらず、相談しやすい相手のようです。また、両親と同居をしている若手社員の場合は、日常的に相談しているケースが想定できます。
一方、「上司」に相談する人は25.8%にとどまり、全体の中で5位という結果に。教育担当である上司には、逆に相談しにくいと考える若手社員も少なくはないようです。
また、「相談する人がいない」との回答は、全体の8.3%となっており、誰にも相談できずに悩む若手社員も1割弱いることがわかりました。
今回の調査では、若手社員の6割以上が「勤務先でストレスを感じている」ことがわかりました。
その原因として、教育・指導を担当する上司との関係性や、残業時間数や有休取得体制などのワークライフバランス環境などが、大きく関係しているといえそうです。
若手人材のストレス緩和のためには、ワークライフバランス環境の整備だけでなく、指導にあたるマネジメント層をしっかり教育することも重要といえるでしょう。
従業員がストレスを感じず、働きやすい環境をつくることは、人材の流出防止だけでなく、採用率を高めることにもつながります。
若者の早期離職が問題視される今、これからの人材確保においては、採用した若手人材をいかに定着させるかが重要なポイントとなるでしょう。