調査データ
2025年9月16日
現在、日本は超高齢化社会に突入し、厚生労働省によれば、2025年には65歳以上の高齢者数が人口の3割を占め、2055年には4割を占める見通しとなっています。今後も人材不足の状況は加速し、企業にとっては人材の確保と定着がますます難しくなるでしょう。
売り手市場が続く今、経験者人材の獲得は困難となり、多くの企業が未経験者採用に乗り出していますが、未経験者採用においてもすでに売り手市場の波がやってきていることが想定できます。そこでマンパワーグループでは、20代~40代の転職経験者400名を対象に、未経験転職に挑戦した経験について調査しました。
マンパワーグループでは、全国採用や広域採用などの大規模採用のサポート実績も豊富な採用代行・採用コンサルティングサービスを提供しています。
20代~40代の転職経験者400名に、未経験者として求人に応募したことがあるかを聞いたところ、「ある」(46.3%)、「ない」(41.8%)ともに4割超という結果になりました。また、年代別では、20代は年齢的に未経験のことが多いためか、未経験の求人に応募する割合が5割程度と高めの傾向が見られました。
若年層の未経験職種への挑戦を支援するサービス
若年層の意欲ある人材に対しては、未経験でも安心してキャリアをスタートできる環境づくりが重要です。
マンパワーグループでは、仕事への意欲の高い20代の若年層を中心とした無期雇用派遣サービスにも力を入れています。
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未経験者として求人に応募したことがある人に、応募の際に未経験だったことを聞いたところ、「業界」が最も多く、全体の6割超を占めました。「職種(営業・販売・経理など)」(52.4%)も5割超の高い割合で続き、以降の「就業形態(夜間、リモートワーク、フルタイムなど)」(13.0%)、「役割(リーダー、管理職など)」(8.1%)、「社会人経験(アルバイト経験のみなど)」(5.4%)を大きく引き離しています。
未経験転職に挑戦した理由については、20代、30代、40代のすべての年代において、「新しいことに挑戦したい」という声が多く見られました。そのほか、具体的にやりたい仕事を目指した人や、過去の経験や適性から未経験の業界・職種にチャレンジした人、自分の経験値やスキルを向上させるためにチャレンジした人、将来を見据えて未経験転職を目指した人がいる一方、家庭の事情やライフスタイルなどの面から、仕事内容よりもそのほかの条件面を重視して未経験転職に挑戦した人もいるようです。
未経験者として求人に応募した人に「採用されたことがあるか」を聞いたところ、「ある」(93.0%)が9割超とほとんどの人が未経験での転職に成功していることがわかりました。年代別でも、すべての年代において9割超という高い割合となりました。
今回の調査では、20代~40代の転職経験者の半数近くが、未経験転職にチャレンジしていたことがわかりました。未経験領域の内訳は、「業界」「職種」が過半数を占めています。また、年代にかかわらず、未経験転職にチャレンジした人の9割超が「採用されたことがある」ことから、未経験からの転職を成功させている人がほとんどであり、年代を問わず売り手市場に傾いている様子もうかがえます。
これらを踏まえると、未経験採用の求人では、募集職種の仕事内容や身につく経験・スキル、入社後のキャリアパスなどをいかに魅力的に伝えるかが重要になります。自社の仕事やキャリアの魅力を伝えることはもちろん、面接などを通じてより求職者の志向に向き合うことも必要といえます。やりとりを深めながら「面白そう」「自分に合いそう」「向いているかもしれない」と感じさせるような情報を提供することで、新しいチャレンジを目指す意欲的な人材の採用率アップにつながるでしょう。