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約7割の企業の人事担当者がリモート(オンライン)採用を導入。活用領域と工夫点、今後の課題とは?

2022年5月13日

コロナ禍の影響により、リモート(オンライン)で企業説明会や面接を実施する企業は増加し、リモートで採用活動を行うケースも見られるようになりました。しかし、リモートの場合、「対面形式よりもコミュニケーションが取りにくい」と感じている人事担当者の方も少なくはないでしょう。

そこでマンパワーグループでは、企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に、「リモート採用の導入・実施状況」について調査しました。

調査時期
2022年1月
有効回答
企業で人事担当者を務める20代~50代会社員または団体職員 400人

目次

約7割が「リモート採用」導入。実際に行っている採用活動では「説明会」「最終面接以外の面接」が同率トップ

リモート採用ではどんなことをリモート(オンライン)で行っていますか

企業で人事担当者を務める20代~50代の男女400名に、採用活動で取り入れている方法を聞いたところ、「リモート採用を取り入れている」と回答した割合は全体の約7割(66.8%)という結果になりました。また、どんなことをリモートで行っているか聞いたところ、「説明会」(84.3%)、「最終面接以外の面接」(84.3%)が同率トップとなり、8割超の企業がリモートで行っていることがわかりました。また、「内定者フォロー」(63.3%)、「適性検査」(52.4%)も、半数以上の企業がリモートで行っています。

一方、「最終面接」(37.1%)は4割弱、「契約書のやりとり」(22.1%)は約2割にとどまっていることから、採用における最終的な判断や手続き、意思確認は、リモートより対面で実施する企業が多いようです。

リモート採用で工夫していることは?

リモート採用を実施していると回答した人事担当者に、工夫していることを聞いたところ、主に「会社説明会」「面接」「設備・環境」「コンプライアンス」などについての工夫が挙げられました。

■会社説明会の工夫

・一方通行にならないよう、事前にシナリオを作り込み過ぎないようにしている(男性・48歳/埼玉県)

・退屈にならないようグルレープワークを増やしている(男性・56歳/東京都)

・なるべく対面と変わらない説明会をするため、社内の写真を撮ってオンラインでもフォトツアーをしている(男性・30歳/愛知県)

■面接の工夫

・リモートによる情報収集のポイントをマニュアル化している(男性・52歳/岐阜県)

・面接担当者は複数名(従来より1〜2名多めに)入ってもらい、多角的な視点で応募者を見る(女性・45歳/大阪府)

・1回あたりの時間を短くし、回数を増やす(男性・57歳/大阪府)

・面接時間を長くし、人物をより正確に判断するようにしている(男性・38歳/長野県)

■設備面の工夫

・面接に最適な機材の見直し(男性・42歳/富山県)

・接続方法と途中でのトラブルシューティング(男性・38歳/奈良県)

・様々なツールを使用した面接対応(男性・57歳/福岡県)

■コンプライアンス関連の工夫

・情報管理のためのリモート場所を確保(男性・55歳/東京都)

・セキュリティの強化(女性・35歳/東京都)

・本人確認を徹底する。オンライン書類を活用する(女性・34歳/福岡県)

■その他のフォロー体制

・最初は面談から開始し、様子を見ながら、説明会、面接へと広げていった。説明会は上限の人数設定をどれくらいが良さそうか、変更しながら実施した(女性・46歳/東京都)

・内定者フォローとして導入2年目からはカジュアルな内定者懇親会をリモートで開催した。(女性・22歳/千葉県)

・リモートと対面の両方を可能として希望によって使い分けすることで優秀な人材の確保につながっている(男性・54歳/北海道)

・遠距離者の広域採用活動に活用(男性・53歳/愛知県)

・管理職の採用に関しては対面を実施(女性・31歳/東京都)

導入企業の人事担当者が実感しているリモート採用の課題

リモート採用を実施する中、どのような点を課題と感じているのかを聞いたところ、体制面や設備・環境面に加え、採用判断の難しさを挙げる声が多くありました。オンラインによって双方のコミュニケーションが希薄になり、思うように採用活動を進められない点、採用しても定着しない点などが今後の大きな課題といえそうです。

■体制面についての課題

・会社説明の内容や面接での惹きつけが課題(女性・31歳/千葉県)

・自社の魅力が十分に伝わっていない(男性・44歳/東京都)

・説明会の内容をリモートでも飽きさせない工夫が必要だと思った(女性・46歳/東京都)

・社内の雰囲気をじかに感じてもらうことや、従業員の働く姿を見てもらう機会がない(男性・55歳/千葉県)

■設備・環境面についての課題

・通信速度の関係でぎくしゃく感がある(男性・51歳/広島県)

・ネット環境の整備について、度々不備があるので、ネット環境の安定化が課題(男性・42歳/富山県)

・面接担当者の複数化による通信の安定性確保が必要(男性・58歳/愛知県)

■採用判断についての課題

・準備してきている回答が多く、素が見えづらい(女性・30歳/大阪府)

・本当に自社が求めている人材かどうかや、適性・スキルなどがわかりにくい。自社への就職意欲が伝わってきづらい(女性・31歳/東京都)

・オンラインでの印象と実際に会ってみたときの印象が異なる(男性・37歳/大阪府)

■採用・入社後の課題

・内定承諾率の低下が課題(女性・43歳/京都府)

・入社後のギャップがある(女性・/31歳/東京都)

・採用後の早期退職者が多い。(男性・52歳/岐阜県)

ミスマッチを防ぐコミュニケーション、判断基準、フォロー体制の確立を

今回の調査では、全体の約7割の企業がリモート採用を導入していることがわかりました。また、リモート活用している領域としては、「説明会」(84.3%)、「最終面接以外の面接」(84.3%)、「内定者フォロー」(63.3%)が上位となっています。一方で、最終的な判断と意思確認は、やはり対面で行うべきだと考えている企業が多いことがわかりました。

リモート採用を導入している人事担当者からは、体制づくりや設備・環境についての課題を挙げる声もありました。特に「オンライン上では双方、コミュニケーションが取りにくい」という声が多く、そうした背景が「内定辞退や入社後の定着率」に大きく影響を与えている様子がうかがえます。今後もコロナ禍の状況によっては、一部の採用活動をリモートで実施せざるを得ない可能性が少なからずあります。ミスマッチをなくし、自社に合う人材に定着してもらうためには、オンラインでのコミュニケーション方法や判断基準、フォロー体制をしっかりと確立し、面接に関わる社員に共有していくことが重要となるでしょう。

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