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面接は、人材要件に基づき合否判定を下しますが、そもそもの人材要件の認識が関係者とズレていると採用は成功しません。関係者間で「どのような人材が必要なのか」「優先して評価すべき項目は何か」の意識合わせをしておかないと、採用の遅れや無駄なコムとが発生します。
関係者間の認識を合わせるために「人材要件チェックシート」をご用意しております。Excelファイルで自由にカスタマイズもできる仕様ですので、ぜひご利用ください。
感染症対策として急速に普及し始めたオンライン面接。面接をサポートする会議ツールなども整い、さまざまな理由から有効な面接スタイルとして定着していくことが考えられます。ここでは、オンライン面接のメリットや注意点について紹介します。
オンライン面接とは、パソコンやタブレットを通じて画面越しに行う面接のことです。非対面で面接ができるため、2020年に新型コロナウイルス感染対策として取り入れる企業が多く見られました。
一次面接のみオンライン面接を行うケース、一次面接から続けてオンライン面接を行い最終面接のみ対面で行うケース、すべての面接をオンラインで行うケースなどさまざまな導入の方法があります。
なお、コロナ禍においてオンライン面接同様に広まったのが電話面談です。電話面談は音声のみのコミュニケーションであり、採用の合否を決める面接ではなく、気楽な会話を通じて双方の情報交換をする場である「面談」である点が、オンライン面接との違いです。
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電話面談については、「電話面談を採用活動に取り入れる際の注意点とは?」で詳しく紹介していますので、ご覧ください。
オンライン面接・電話面談には多くのメリットがあり、コロナ収束後も平時の採用手法として継続する企業も一定数あると予測できます。
マンパワーグループが人事担当者に対して実施したリモート採用に関するアンケート調査では、「リモート採用を導入している」と回答した割合が、2021年1月の調査では全体の41.0%でしたが、2022年1月の調査では66.8%と7割近くにまで数を伸ばしており、急速に浸透したことが読み取れます。
また、2022年1月の調査でリモート採用の用途について調査したところ、「説明会」(84.3%)、「最終面接以外の面接」(84.3%)が同率トップの結果となりました。
一方で、「最終面接」でのリモート利用は37.1%と低く採用における最終的な判断についてはリモートより対面で実施するなど、リモートと対面を使い分ける企業が多いようです。
こちらの調査データでは、リモート採用導入企業の人事担当者が実感しているリモート採用の課題についての調査結果もご覧いただけます。
オンライン面接は、採用業務の効率アップだけではなく、幅広い人材の採用につなげることができます。
対面の場合、求職者は時間を調整し、会場までの交通費を負担して面接に挑みます。遠方からエントリーを希望する求職者の場合、最終面接のように内定まであと一歩まできていれば、求職者はその工数やコストを惜しみませんが、一次面接やカジュアル面談のような場合、躊躇してしまう求職者もいることでしょう。
全ての面接をオンラインで実施というのは難しいかもしれませんが、最初の面接などをオンラインにすることで応募者の層が広がります。
働きながら転職活動をしている場合、現職との兼ね合いで面接の設定が難しいという人も少なくありません。
対面での面接の場合、面接時間以外にも移動時間が必要であるため、面接に対応できる日程がさらに限られてしまいます。
オンライン面接であれば、休憩時間などを活用する、在宅勤務中の場合は就業後すぐの対応なども可能です。
また、求職者の状況に合わせて、オンラインか対面かを選ぶことができれば、採用の機会損失を回避することができます。
オンライン面接の場合、天候や交通機関の乱れが発生しても、双方の通信環境などに問題がなければ面接時間の変更や再調整を行わなくてもそのまま面接を実施することができます。
また、感染症の濃厚接触者になってしまった、あるいは家族の急病で長時間家を空けることが困難になってしまった場合など、外出は困難だが本人の体調に問題はない場合にも、面接が実施できる場合もあります。
これらは、求職者だけではなく面接官側にも起こりうることであり、双方にメリットがあると言えます。
エントリーシートを読み込む、質問を考えるなどの事前準備や、面接自体の時間と手間が減るわけではありませんが、以下のようにさまざまな工程で時間や手間の削減ができ、選考の効率化につながります。
面接時に使用する資料をオンラインで共有する、求職者情報をオンラインで管理すると、紙ベースの資料や書類が減る分、印刷コストが削減できます。
また、社外の面接会場を利用していた場合は会場費がそのまま削減できますし、社内を会場にしていた場合でも、会場準備や受付などに要していた時間が削減できます。
面接官として同席する現場社員の本業にたいする時間の圧迫も少なくなります。
オンライン面接のメリットを生かすには、次のような注意点を知っておくことが大切です。
面接の場所によっては周囲の話し声や雑音が入る可能性があり、注意が必要です。
また、インターネット回線を使用するため、どちらかのネット環境が悪いと、途中映像が乱れる、音声がつながらなくなるなどのトラブルが起こる可能性があります。
オンライン面接では、社内ネットワークや社用端末などを介するため、さまざまなセキュリティリスクが伴います。
まずは、利用するツールの安全性をしっかりと確認することが大切です。
また、以下のようなルールを作り、資料や動画などのデータを無造作に扱われないよう社員教育も徹底しましょう。
オンライン面接の導入について解説します。大変に思えるかもしれませんが、慣れてしまえば対面と同じような感覚で実施できます。
応募から内定まで、どの選考をオンラインで実施するかを決定します。
オンライン面接の担当面接官も決定し、面接官となる社員に主旨を伝えます。
オンライン面接を実施する選考を確定させることで、求人媒体にも記載することができます。オンライン面接の実施は、今や求職者の求人情報の検索条件のひとつであり、一部の求人サイトでは検索項目として取り扱われています。
オンライン面接の実施は、アピールすべきポイントです。多くの求職者に知ってもらい、距離や時間に制限のある人材にも応募へのハードルが高くないことを伝えましょう。
オンライン面接で利用するツールを選定します。選定の際に意識しておきたいのは、以下の3つです。
ツールを決定する前に、手持ちのデバイス(PCやタブレット、携帯電話)で、利用できるかを確認しましょう。
また、自社のセキュリティ方針によりインストールできない場合もあるため、情報システム部などに事前に確認を入れておくと安心です。
あわせて、ヘッドセットの利用も検討しておくこともおすすめします。
オンライン面接を初めて実施する場合、ロールプレイングを実施しましょう。
理由のひとつは、ツールの操作方法に慣れるためです。操作に慣れていないと、面接に集中できず、よい印象を求職者に残すことができません。できれば、ネット回線やPCのトラブルを想定して、携帯電話やタブレットなどでも操作が出来るようにしておくことが望ましいです。
もうひとつの理由は、求職者にどのように見られているかをチェックするためです。求職者役の社員から目線や表情、声のトーンがどのように伝わっているのかフィードバックをもらい、改善につなげます。録画をして共有するのも一手です。
求職者にオンライン面接実施についてメール等でお知らせする際のテンプレートを用意しておくと、伝えておくべきことの抜け漏れが減ります。
求職者のへのメールは、面接決定時だけでなく、面接当日にもリマインドメールを送っておくようにします。認識違いなどで、面接官が揃ったのに面接が実行できなかった、という事態をなるべく避けるためです。
面接官になる社員用のマニュアルも用意しておきます。
ツールの操作説明や注意事項、事前に準備しておくべきことなどをマニュアルにし、渡せるようにしておきましょう。
オンライン面接は利便性の高い採用方法ではありますが、デバイスを介して個人情報を扱うため、対面とは異なる注意が必要であること、画面を通して求職者に表情や言葉が伝わることを認識しておく必要があります。
トラブルを起こさないためにも事前にマニュアルを渡し、認識のすり合わせのために打ち合わせなどを実施します。
オンライン面接には、特有のコミュニケーションの取りづらさがあります。
小さな画面を介するため、対面と異なり、求職者の全体像を見ることができません。求職者の入退出時の所作や、面接中の緊張感、ちょっとした表情の変化や仕草などが見えづらく、求職者の雰囲気がつかみにくい傾向があります。また、求職者側も同様に面接官や社内全体の雰囲気が感じ取りにくくなります。
オンライン面接において、できる限りコミュニケーションをスムーズに取るためのコツを紹介します。
スムーズな面接を行うために事前に準備・確認しておく事項です。5分前にはログインしておきましょう。
開始の少し前には接続して求職者を迎え入れる体制を整えておきましょう。
音声や画像が乱れていると適切な面接が行なえません。求職者とつながったら、まずは接続に問題がないか確認をしましょう。
対面では、面接官が受付まで迎えに行き、会場に入るまでの間に簡単なコミュニケーションを取るといったことができますが、オンラインではいきなり顔を合わせることになります。最初にアイスブレイクを入れて、お互いの緊張を解くようにするといいでしょう。
通常、パソコンのカメラは画面の上に位置しているため、画面上の求職者の目を見ると、求職者からは面接官が下を向いているように見えてしまいます。
外付けカメラの場合は付ける位置を工夫したり、内蔵カメラの場合はパソコンスタンドを利用したりするなど、カメラの高さが目線と同じ位置に来るよう調節し、目線はまっすぐにカメラへ向けると、求職者との視線がずれにくくなります。
求職者が聞き取りやすいよう、対面より意識してゆっくり話すことを心がけましょう。オンラインでは音声がずれることがあります。ゆっくり話すことは、お互いの話がかぶってしまうのを避けることにもつながります。
オンラインでは、軽いうなずきや小さな相づちでは、求職者から見えなかったり聞こえなかったりする場合があります。そのため、いつもより少しオーバーアクションくらいがいいでしょう
微妙な表情が読み取りづらいため、求職者に音声が届いていない、話の内容が伝わっていないといったことに気付きにくい場合があります。
求職者を置いてきぼりにして話を続けてしまうといったことがないよう、「音声は大丈夫ですか?」「ここまでで疑問点はないですか?」など、こまめに確認するようにしましょう。
オンライン面接で良い人材を見極める方法は、対面の面接と同じで、適切な質問を投げかけることです。
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良い人材を見極めるための質問例は、「初めての面接官必見マニュアル 48の質問集と人材を見抜くポイント」をご参照ください。
オンライン面接は、母集団の拡大に役立つ、採用業務の効率化やコスト削減につながるなど、多くの利点がある方法です。オンライン特有の注意点はありますが、そこさえクリアすれば、導入するのはそれほど難しいことではありません。ビジネスのあらゆるシーンでオンライン化が進むなか、採用業務にも取り入れてはいかがでしょうか。
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