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調査データ

「アルムナイ採用」による再雇用を導入している企業は約3割。実施方法、導入による成果・効果とは?

2022年6月29日

アルムナイ採用とは、企業を退職した元従業員(アルムナイ)を再び雇用する採用手法です。米国で導入が進み、日本においても外資系企業などをはじめ、さまざまな企業でアルムナイ採用を積極活用するケースが増えています。終身雇用制度が当たり前ではなくなった今の時代、人材不足で悩む企業は、退職者を貴重な人的資源と捉え、将来的なアルムナイ採用を見据えた各種制度を設ける企業も登場しています。

そこでマンパワーグループでは、企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に、「アルムナイ採用」の実態について調査しました。

調査時期
2022年1月
有効回答
企業で人事担当者を務める20代~50代会社員または団体職員 400人

目次

人事担当者に聞いた、アルムナイ採用の実施方法

企業で人事担当者を務める20代~50代の男女400名に、アルムナイ採用の導入状況を聞いたところ、導入している企業は全体の約3割(28.0%)ということがわかりました。

アルムナイ採用を「実施している」と回答した人に、どのような方法で実施しているのか聞いたところ、つながりを持っている社員から連絡してもらったり、再雇用の資格を満たした退職者に専用サイトに登録してもらったりするなど、アプローチしやすい仕組みをつくって工夫しているようです。

また、アルムナイ採用を周知するために、退職前の説明会を実施していたり、紹介してくれた社員への報奨金を設定したりして、アルムナイ採用を促進しているケースもあるようです。

選考の仕組みについては、「無期限で採用するのではなく、退職から再雇用を可能とするまでの期間を決めている」(男性・54歳/北海道)、「ほかの候補者とほぼ同じ流れで選考を行っている」(男性・41歳/埼玉県)など、ケース・バイ・ケースのようです。

アルムナイ採用の実施方法

・退職前の説明会を実施している(女性・26歳/香川県)

・退職者用のコミュニティー(サイト)を作成し、気軽に応募できるようにしている(女性・28歳/愛知県)

・紹介してくれた社員への報奨金を設定し、アルムナイ採用を促進している(男性・43歳/千葉県)

・退職後に一度コンタクトを取り、状況を聞いた上、希望しているようであれば再びの採用を社内で検討している(女性・22歳/千葉県)

・イベント時に手伝いとして来てもらい、その際に必ず面談時間を設けて再就職の誘いをしている(男性・59歳/東京都)

アルムナイ採用における雇用形態は「正社員」が約8割

アルムナイ採用における雇用形態を教えてください

アルムナイ採用を「実施している」と回答した人に、アルムナイ採用における雇用形態を聞いたところ、「正社員」(77.7%)が最も高く、全体の約8割を占めています。次いで、「有期雇用社員」(54.5%)が5割超で続きます。アルムナイ採用は、即戦力としての「正社員」や、働き手の状況に合わせた働き方ができる「有期雇用社員」としての雇用が多いことがうかがえます。

人事担当者が実感しているアルムナイ採用による成果や効果とは?

アルムナイ採用を「実施している」と回答した人に、アルムナイ採用を行ったことによる成果や効果について聞いたところ、個々の社外での経験を活用できる点や即戦力人材という面だけでなく、定着性についても効果を感じているケースが多いようです。また、採用コストが抑えられることから、総じてコストパフォーマンスの良さをメリットと考える傾向があるようです。

アルムナイ採用による成果や効果

・自社の業務を理解しているため、即戦力になる(男性・51歳/愛知県)

・スムーズな業務への適応、社外での経験の活用(男性・34歳/東京都)

・ノウハウを若手の社員に与えてくれる(男性・24歳/大阪府)

・ミスマッチが少ない(女性・41歳/大阪府)

・帰属意識がより高まる(男性・49歳/神奈川県)

・自社に定着してくれる(女性・31歳/三重県)

・人件費の節約になった(女性・42歳/東京都)

アルムナイ採用のメリットは「即戦力人材の補填」

今回の調査では、アルムナイ採用を導入している人事担当者は、確実に即戦力になる人材の補填ができることに大きなメリットを感じている様子がうかがえました。

近年、コロナ禍の影響で採用市場は一時的に買い手市場となっているものの、2021年以降は有効求人倍率が徐々に回復し、直近に発表された2022年4月の有効求人倍率は1.23倍となっています。コロナ禍以前の有効求人倍率にはまだまだ及びませんが、少子高齢化がますます加速していることに変わりはなく、近い将来には採用市場が厳しくなることが想定されます。アフターコロナの時代を見据え、現時点からさまざまな採用手法を模索・確立しておくことが重要になるといえそうです。

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