調査データ
2025年12月 9日
転職活動を進めるにあたって、求職者が重視する条件はさまざまと言えますが、「福利厚生が充実しているかどうか」は、転職先を選ぶ際の一つのポイントになるものでしょう。また、入社後の定着性を高めるためにも、福利厚生の制度を拡充させ、ライフステージが変化しても長く働き続けられる環境をつくることは重要と言えます。
そこでマンパワーグループでは、20代~40代の転職経験者400名を対象に、「転職先の福利厚生」に対してどのようなことを求めているのかを調査しました。年代別の違いなど、今後の採用活動や制度改革の参考にしてみませんか?

20代~40代の転職経験者400名に、これまで勤務していた会社に実際にあった福利厚生を聞いたところ、「住宅手当、家賃補助」が約3割でトップでした。以降は、「資格取得手当」(25.5%)、「人間ドックなど法定外の健康診断」(22.8%)、「食堂・食事補助」(21.0%)、「社員旅行、歓送迎会などの親睦会補助金」(20.0%)の順に続き、いずれも2割超となっています。
その一方で、「特にない・わからない」(24.3%)も2割超という結果から、勤務先に法定外福利厚生がなかった、または知らなかったという人が一定数は存在していることがわかりました。

一般的な会社の福利厚生として、あったら良いと思うものについても、「住宅手当、家賃補助」が半数近くの高い割合でトップとなりました。以降、「食堂、食事補助」(32.3%)、「人間ドックなど法定外の健康診断」(32.3%)が3割強の同率で続きます。また、以降の「資格取得手当」(29.5%)、「バースデー・リフレッシュ休暇」(29.0%)の回答率も約3割の僅差で続きます。
年代別で見ると、20代は「社宅・独身寮」と回答した人が2割超で、ほかの年代よりも高い傾向が見られました。一方、30代、40代はいずれも「バースデー・リフレッシュ休暇」と回答した人が3割前後となっています。

転職の際に福利厚生を重視するかを聞いたところ、「重視する」が20.3%、「どちらかというと重視する」が51.8%、「どちらかというと重視しない」が19.3%、「重視しない」が8.8%となっていました。合計すると、全体の7割強が、転職するにあたって「福利厚生を重視する」と考えていることがわかります。
年代別で見ると、30代、40代で「重視しない」と回答した人は1割に満たない一方で、20代は約2割を占めていました。20代の場合は、ライフステージやキャリアステージなどの面から、ほかの年代よりも利用できる福利厚生の幅が狭く、その価値を実感できていない人が一定数は存在していると言えるでしょう。そのため、転職の際に重視する項目についても、ほかの世代より福利厚生の優先順位が低くなる傾向があるようです。

転職の際に福利厚生を重視すると回答した人に、福利厚生の中で重視するものについても聞いたところ、「住宅手当、家賃補助」(49.7%)が約半数でトップとなりました。以降、「人間ドックなど法定外の健康診断」(28.8%)が約3割、さらに「バースデー・リフレッシュ休暇」(21.9%)、「資格取得手当」(21.2%)がそれぞれ2割超の回答率となっています。
年代別で見ると、20代では「住宅手当、家賃補助」や「社宅・独身寮」と回答した人がほかの年代より高い傾向がありました。キャリアの浅い若手のうちは給与水準が高くないためか、住居にかかる費用を支援してほしい人が多いようです。
一方、30代では「バースデー・リフレッシュ休暇」、40代では「人間ドックなど法定外の健康診断」が、ほかの年代よりも高い傾向が見られました。一定以上のキャリアを積んできたために、プラスαとなる特別休暇に対するリターンを求める傾向があるようです。また、年齢を重ね、ライフステージも変化しやすい年代のため、自身の体調管理や子育て資金・老後資金の貯蓄などにプラスに働くような福利厚生を求める人もいるでしょう。
今回の調査では、20代~40代の転職経験者の7割強が「転職の際に福利厚生を重視する」と回答しました。年代別に求める福利厚生の内容は違ってくるため、募集するターゲット層の年代やライフステージなどに合わせてアピールするポイントを変えることが大事と言えそうです。
20代、30代、40代のそれぞれが置かれている状況や求めていることを想定の上、将来的なメリットまで伝えることも重要になるでしょう。