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調査データ

新卒採用におけるミスマッチは8割超!ミスマッチによる悪影響の1位は採用した社員の早期退職

2024年5月13日

採用難により、採用後の早期離職者が企業に与えるインパクトが大きくなっています。入社前に相互理解を深め、ミスマッチを防ぐことは、人事担当者にとって大きな課題といえるでしょう。

そこでマンパワーグループでは、企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名を対象に、新卒採用におけるミスマッチの状況について調査しました。

調査時期
2024年2月
有効回答
企業の人事担当者を務める20代~50代の男女400名

目次

8割超の人事担当者が、新卒採用後のミスマッチを経験

新卒採用で、うまくいかなかったこと・ミスマッチだったことはありますか?

企業で人事担当者を務める20代~50代の男女400名に、新卒採用で、うまくいかなかったこと・ミスマッチだったことを聞いたところ、「特にない」(17.5%)は2割弱となり、全体の8割超が、新卒採用を行ったあとにうまくいかなかったこと・ミスマッチだったことがあるようです。

ミスマッチの内容は、「配属先のメンバーや上司との相性が良くなかった」(37.0%)がトップ。次いで「仕事に対する意欲に問題があった」(36.8%)、「本人の期待と実態にギャップが生じた」(36.3%)が3割台後半の僅差で続きます。

また、「必要とされる経験やスキルが足りなかった」(30.3%)、「採用した人の価値観と社風が合わなかった」(27.8%)も3割前後となっています。

ミスマッチを経験した人事担当者の約6割が、新入社員の早期退職に直面

ミスマッチの結果、起きてしまったことは何かありましたか?

「ミスマッチだったことがある」と回答した人事担当者に、ミスマッチの結果、起きてしまったことについて聞いたところ、「特に何も起きなかった」はわずか6.4%だったことから、全体の9割以上に、何らかの問題が起きていることがわかります。

具体的に発生した問題としては、「採用した人が早期退職した」(57.9%)が最も多く、約6割を占めています。次いで、「採用した人を配置転換した」(31.2%)、「配置先の人間関係が悪くなった」(25.2%)、「追加採用を行った」(23.6%)などが続き、採用者の処遇に対応したり、欠員の補充を行ったりするなど、対応業務が増加していることがうかがえます。

また、オンライン中心、夜勤にシフトなど「採用した人の働き方を変更した」(18.8%)、「採用した人に研修を行った」(16.7%)など、働き方を調整したり、予定になかった研修を実施したりするなどのケースも2割弱を占めました。さらに、「業績や成績に影響が出た」(15.2%)、「配属先の社員が退職した」(15.2%)、「配属先の社員を異動させた」(10.6%)など、ミスマッチな新卒採用によって、新たな影響が発生しているケースも1割超となっていました。

人事担当者に聞いた、新卒・中途採用のミスマッチ予防の対策

人事担当者に、新卒・中途採用のミスマッチ予防で対策していることを聞いたところ、選考過程や内定後のコミュニケーション、入社後の配属先の決定、フォロー体制まで、それぞれのフェーズでさまざまな工夫をしていることがわかりました。

選考過程に進む前

  • 会社に対する理解(企業風土、人物、仕事)を十分に促進した上で選考に臨んでもらう(男性・40代)
  • 現場を見学してもらい、志望動機を確認すると同時に、現場の管理者と会うことでお互い納得した上で選考を進めるようにしている(男性・30代)
  • 適性検査を行う(男性・50代)、
  • 事前に判断できるよう性格診断も実施(女性・30代)
  • オリエンテーションなど、事前にしっかりとコミュニケーションをとる(男性・40代)

選考過程

  • 面接時や選考過程で、できるだけ情報をアウトプットし、採用予定者に心構えを持ってもらうようにしている(男性・50代)
  • 採用面接の段階で互いに本音で話し、会社の良いところも悪いところも伝えるようにしている(女性・30代)
  • 面接や評価などに、必要としている部署の担当者と責任者に同席してもらっている(女性・50代)
  • 選考途中から若手にフォローをさせる(女性・30 代)

人事面接時

  • 志望動機を深掘りする(女性・30代)
  • 入社後についてしっかりと話し、イメージを持ってもらう(男性・40代)
  • 仕事の流れや内容をつかんでもらう女性・20代)
  • 面接時に希望職種の聴き取りを行う(男性・40代)

内定後

  • 内定時に各部の担当者としっかり面談できる機会をつくる(男性・50代)
  • 最初にたくさんの同僚との顔合わせを行う(女性・30代)
  • 採用担当者との面談頻度を上げて、適正等を精緻に把握する(女性・50代)
  • 内定者と直接会うことによって、その段階での心理状況や、見えている不安や疑問・見えていない不安や疑問をケアしている(男性・50代)

入社後

  • 配属先が決まるまでの研修期間を約3カ月と長くとり、その後、可能な限り本人の希望部署に配属する(男性・50代)
  • 入社後、3カ月は配属先を決めず、いろいろな部署に配属して配属希望先を出してもらう(男性・30代)
  • 職場研修を事前に行い、相性を見極める(男性・50代)
  • 入社後にきめ細かい面談フォローの場を設けている(男性・50代)

配属後

  • 定期的に配属先へ向かい、本人から不満点や悩みを聴き取るようにしている(男性・30代)
  • 定期的な面談を実施し、声掛けによるコミュニケーションの維持と新卒・中途採用者に対する意見のくみ取りを行う(男性・50代)
  • 気軽に相談できる窓口をつくる(女性・40代)
  • 定期的な懇親会の実施(男性・50代)
  • 受け入れる社員側の意識教育をする(男性・50代)

ミスマッチを防ぐには、選考過程や内定後、配属前後のフォローが重要

今回の調査では、人事担当者の8割が「新卒採用で、うまくいかなかったこと・ミスマッチだったことがある」と考えていることがわかりました。

ミスマッチを予防するための対策としては、選考前・選考過程の中で自社の情報をできる限り提供したり、面談の回数を増やして対話をしたりすることで相互理解を深めているケースが多くみられました。また、配属現場の担当者や募集人材と年齢の近い若手社員も面談に立ち会わせたり、社内見学や先輩社員との面談機会を増やしたりするなどの方法で、企業文化や社風、職場との相性におけるミスマッチを防ごうとするケースも少なくありませんでした。配属先の決定においても、なるべく長期間、さまざまな職場を経験させ、本人の希望や適性なども踏まえた上で決定するという声が多くあがっていました。

厚生労働省が発表した「令和2年3月に卒業した新規学卒就職者の離職状況 外部リンク」によれば、就職後3年以内の離職率は、新規大学卒就職者が32.3%となっており、前年よりも0.8ポイント上昇しています。転職に対する抵抗感が薄れている今の時代、いかにミスマッチを防ぐかが重要です。選考過程や内定時だけでなく、入社後の適切な配属先の決定や教育・フォロー体制の構築なども、長く定着してくれる人材を増やすための大きな課題になるといえるでしょう。

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また、アンケートの結果は調査時点に基づいたものであることにご留意ください。

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