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シェアードサービスとは?BPOとの違いや導入メリット・注意点を解説

掲載日2023年3月28日

最終更新日2024年6月17日

シェアードサービスとは?BPOとの違いや導入メリット・注意点を解説

目次

シェアードサービスの外注化事例を紹介

複数部門に分散するバックオフィス機能を集約化することでコスト削減とリソースの集中管理が可能なシェアードサービスですが、外注化することでさらにコスト管理や内部リソースの最適活用が進みます。
シェアードサービスの外注化事例を紹介した資料をご用意しています。

⇒「企業を強くする外部リソースの効果的な活用」をダウンロードする

利益率向上のため、人材の適正配置、業務の効率化、DX推進などの観点から、大企業を中心に「シェアードサービス」の導入が増えています。

今回は、企業体制の構築に効果が期待できるシェアードサービスについて、導入の目的やメリットなどを解説します。

シェアードサービスとは

シェアードサービスとは、グループ内の複数企業あるいは、複数部門に重複する間接業務を1つにまとめることで、人件費の削減・業務を効率化させる経営手法です。

アメリカで開発された手法ですが、近年は日本でも大企業を中心に企業の内部統制強化が推進する動きがあり、企業価値の増大を実現すべきであるという観点から、シェアードサービスを導入する企業が増えて、大きな注目を集めています。

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BPOとの違い

シェアードサービスに類似するものとしてBPO(Business Process Outsourcing)があります。
BPOは、企業が自社の業務を外部に委託し、自社のリソースを他の重要な業務(コア業務)に専念できるようにするものです。これにより、業務の効率化とコスト削減を図ります。

業務効率化やコスト削減といった目的は、シェアードサービスと共通していますが、シェアードサービスは「部門集約」の手法を採用しているのに対し、BPOは「外注」の手法を用いています。つまり、シェアードサービスは同じ組織内での業務の中央集約であるのに対し、BPOは外部のプロバイダーへの業務委託を指します。

注意が必要なのは、必ずしも「シェアードサービス=社内運用(あるいはグループ企業内運用)」に限定されるものではないということです。シェアードサービスとして集約した業務は、BPOとして外部に委託が可能です。

関連記事
BPOについては「アウトソーシングとは?メリットを引き出す導入ステップを解説」で、向いている業務や導入ステップなどについて詳しく説明しています。

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シェアードサービスの対象となる部門

シェアードサービスは、売上部門を支援する間接業務(バックオフィス業務)部門が対象となります。

財務・経理部門の業務である会計監査や業務監査などもシェアードサービスの対象になり得ますが、このような専門性の高い業務は導入が難しい分野であるといえます。

対象部門

業務内容

総務・人事部門

・備品や消耗品管理
・福利厚生
・採用業務
・労務管理
・社会保険の手続き
・従業員の健康管理

財務・経理部門

・一般会計
・経費精算
・会計監査
・業務監査

情報システム部門

・システム保守
・システム運用
・ヘルプデスク

コンタクト部門

・顧客対応サービス
(コールセンターなど)

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シェアードサービスを導入するメリット

シェアードサービスを導入するメリットはさまざまです。以下、導入のメリットについて解説します。

コスト削減

シェアードサービスを導入することで、さまざまなコストを削減できます。
主に人件費(残業の削減)、採用や教育にかかる管理コストなどが挙げられます。オフィスや備品などもそれぞれの企業で設ける必要がなくなるので、固定費削減にもつながります。

業務品質の向上

グループ内の複数企業において重複する部門をまとめて運用することで、業務の最適化や効率化が図られ社員の生産性が向上します。

それだけでなく業務に関する経験値が蓄積され、専門知識の不足によるミスの削減や、ミスの原因究明が容易になることで再発防止に役立てることもできます。

その結果、ビジネス・プロセス全体がスムーズかつ効率的に運行することで業務品質向上が期待できます。

ナレッジの共有と蓄積

複数の部門の業務を1つに集約することができれば、それぞれの部門に蓄積されたナレッジも1つに集約されることになります。

自社に合う人材を獲得することは容易ではなく、人材を一朝一夕に育成できるものでもありません。
シェアード化することで社内にノウハウやナレッジを共有し蓄積できるため、既存の人材一人ひとりのスキルや価値が高まります。

人的リソースの有効活用

人手不足で人材確保に頭を抱える企業が多い中、シェアードサービスを導入することにより、社内の人的資源を有効活用することが見込めます。

貴重かつ有限である人的資源を、自社の得意分野である業務や部門への重点投入が可能となるため、生産性も向上させることができるでしょう。

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シェアードサービスを導入するデメリット

シェアードサービスの導入にはさまざまなメリットがある一方、デメリットもあるため、事前に把握しておく必要があります。次にシェアードサービスを導入するデメリットについて解説します。

導入コストの発生

シェアードサービスを導入することでコスト削減は期待できるものの、統一化にあたり新たなシステムを導入する場合には、システム導入にかかる初期コストが発生します。

ここでいう導入コストとは金銭的な部分だけでなく、例えばグループごとで行っていた業務を洗い出し、統一化させ完成させるなどの手間(時間的コスト)も考慮する必要があるでしょう。

組織内の軋轢が発生する可能性がある

それぞれに独立して存在する業務フローやルールがある場合、それを1つに統一する必要が生じる必要があります。状況によっては、組織内の軋轢・葛藤も発生するかもしれません。

導入にあたっては全社員に周知するだけでなく、関係者と十分な対話をすることで社員の誤解や不安感を少しでも払拭できるように努める必要があります。

社内の担当者がいなくなり不便になる

グループ内の部門が統一されるとなると、それまで自社の近くにいた当該部門の担当者がいなくなる可能性があります。その業務に精通する社員が減ってしまうと、場合によっては本業に支障を来たさないとも限りません。

いくらグループ企業とはいえ、個々の企業の専門性は異なります。業務効率化やコスト削減を目的としてシェアードサービスを導入したとしても、結果として本業に支障があっては元も子もありません。シェアードサービスを検討するにあたっては、個々の企業の連携体制の構築が重要になります。

該当部門の社員のモチベーションが下がる懸念

グループ内に複数存在していた部門を1つにまとめるとなると、関係する社員は自らの処遇を脅かされはしないかと不安になるかもしれません。自身のキャリア形成に明るい展望が持てず、モチベーションが下がることも懸念されます。

導入を検討する場合は、関係する社員がキャリア形成できるよう十分にサポートしていく必要があります。

モチベーション低下による低パフォーマンスにどう対処するか

業務内容や仕事の進め方などが大きく変わると、これまでのような成果をあげられないのではないかと、業務へのモチベーションが下がり、パフォーマンスにも影響がでてしまう可能性もあります。
モチベーション低下によって発生しうるローパフォーマーへの対処方法について、タイプ別に解説します。
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シェアードサービスの導入プロセスと注意すべきポイント

シェアードサービスを導入する際には注意すべき点がいくつかあります。導入プロセスとあわせて注意すべきポイントを解説します。

課題の把握

シェアードサービスを導入する上での最初の一歩は、社内における課題を把握することです。

そのためには、自社内の業務内容を棚卸するところから始めましょう。現状を把握することで、本質的に解決すべき事項が明確になり、シェアードサービスを導入した場合の効果も想定することもできるでしょう。

場合によっては、別の方法を選択したほうがよい場合や、そもそもシェアードサービスを導入しないということもあり得るかもしれません。そういった意味でも、社内業務に関する課題の抽出は非常に重要になります。

導入部署の選定

自社業務の課題を把握することができたら、次にすべきことは「どの部署にシェアードサービスを導入すべきか」を決定することです。

導入部署を決定するにあたっては、対象企業に存在する間接業務のフローやルールを洗い出し、1ヶ所に集約するプロセスを踏みます。

前述したように、シェアードサービス導入時にはさまざまな手間やコストがかかるので、慎重に進めていく必要があります。どの部署が導入に適当なのかを見極める姿勢が重要です。

現行のシステムの見直し・調整

シェアードサービスを導入する前段階では、各所でさまざまなシステムやツールを使用していることでしょう。それを一本化するとなれば、相応に見直していく必要があります。

ただシステムを変えればよいという話ではなく、自社の業務課題をどのように最適化してくのかという視点で見直すとよいでしょう。

また、見直しをする上では各所が混乱をきたすことがないように、担当者間で調整することも重要です。

配置の決定

システムの見直しや体制が整ったら、いよいよ集約した新たな部署をどこに配置するかを決定していきます。 配置する場所は、大きく分け2つの選択肢が考えられます。

1つは「本社」に配置する方法、もう1つは子会社として「シェアードサービスセンター」を設ける方法です。どちらを選択するかは、自社の事情により決定するとよいでしょう。

本社に配置する場合

シェアードセンターを本社に配置する場合は、比較的導入しやすく、本社の統括力を引き続き維持しやすいメリットがあります。一方、従来の業務手法を踏襲し過ぎてしまうと代わり映えのない取り組みになってしまう可能性がある点はデメリットといえるでしょう。

子会社としてシェアードサービスセンターを設ける場合

子会社ではあるものの独立した企業になるため、売上やコストの管理が明確になるメリットがあります。一方、大規模な組織改編を要するため一時的に混乱を来たす恐れもあります。

さらなる効率化を目指す場合は、アウトソーシングも視野に

自社の事情を考慮し、さらなる効率化を目指す場合にはシェアードサービスのアウトソーシングを視野に入れることも一つの方法です。業務効率化はもちろんですが、アウトソーシング先の専門知識をもとに有効な提案をしてくれるため、ノウハウを得ることも可能となります。

また、企業内に業務を集約することによって、新たに人材を採用する必要性が生じる場合は、人事領域に特化したBPOを活用する方法も考えられます。

業務マッピングと評価プロセス

業務集約および外注化のためには、対象業務の選定が重要です。ここでは、業務範囲を決定する際の検討・評価プロセスについてまとめた資料をダウンロードいただけます。
また、実際のシェアードサービス外注化事例として、マンパワーグループによるヘルスケア関連メーカーのアドミ業務の共通化と集約化事例を掲載しています。

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シェアードサービス導入の事例

実際にシェアードサービスを導入し、成功している企業はたくさんあります。
ここでは、シェアードサービスを導入している事例についていくつか紹介します。

A社(情報・通信)グループ内コンタクトセンター業務の集約

音楽配信サービスや通信事業を展開するA社では、各グループ企業に共通していた「顧客対応サービス業務」に着目。「テレマーケティング」や「カスタマーセンター」業務を一括して行うための拠点を開設しました。

導入以前は、各社間の情報共有不足や煩雑な顧客情報管理、それぞれの会社が設備を所有することによるコスト増などの課題を抱えていました。しかし、部門を1拠点に集約することによって、人材リソースやインフラを共有することができ、事業の生産性向上とコスト削減を実現しています。

B社(化学)グローバル規模でのバックオフィス部門の統合

世界最大規模の消費財メーカーであるB社は、1999年、経理や財務部門を手始めに組織変革を実行。コスト削減と生産性向上を目的に、世界約70カ国の組織に有するバックオフィス業務を統合するためにシェアードサービスを導入しました。

その結果、約8億ドルのコスト削減や、売上高に占めるコストの割合が2003年以来3分の1まで減少するなど、莫大なコストの削減と生産性の向上を実現しました。

現在では、ダイバーシティ&インクルージョン施策の一環として、シェアードサービス職での積極的な障がい者採用を実施するなど、すべての社員が自分らしく働ける職場環境づくりにも寄与しています。

C社(建設)全国の事業所の経理業務を集約

住宅事業を展開するC社も、不確実性の高い経済情勢において企業価値を高めるための一環として、シェアードサービスを導入した企業の1つです。

これまで82の事業所に分散されていた経理・財務部門の業務を1拠点に集約し、さらに事業所ごとに行われていた帳票印刷業務やデータ入力業務をアウトソースしました。この結果、事業所ごとに異なる運用やルールで行われていた請求書作成や発送などの業務が標準化され、業務効率が劇的に改善されました。業務品質が改善されただけでなく、社員の業務負担が軽減されたことで「働き方改革」推進の一助ともなっています。

まとめ

シェアードサービスは、グループ企業などにおいて部門ごとに共通する業務を集約する手法であり、現在大企業を中心に注目されている経営手法です。

シェアードサービスに該当する業務としては、人事や総務、経理などの間接部門が該当します。

導入には初期コストがかかる場合もあり、社内調整を要するなどハードルは低くありません。しかし、業務の効率化やコスト削減、業務の品質向上など大きなメリットとなるため、企業体制強化の一つの選択肢としておすすめの経営手法といえるでしょう。

本コラムで取り上げている企業課題に関するご相談や、弊社サービスに関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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■マンパワーグループの業務委託・BPO
https://www.manpowergroup.jp/client/serve/outsourcing/

著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社

マンパワーグループ株式会社

世界70カ国・地域にオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。

リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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