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「採用する人物に、ばらつきがある」
「スキル重視で採用したが、社風が合わず早期退職してしまった」
採用活動中、このような事柄に思い当たることはないでしょうか。これらの問題が発生する背景には、「求める人物像が明確化できていない」ことが大きく存在しています。
そもそも求める人物像とは、採用ポジション+企業文化に合う理想的な経験・スキル・性格などを詳細に人物化したものです。
経営戦略や事業戦略などから、企業が発展し続けるためにはどのような人材が必要なのかを定めます。そのため、一般的に良いとされる人物が必ずしも自社に当てはまるとは限りません。以下に、自社が本当に求める人物と出会うためにおさえるべき3つのポイントをお伝えします。
たとえば業務拡大のための営業職採用、かつマネージャー採用であれば、以下のように設定することができます。
Must(必須)要件 : 営業経験7年以上・マネージメント経験2年以上
Want(理想・歓迎)要件 : 同業界での営業経験をお持ちの方
また、現場は求めるスキルを多く求めがちです。特に、中途採用は即戦力としての期待が高まるため、致し方ない点ではあります。ですが、採用担当者は採用市場や自社の状況、経済状況、経営戦略など様々な条件を勘案し、その要件がMustなのかWantなのか混同しないよう判断することが重要です。
「うちの会社っぽい人」「○○さんみたいな人」という、自社やその部署ならではの感覚があります。実はこれが非常に重要な情報で、Must・Want要件だけでは示すことができない点をここでまとめましょう。
マンパワーグループが2020年に実施したアンケート調査では「入社前の期待に対し、入社後、違いを感じた経験がある人」が約半数を占め、また28%の人が「社風や風土」について入社前に詳しく聞いておけばよかったと思っていることがわかりました。
詳細はアンケート調査「入社前後のギャップ」をご覧ください。
自社にいると当たり前・当然と感じてしまっていることも多くあるかもしれませんが、自社の特徴や社風、部署の雰囲気も振り返り、社内のコミュニケーションの取り方を言語化しましょう。
たとえば、「同じ部署のメンバーであっても担当や役割が違うので、社内にはいつも人が少ない」「在宅勤務が基本なのでミーティングはweb会議が中心」などといった情報は、応募者にとっても非常に有益な情報であり、お互いが理解することで非効率な採用活動や早期離職を防ぐことができます。
自社で実際に活躍している社員を参考にし、具体的に一人の人物像になるまで絞り込み、言語化します。
これを、ペルソナ設定ということもあります。
上記ポイントの1と2で具体的な人物が設定できたら、最後は採用関係者の「全員で」共有することが重要です。
共有することができていなければ、無駄な面接を繰り返すことになったり、「なぜこの人を採用(不採用)にしたのか」などの社内クレームが発生するなどの事態が起きてしまいます。採用を成功に導くためには、各担当者の思いをすり合わせ、自社の発展のために、人事担当者のみならず現場部署、経営層一丸となり同じ認識で活動することが大切です。
関連記事「採用基準とは 設定方法と見直すべきケースについて解説」もご参考にしてください。
求める人物像を社内の関係者全員で共有したのち、公開できる情報は自社サイトやSNS、求人媒体に掲載することも有効です。
Must・Want要件だけでは伝えきれない社内の雰囲気や業務の特徴などを、あらかじめ応募者にも共有しておくことにより、一種のスクリーニング効果も期待できます。
求める人物像の設定は新卒採用・中途採用問わず採用の基本のキとも言える必須事項。
アンマッチによる不幸な結果を防ぐためにも、上記のポイントを押さえた人物像の設定が重要です。
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