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人事面談とは?目的や流れ、実施時に気を付けるべきポイントを解説

掲載日2023年4月13日

最終更新日2024年7月 9日

人事面談とは?目的や流れ、実施時に気を付けるべきポイントを解説

目次

人事面談は、部下と目標に向けて対話する重要な面談です。上手く行えれば、部下のモチベーションを高めて成長を促すことが可能です。しかし、やり方によっては部下との信頼関係が崩れてしまうため、実施には注意が必要です。

この記事では、人事面談の基本から失敗しないためのコツなどについて具体的に解説します。

人事面談とは

人事面談は、大きく以下の2つに分類されます。

  1. 人事評価の年間スケジュールに沿い、上司と部下の1対1で定期的に行うもの。
    人事評価面談とも言います。
  2. 評価の不服申し立てや人事異動願いなど、人事と当事者の間で行う人事に関する課題解決のための面談

本記事では、1.の上司と部下の間で定期的に行われる人事面談に絞って解説します。

上司と部下が1対1で行う人事面談では、当該期間の目標の設定やマイルストーン(中間目標の意味で、目標設定で決めたキーとなる節目)の達成度の確認、評価結果のフィードバックやキャリアプランなどについて話し合います。

面談結果は、給与や賞与の査定にも使用するため、会社・人事に報告することをルールと定めている企業がほとんどです。

上司と部下でしっかり話し合い納得することで相互の信頼感が強くなり、部下のモチベーションを高め、成長を促す効果があります。

しかし、人事面談はやり方を間違えると、逆効果になります。部下のモチベーションだけでなく会社や上司へのエンゲージメントが下がり、生産性の低下や全社・部署・個人の目標未達に加え、部下の退職にも繋がりかねないため注意が必要です。

人事面談と1on1ミーティングの違い

人事面談と類似した面談に「1on1ミーティング」が挙げられます。
人事面談と1on1ミーティングはいずれも上司と部下の間で行われ、「部下の成長を促す」という目標は共通していますが、面談のアプローチや位置づけが異なります。

人事面談は、会社で定められている人事ルールに沿って、上司が部下のこれまでの活躍や頑張りを評価し、今後の部下の仕事の目標や方向性を示す場です。

一方、1on1ミーティングは部下が今抱える悩みに対し、上司が耳を傾ける場です。
話題の対象は仕事の悩みに限らず、人間関係や家庭、健康状況などの問題や不安といった広範囲にわたります。
1on1ミーティングを通してこまめに具体的な指導や対話をすることで、部下の仕事における成果向上やスキルアップはもちろん、信頼関係を構築することが大きな目的です。

関連記事・セミナー

1on1ミーティングの効果的な進め方・実施上の注意点などについては「1on1ミーティングとは│注意点と効果を高める3つのポイント」で解説しています。

また、動画で効果的な1on1ミーティングを職場に定着させるための考え方を解説する「1on1ミーティングを組織に定着させる処方箋 外部リンク」も公開中です。ぜひご覧ください。

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人事面談の種類

上司と部下の間で行われる人事面談には、主に以下の4種類があります。

  1. 目標設定面談
  2. 中間面談
  3. 評価フィードバック面談
  4. キャリア面談

それぞれの面談を個別に実施する場合もありますし、「期末面談」として、評価フィードバック面談の場でキャリア面談もあわせて行うケースなど、呼び名や実施方法は企業によって様々です。

目標設定面談

目標設定面談とは、期初や上期・下期など、事業運営の節目に行われる面談です。

部下に全社や事業・部署の当該期のビジョンや目標を伝えた上で、部下に今期担ってほしい役割や期待を正しく伝え、部下に目標を設定してもらいます。その内容を上司が確認し、必要に応じてアドバイスや指導や目標の修正を行い、双方納得の上で部門長や人事へ提出します。

部下にとって、目標のレベルや達成度が業績や成果の正式な人事評価になります。
そのため、評価の段階で達成度の認識に違いが生じたり、「言った」「言わない」の不毛な論争や目標の内容や達成基準に曖昧さが残るのを防ぐため、双方合意した書面・記録を残すようにします。

また、上司は部下が安心して業務に取り組めるよう、目標達成に必要だと感じるサポートや不安に感じていることなどについてもヒアリングしておくと、期中の指導や関わり方についての方針を決める糸口になります。

関連記事
目標設定の重要性や設定方法、目標設定の具体例などについては、「人材育成における適切な目標設定とは?」で解説しています。

中間面談

中間面談とは、評価期間の中間地点で目標に向けた進捗を確認する面談で、目標を達成するための壁や課題を上司と部下で確認する面談です。

上司は部下の目標達成の状況を把握するだけでなく、部下の目標達成状況に合わせた目標の変更や追加、アクションプランなどを見直す機会としてとらえ、改めて目線を合わせます。

期中の面談では、目標達成状況を鑑み、努力の方向性があっているか、上司・会社からのサポートは必要か、モチベーションが低下していないか、などを確認します。

期末に目標が達成できるよう、双方が「これなら達成できそうだ」と納得できるレベルまで具体的にすることがポイントです。

評価フィードバック面談

期末に上司から部下に評価結果をフィードバックする面談です。

単純に「あなたの評価はBでした」という結果の通達を行うだけでなく、目標の達成度といった「成果面」と期中の「達成行動面」の両方から振り返り、上司と部下の間で認識を合わせます。

部下の自己評価より高い評価だった場合は、一緒に喜んで労をねぎらいましょう。ただし、喜んで終わりではなく、次のステップや成長に向けてどのような点に取り組んだらよいかまでしっかり話し合いましょう。

自己評価と同じ評価だった場合、部下は安堵するもののモチベーションは上がりづらいでしょう。
そのため、フィードバックで優れている点をしっかり伝えることが重要です。
その上で、より高い評価や昇進・昇格を目指すためには何を意識して取り組めばよいか一緒に考えてモチベーションと成長意欲を引き出しましょう。

自己評価より低い評価結果を受けた部下が納得するには、期待した評価や昇進・昇格を含めた処遇を得るためにどのように行動すればいいか、部下の成長に向けた課題や打ち手も一緒に伝え、考える場にしましょう。
そうすることで、どうすれば評価が上がるのか評価に対する納得感とモチベーションが向上します。

キャリア面談

キャリア面談は、評価からいったん離れ、部下一人一人の中長期の視点でキャリア開発について話し合う場です。

評価に関する人事面談は、どうしても短期的な視点になりがちなため、中長期の視点で話し合うことで、目標達成活動だけではみえてこなかった、部下の興味を持っていることや大事にしている価値観を知ることができます。

現代では多様なキャリアの選択肢があります。本人のキャリアに対する考えや希望、キャリアパス、キャリア形成への不安などを聞いた上で、自社ではどのようなキャリアの選択肢があるかを示します。

また、キャリア形成に必要なスキル習得の機会やそれに向けたアドバイスを与えることで、部下の向上心とエンゲージメントを高める効果があります。

キャリア面談を効果的なものにするためには、キーパーソンである上司に、キャリア開発に対する適切な知識のインプットが必要です
本セミナーでは部下のキャリア開発支援に対する意識醸成の方法を、事例を交えながら解説しています。

動画セミナー:「上司起点でキャリア意識を高める」を見る 外部リンク

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人事面談の5つの目的

1.部下の状況を把握する

適切な役割分担や目標設定、指導やフィードバックの的確さは、上司が部下の状況を正しく把握することで成立します。部下の状況を上司が正しく把握していることで、「きちんと見てくれている」「その上で評価が行われている」という安心と信頼感も高まるので、人事面談では部下の状況把握に努める必要があります。

部下の状況を把握していると考えている上司が大半なのに対し、部下は上司が自分の状況を把握してくれているとは必ずしも思っていません。100%の監視下に部下を置いてすべてを管理することは現実的に不可能で、上司が見える範囲でしか部下の状況はわからないからです。

ポイントは、「上司から見えない場で部下が悩んでいること」と「上司がすべてを把握できる状態ではないことに対する部下の考え」の2点を知ることです。

悩んでいることの具体例としては、他部署からの依頼や対応が多く困っている、キャリアや職場の人間関係で悩んでいるといった例が挙げられます。部下の仕事や悩みをきちんと把握することが適正なマネジメントに繋がります。

上司が全てを管理・指示できない環境だと思っていても、受け取り方はさまざまです。「放置されている」「丸投げされた」と思うこともあれば、「信頼して任されている」「自由な選択を尊重されている」と捉える人もいます。

面談を通してきちんと部下と認識を合わせるようにしましょう。

2.会社やチームの方針と期待する役割を伝える

組織は階層や職位の高さに比例して、会社や組織全体をみる視点の高さや視野の広さが変わります。職位によっては、会社の方向性や業界の動きなどの情報があまり入ってこず、また、日々の業務に追われ自分や周辺の仕事しか見えなくなることがあります。

そのため、人事面談では上司の視点から会社やチームが目指す方向や、どのような方針で進もうとしているか、またチームや部下にどんな役割を期待しているかを伝えましょう。
そうすることで、部下は自身の役割や日々の仕事がチームや全社にどのように貢献しているか、努力の方向性は間違っていないかを確認することができます。

また、組織全体やチームをみる視点も変化し、自然と会社やチーム最適を考え、協力し合えるようになるので、個人とチームが成長する好循環に繋がります。

ただし、数字目標などを因数分解して部下に数値目標を割り振って押し付けるノルマ管理はかえって部下の不信をあおります。
ポイントは、数字を達成することで社会や会社、チーム、お客様にどう喜んでもらえるのか、「提供価値」と「達成された良い未来」を数字とセットで伝えることです。
ここまで伝えて初めて部下は、全社やチームの方針と期待役割をイメージでき、やりがいを持つ、目標達成に向けた意欲を見出すことができます。
結果、数字目標に向かって前向きに自走できるようになります。

3.人事評価・評価理由を伝える

人事評価の結果は通達だけでなく、根拠をきっちり伝えましょう。
強みを伸ばし、弱みを克服するなど、部下各自の啓発ポイントを明確し、成長へと繋げることが人事面談の重要な目的です。部下の納得感につながる具体的なポイントとしては以下が挙げられます。

  • 評価の内容が適切である
  • 真剣に部下と向き合い、評価してくれた姿勢が感じられる
  • 次のステップに進むための啓発ポイントと乗り越え方を提示している など

部下が評価や評価理由に納得できるよう、真剣に向き合うべきですが、人によっては説得や説教に陥りやすいので注意が必要です。
上司・部下という立場で、本音を聞き出すことが難しい場合もありますが、表に出てこない不満や不信感はいい成果を生まないばかりか、離職や上司の評価を下げる要因になります。
丁寧な対話を意識しましょう。

関連記事
人事評価の手法や、人事評価でのトラブルの原因・注意点などについては「人事評価制度の作り方|導入手順と評価方法をわかりやすく解説」で解説しています。

4.社員のモチベーション向上につなげる

部下のモチベーションを長期にわたって高く保つことも人事面談の目的の一つです。
以下のようなことを部下に感じてもらえるよう意識しましょう。

  • 部下が担う役割や目標に対する「やりがい」の意味づけ
  • 働きや成果に応じた給与・賞与で報われている実感
  • 部下が「なりたい自分」に近づき、成長している実感
  • 安心して仕事にチャレンジできる会社や上司に対する信頼感 など

一人一人のモチベーションを維持または向上させることが、結果的にチームや部門の発展にもつながります。

5.コミュニケーションの改善

人事面談は、部下と日頃よりさらに深くコミュニケーションが図れる貴重な機会です。

人事面談では部下の日頃の活躍を評価し、キャリアと未来について真剣に掘り下げて向き合う深い場になるため、普段は話しづらい仕事の考えもじっくり聞き出すことができます。

普段コミュニケーションをとっていても、「実は、こんなことを考えていたのか」と感じるケースは少なくありません。

部下も普段は話せない本音を伝えられること、それを受け止めて真剣に考えてくれる上司の姿を見ることで、信頼感や安心感が高まります。

人事面談を行う際の手順

人事面談は部下にとっては、評価や処遇に直結する場です。
結果次第では、今後の生活やキャリアの設計にも影響が及ぶ可能性もあります。部下と真剣に向き合う機会をよりよいものとするための手順を説明します。

1.面談の事前準備

事前準備はしっかりと行いましょう。

日程は最短でも2週間前までには決定するのが望ましく、面談時間は、1時間程度を想定しておくといいでしょう。また、部下の評価や処遇に関わる内容ですので、誰にも聞かれるリスクがない、静かな場所を選びます。

曖昧な記憶でのフィードバックや、その場しのぎで話すことを考えるなどの様子は、部下の信頼感と納得感を著しく下げてしまいます。目標設定、人事評価、キャリアいずれについても説明責任が果たせるよう、根拠になった資料などはまとめておきましょう。

また、部下への期待、強み・弱み、褒めるべき点、啓発ポイントなど伝えたいことも書き出しておくと、伝え漏れが起こらないので安心です。

2.アイスブレイクなどを挟みながら開始する

人事面談は、緊張感が生じやすいため、アイスブレイクを設けて部下の緊張を和らげ、お互いリラックスして話ができる場づくりをしましょう。

共通の趣味の話などでもいいですが、貴重な人事面談の時間が奪われるのでアイスブレイクで盛り上がりすぎるのは禁物です。

アイスブレイクが苦手な人は、部下を褒めることを3つ程度、事前に用意して人事面談に臨むといいでしょう。
話題は感謝や成果、動き、マインドなど、なんでも構いません。
褒め言葉から入ると、相手もポジティブに受け取り、明るい雰囲気づくりにつながります。

3.対象者の自己評価や課題の確認

人事面談の目的とゴール(内容・時間)を伝えた後に、部下に自己評価(目標設定・本人評価・キャリアプランなど)の内容(結果と根拠)を述べてもらいます。

部下に自己評価を説明してもらうことで、事実の捉え方、判断基準や成果・評価に対する視点や認識にズレがないかどうか確認できます。
さらに、部下の自己肯定感の高さや、強み・弱みといった自己認識の情報を収集できるので、目標設定や評価のフィードバックを伝える際のヒントを掴むことができます。

そのため、部下が発言している間、上司は絶対に口を挟まず、部下の話を傾聴します。
部下にとっても、上司がきちんと主張を聞いてくれたという安心感が生じ、評価フィードバックの納得感や上司への信頼感の向上に繋がる効果もあります。
とはいえ、無反応でいると不安を覚えることもあるので、適度な相槌を入れる、表情に気を付ける、などを意識しましょう。

4.目標設定や評価フィードバックを行う

部下の自己評価の内容を聞いた後は、上司から目標設定や評価フィードバックを行います。
評価フィードバックは事実ベースで根拠を元に行います。
疑問や不信が残らないよう自己評価と会社の評価に乖離がある点は、相手の心理状況を踏まえつつ、客観的にフィードバックして認識をあわせましょう。

気を使い過ぎて中途半端に共感し、感情や感覚に頼ったフィードバックをしてしまうと、ロジックが飛んでしまい、かえって収集がつかなくなるので注意が必要です。
評価の根拠となる事実は、事前に用意してから臨みましょう。

5.今後の方向性・目標・課題を考える

目標設定面談であれば、行動計画を具体的にすることを意識します。
行動計画は目標からただ逆算しただけの「予定」ではなく、どの段階で何を具体的に行えば達成できるのかという「作戦」レベルまで練り上げることが重要です。
目標達成の確度が高まり、部下のモチベーションも上がります。

評価のフィードバックで部下が高評価だった場合は、嬉しい感情に流されてしまい、次期の行動計画について「次も頑張ろう」という程度に収まってしまいがちです。
評価が高い時こそ、より高みに登るためにどのようなスキルを伸ばすのか、どのようなチャレンジを行うのかまでをきっちりと話し合うことが重要です。
評価が高い分、部下はチャレンジを前向きに捉えてくれます。

評価が低かった場合は、次期のリカバリーや成長に向けた計画策定に重点を置き、時間を使いましょう。
評価結果は過去のものであり変えられません。変われるのはこれからの未来なので、そこに目を向けることが重要です。

いずれにしても、目標設定や評価フィードバックを通して現状の立ち位置を確認したうえで、今後の方向性や課題、行動計画など練り上げていきます。
このとき、翌年度の短期目標だけでなく、中長期のキャリアプランについても話し合いましょう。
現在や来期に取り組む課題や行動計画と、部下の未来に繋がるキャリアプランを繋げることで、モチベーションが強く長く続きます。

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人事面談で気を付けるべき4つのポイント

話しやすい雰囲気をつくり聞き手に回る

人事面談は種類にもよりますが、目標設定や評価フィードバッグなど、上司が部下に説明責任を果たす場面もあり、上司の話が長くなりがちです。
目標や評価、指導の納得感を上げ、信頼関係を強めるには、部下が話しやすい雰囲気をつくり、上司は聞き手に回りましょう。
人は自分の話を聞いて、受け止めてくれると感じて初めて相手を信頼するからです。

「言いたいことがあったけど言えなかった」という不満はどんどん蓄積され、やがて会社や上司に対する不信が高めます。
どんなにわかりやすくても一方的に話された印象を与えると「説得された」と部下は受けとり、不信につながります。

目安は、「部下が9割」話してもらう感覚を持つことです。上司は9割部下に話してもらったくらいの感覚で、実際は上司と部下が話す割合は5:5程度になります。

面談時に身に着けておくべき対話方法

リラックスした雰囲気をつくり、部下の本音を引き出すには「説得」ではなく「対話」が効果的です。人事面談ですぐ使え、効果が高い代表的な対話方法を解説します。

1.傾聴

傾聴はただ、「部下の話に耳を傾ける」ことではありません。 傾聴とは、「相手の立場になって相手の気持ちに共感しながら聴く」「初めから否定することなく、なぜそのようなことを考えるようになったのか関心を持って聴く」「相手に対しても自分に対しても真摯な態度で聴く」姿勢が重要です。

参照:働く人のメンタルヘルス·ポータルサイト「こころの耳」 傾聴とは│厚生労働省 外部リンク

「最後まできちんと聞く」「間を怖がらない」「相手の話を言い換えてみる」「相手と同じ態度や動きをする(ページング)」「相手が伝えたいことをオウム返しする(バックトラッキング)」など、カウンセリングやコーチングの場で使用される傾聴のテクニックは多々ありますが、下手に行うとかえって信頼感を失います。

「部下に思いの丈を打ち明けてもらう」という信念を持てば、おのずと傾聴力は上がるので、まずはここから始めるといいでしょう。

2.上司は話の最後に「~と思うけどどう?」と質問で終える

人事面談では、どうしても上司が説明責任を果たさなくていけない場面があります。本当はわかってなかったり納得していなかったりしたときでも、部下は「わかりました」と答えて話を終わらせる場合も実は多いものです。

説明した際、部下に「説得された」とネガティブに受け取られないためには、語尾を一工夫しましょう。上司が話した後に「~と思うけど、どう?」というように部下に質問すると効果的です。部下の本音や意見を自然に引き出す対話になるからです。部下に話してもらうことで理解度や納得度も確認できます。

言ってはいけないことに注意して進める

当然、セクハラやパワハラなどハラスメントに関することはNGですが、人事面談ではほかにも言ってはいけないことがあります。それは、性格や人格のように「言っても変わらないもの・変わりにくいもの」についてです。

人事面談の目的の代表的なものは「部下の成長」に繋がることなので、変わらないもの・変わりにくいものを指摘しても意味がありませんし、いたずらに部下が傷つくだけでモチベーションが下がり、上司への信頼もなくなります。結果、評価に対する納得感もなくなり、人事面談をやる意味がなくなります。

フィードバックしてもいいことは、あくまで部下の成長に繋がる「意識や行動」に関するものだということを念頭に置きましょう。

質問内容を一工夫する

人事面談で効果を引き出すためには、質問の工夫も大切です。人事面談で効果が高い質問方法や例を解説します。

面談時に身に着けておくべき質問方法

人事面談時に活用すると効果的な質問方法を解説します。

1.肯定質問

肯定質問とは、「ない」が含まれず、肯定的に聞く質問です。 同じ事を質問するにしても、「なぜ?」「どうしてできないの?」と質問すると相手は自分が責められて気になり、思考の停止や、ネガティブ思考に流れやすくなります。

肯定質問で「どうすればできるか?」と問うと、意識は解決する前向きな方向に切り替わります。人事面談では目標設定や評価フィードバック時に「どうしたら乗り越えられそう?」と質問すると、解決するための課題や打ち手を引き出しやすくなります。さらに、解決した未来と今に意識がいき、達成することにフォーカスが当たるのでポジティブな思考が生まれモチベーション向上に繋がります。

2.自己肯定感を上げる質問

自己肯定感を上げるためには、部下が自己肯定感の高い状態を強くイメージする質問を投げかけることです。

部下が設定した目標を達成した際は、「それを達成することは、どれくらいすごいことなのか」と聞くといいでしょう。こうした質問を受けることで、部下は自分の仕事の意味付け・価値を考えられ、自己肯定感やモチベーションが向上します。質問の切り口を変えるなら、例として以下が挙げられます。

  • 市場シェアの中で、どれくらいインパクトがあるものなのか?
  • 部署の中で、どれくらいスケールする(プロジェクトなどの規模を拡大する)ものなのか?
  • 達成すると、周りからどのような感謝の声(=提供価値をわかりやすい言葉にしたもの)をかけてもらえるのか?
  • 達成したら、自分の中で何が変わりそうなのか?

それでも部下がイメージできないときは、その成果を達成したとき、貢献先からどのような感謝の声を貰えるかを本人に聞いてすりあわせるといいでしょう。 感謝の言葉は、その仕事に対する提供価値を表す言葉です。ポジティブなゴールイメージを描けるようになり、自分の仕事に価値を見出し、誇りを持ち、モチベーション向上に繋がります。

適切かつ丁寧なフィードバックを心がける

人事面談を有意義なものにする決め手は、適切なフィードバックです。人が意識や行動変容を促すには、「気づき」と「学び」の両面が必要だからです。

フィードバックの伝え方のコツは2つあります。

ひとつは上司ではなく、部下が考える主観(優先度と判断基準)に沿って伝える順番や粒度を変えることです。
人は自分の主観に沿って理解・判断するので、部下がストレスや誤解なく受け取るには、部下の主観に沿って伝えたほうが確実です。

もうひとつは、部下の心理状況にあわせて伝え方を変えることです。
人事面談はネガティブなフィードバックが必要な場面も生じ、事実を伝えるだけでは酷な場面もあるでしょう。丁寧に伝えようとすればするほど、話が長く責められていると感じる時間が長くなりますし、伝える情報量が多いと部下が受け取り方を間違えて、違う理解に繋がる可能性もあります。

部下に課題を伝えるときは、「課題」だけではなく、課題をクリアすることで得られる効果も伝えましょう。課題をそのまま伝えると、部下は「責められている」「欠点を指摘されて辛い」と感じるものですが、「期待(こうなって欲しいこと)+メリット」に置き換えて伝えると部下は受け入れやすくなり、やる気が向上します。

(具体例)

  • 新規顧客を拡大しましょう(課題)
  • 顧客が増えるとやりたい仕事にアサインされる可能性が高まるよ(期待+メリット)

このように、適切なフィードバックにはコツやパターンがあるため、フィードバックスキルを身に着けることを心がけるといいでしょう。

適切なフィードバックをおこなうためのスキルとは

 
部下の改善を促す指導は、部下のモチベーションが下がるなどの逆効果にならないか心配、パワハラと指摘されてしまうのでは?と指導を躊躇う人もいます。適切なフィードバックのため「正しく伝える"技術"」について解説した資料をダウンロードいただけます。
また、動画セミナーでも解説をしていますので、お好きな方をお選びください。

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動画セミナー「ネガティブフィードバック~嫌われても、きちんと伝える技術」 の視聴はこちらから
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まとめ

人事面談は、部下が「頑張ってチャレンジしてよかった」と思えて初めて、納得感が生まれます。たとえ、評価結果がネガティブなものであっても「今後の改善点が見つかった」と思えることが大切です。

部下と上司がそれぞれ納得感を得られる人事面談を行うには、上司である管理職に対して、研修などで適切なフィードバックや部下のキャリア支援の方法を学ぶ機会を提供するのも方法のひとつです。

著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社

マンパワーグループ株式会社

世界70カ国・地域にオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。

リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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