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【人事必見】知っておくべき面接時のアイスブレイクの効果と質問例

掲載日2024年2月 9日

最終更新日2024年10月 8日

【人事必見】知っておくべき面接時のアイスブレイクの効果と質問例

目次

面接官が知っておきたい基礎知識が1冊に

面接は人を見極めるだけではなく、「見られている」意識も必要。法律でNGとされている質問など、気を付けるべき点があります。

初めて面接官をする、面接官に読んでおいてもらいたいことを1冊にまとめました。ぜひこの1冊をお手元に!

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面接で人材を見極めるには、候補者にリラックスしてもらい過度な緊張がないのが理想です。アイスブレイクは候補者の緊張を解くのに効果的ですが、具体的にどのように進めれば良いかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、面接時のアイスブレイクの効果やコツ、具体的な事例まで紹介します。

面接でアイスブレイクがもたらす効果

アイスブレイクとは、初対面の人同士が参加する場でお互いの緊張を解きほぐし、場を円滑にするためのコミュニケーション手法のひとつで、英語でも「break the ice」「icebreaker」など、同じ意味で使われます。

icebreak_icon01.webpアイスブレイク/break the ice

氷を砕いて溶かすように、緊張する場面での気まずい・堅苦しい雰囲気を和らげ、場を和やかにすること

採用面接においては、選考のための質疑応答に入る前に雑談や世間話などでアイスブレイクを行うのが一般的です。

まずは、アイスブレイクがもたらす効果について解説しましょう。

応募者の緊張感をほぐし本音を引き出す

応募者にとって面接は緊張する場です。適度な緊張感は初対面の人同士のマナーとして必要ですが、質問に落ち着いて回答できる程度に緩和した方が、双方にとってコミュニケーションが取りやすくなります。

緊張状態のままでは、普段の「その人らしさ」を確認することは困難であり、面接官は応募者の本質を見極めることができず、適切な人材にも関わらず「不採用」という判定を下すリスクがでてきます。

ミスマッチを起こさないためにも、面接を通して「普段のその人らしい振る舞いや本音」を引き出せるよう意識しましょう。

面接をスムーズに進めるための導入

面接は、名前や職歴など答えやすく確認しやすい質問からスタートし、徐々に転職理由や志望動機など、本音を確認したい質問に繋げていくのが一般的です。これも、ある程度コミュニケーションの土台を作り、話をしやすくする工夫のひとつです。

この手順を踏まないで面接を進めると、応募者がしっかりと準備してきた回答を忘れてしまったり、焦って考えてもいなかったような回答をしてしまったりするケースが出てきます。

面接を開始する前にアイスブレイクを用いることで、面接を意識させないやり取りができるほか、応募者の自己開示がスムーズに進む効果があります。

自社に良い印象を持ってもらう

面接は面接官だけが相手を判断する時間ではありません。応募者にとっても「本当に入社に値する会社か」見極める機会でもあります。応募者の「自分の伝えたいことがきちんと伝わった」「自分のスキルや能力を正しく評価してもらえた」といった実感は、その会社に対する満足度・信頼度を高めることに繋がります。

残念ながら不合格という結論になっても、その応募者が将来顧客や取引先となる可能性もゼロではありません。第一印象は長く残りやすいものです。アイスブレイクを上手く用い、自社の印象をコントロールしていきましょう。

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面接でアイスブレイク効果を高めるためのポイント

「アイスブレイクは雑談や世間話のため、特に事前に準備をする必要はないのでは?」とお考えではありませんか? しかし、限りある時間の中で相手や場の雰囲気に合わせた雑談や世間話は案外難しいものです。面接の場において「話を切り出す側」は基本的に面接官側からですから、話題を提供できるのは面接官だけです。

また、一般的には応募者は面接官に対して「その会社の上司像」をイメージします。頼りになりそうな安心感を持ってもらうためにも、しっかりとアイスブレイクの事前準備をし、どんな相手でも対応できるよう複数のパターンを用意しておきましょう。事前準備のポイントを解説します。

面接官自身が自己開示する

アイスブレイクは「雑談」ですから、自分自身のことを相手に伝えるよう意識した方がよりコミュニケーションが活発になります。単なる自己紹介ではなく、意識的に自分自身のことを話すなど一歩踏み込んだ自己開示を心がけましましょう。

ただし、「どんな意図でこの話をされているのだろう」「評価ポイントと関連がある話題なのかもしれない」と不安に感じてしまうほどの、長く脈絡のない自己開示には注意が必要です。

応募書類から面接官との共通点を探しておく

一般的に、面接ではエントリーシートや履歴書・職務経歴書など事前に応募書類を提出し、その内容をもとに面接を行います。応募者も事前に提出した応募書類に記載した内容については把握されているものと考えています。面接の前に応募書類に目を通し、応募者について理解しておくことが重要です。

面接官と応募者に共通点があればお互い親近感がわきやすくなり、スムーズなアイスブレイクにつながります。趣味や特技など、共通点がないか確認しておきましょう。

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面接時のアイスブレイクのコツ

効果的なアイスブレイクについて、実際の流れを確認しながらコツを解説します。アイスブレイクはあくまでも、本題に入る前のコミュニケーションです。アイスブレイクの時間が長くなった結果、双方にとって満足度の低い面接になってしまっては本末転倒です。

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目安としては多くても面接時間の10%程度とイメージすると良いでしょう。面接時間が1時間ならアイスブレイクは3分~5分程度、30分予定の面接時間なら1分~3分程度といった具合です。それでは、実際の流れを確認しましょう。

1.来社へのお礼と自己紹介をする

まず一言目からいきなり雑談に入るのはNGです。応募者が安心できるよう、自社の面接に足を運んでもらったお礼と、面接官自身の自己紹介から始めます。

「はじめまして!株式会社〇〇 人事採用担当の鈴木です。本日の面接を担当いたし

ます。お忙しい中、弊社の面接にお越しいただき、本当に嬉しく思っています。」

など、にこやかにはっきりと伝えましょう。

2.クローズドクエスチョン→オープンクエスチョン

アイスブレイクを始めるタイミングは、いわば緊張のピークです。アイスブレイクのはじめは、答えやすい質問、つまりあまり考える必要がなく「YES or NO」やある程度選択肢が限られていて、答えやすい質問から始めましょう。このような質問をクローズドクエスチョンと言います。

クローズドクエスチョンで「相手が話をしやすいであろう」という想定どおりの反応が返ってきたら、そこをきっかけにアイスブレイクを展開します。

このときは、単に「YES or NO」または「Aです」と端的に答えられるようなクローズドクエスチョンではなく、相手に自由に意見を述べてもらえるような質問をします。このような質問をオープンクエスチョンと言います。

例えば以下のような流れです。

ピアノをお弾きになるんですね。

→(YES)

→実は私もピアノを小学校の時から習っていたんですけど、なかなか上達しなかったんですよね。○○さんはピアノをいつから始めたんですか?

→(意見)

相手がアイスブレイクの流れとして受け入れやすいように意識しましょう。

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効果的なアイスブレイク例

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評価の対象となる質問項目ではなく、あくまでも面接前のアイスブレイクと応募者にきちんと伝わるように気をつけましょう。奇をてらったような質問ではなく、オーソドックスな質問の方がリラックスして答えやすいものです。それを踏まえ、面接時によく使われるアイスブレイク例を紹介します。

①趣味や興味に関するアイスブレイク例

趣味や特技、興味に関するアイスブレイクは履歴書など応募書類の項目欄にも記載されていることが多く、入りやすい質問です。「いきなり面接が始まった」という印象にならないよう、自己開示と絡め、なぜその点に興味を持ったか伝えるとよいアイスブレイクになります。

例1
「履歴書拝見しました! 趣味が自転車とありますが、僕も最近始めたんです。スポーツタイプの自転車をお持ちですか?……最近走ってよかったコースやエリアはどこでしたか?すみません、面接本題の前に気になってしまって(笑)」

例2
「体を鍛えていらっしゃるんですか?……私もジムトレーニングに行こうか迷っているんですが、なかなかきっかけがなくて。〇〇さんはどんなトレーニングをされているんですか?」

②出身地に関するアイスブレイク例

アイスブレイクとして、話題にしやすいのは地域に関する話題です。名物や名所、これまでの思い出など話をしやすく、共通の話題が持てます。

ただし「本籍地・出生地」については、労働基準監督署により「採用選考時に配慮すべき事項外部リンク 」に含まれているため「本籍はどちらですか?」といった質問の仕方はNGです。

例1
「高校が〇〇県立××高校でいらっしゃるんですね。……実は、私の前の赴任先の市町村なので、懐かしいです。よく行かれたお店とかありますか?」

例2
「〇〇大学ご出身とのことですが、僕は52期生です。まだ食堂の名物は〇〇カレーですか?……ほかに何か新しい大学名物はありますか?」

③天気や移動手段に関するアイスブレイク例

天気や移動手段は相手や事前の情報収集の有無を問わず、気軽に話題にできるアイスブレイクの王道ネタです。

ただし「あのあたりはうるさくて住みにくいでしょう」など、居住地についてマイナスな表現をしたり「最寄りが〇〇駅なら、××線に乗った方が電車賃が安いからその方がいいですよ」などと踏み込みすぎたアドバイスをしたりするのは避けましょう

例1
「今日は暑いなか足をお運びいただきありがとうございました!汗はもうひきましたか?……私は暑がりなので、冷房を強くしがちなんです。寒かったらいつでも仰ってください。〇〇さんは今年の夏の暑さ対策、何かされていますか?」

例2
「弊社は駅からの道順がわかりにくいですが、迷ったりされませんでしたか?……素晴らしい方向感覚ですね!道に迷わないコツってありますか?」

④最近話題の時事ネタに関するアイスブレイク例

ニュースやスポーツなど、最近の「時事ネタ」も気軽な雑談のきっかけになります。相手の年代や性別などを問わないような話題を選ぶと良いでしょう。事件・事故・災害のような、面接の場での「雑談」として不適切な時事ネタは避けましょう

例1
「〇〇さんこんにちは!私は昨日の竜王戦に興奮して今日はすごくテンションが高いですが、〇〇さんは将棋ご覧になりますか?ウチの会社は、いろいろな趣味を持つメンバーがいます。〇〇さんが最近ハマっていることがあったら教えてください!」

例2
「面接開始まで少し時間がありますから、ちょっと雑談でもして緊張をほぐしておきましょう!先ほど『今年の10大ニュース』の発表があったのをご存じですか?……〇〇さんは、どんなニュースが入ると予想しますか?」

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面接におけるアイスブレイクNG例

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アイスブレイクは「雑談」ですが、何を聞いてもいいというわけではありません。最初の問いかけや話題のきっかけによっては、応募者の緊張をより高めてしまったり、会社への印象を悪くしてしまったりすることがあります。

基本的に次の2点のどちらかを超える話題はアイスブレイクの話題として適当ではありません。

  • 一般常識の範囲内であること(天気やニュースの話題)
  • 履歴書など事前に情報が伝わっていると本人が認識できる話題であること

アイスブレイクの話題として相応しくないNG事例を確認しましょう。

①他企業の選考状況を聞く

面接官側が知りたいと考えていることのひとつに、他企業での選考状況があります。面接直前に履歴書を確認したところ、素晴らしい経歴やスキルの持ち主で期待が高まると、つい面接官の気が逸ってしまうことがあるかもしれません。

そんな時にアイスブレイクにも関わらず、いきなり応募者の選考状況を話題に選んでしまうパターンが少なくありません。どのような意図で質問されているのか掴みづらく、アイスブレイクになりません。選考状況は面接の質問項目として扱いましょう。

NG例
「ようこそお越しくださいました!書類拝見しましたが、優秀でいらっしゃる!こんな方なら、実はもう内定を何社もお持ちなのではないですか?(褒めているつもり)」

②ハラスメントと受け取られかねないことを聞く

面接官が親しみを込めたつもりの言動でも、応募者が「ハラスメント」と感じるような話題はアイスブレイクとして不適切です。リラックスしているのは面接官だけ、という最悪な状況を引き起こしかねません。

ハラスメントはいわゆるセクハラに限りません。面接官は「強い立場」であることを意識して慎重に話題を選びましょう

NG例1
「大変お綺麗な方ですね!さぞあちらこちらからお声がかかったのではないですか?」

NG例2
「背が高いですが痩せていますね。ウチでは重い荷物を持つこともありますけど、大丈夫ですか?」

③合否に関係しそうなことを聞く

アイスブレイクは「面接前の雑談」であることがしっかり相手に伝わらないと意味がありません。

そのため、面接官はそのつもりがなくても応募者が「回答内容が合否に関係ありそうだ」と感じるような話題はアイスブレイクの役割にならず、単に面接がいきなり始まったような印象になるため注意が必要です。

NG例
「私どものようなニッチな商品をつくるメーカーに興味を持っていただき、ありがとうございます。ちなみに、何をきっかけに私どもを知っていただいたのでしょうか?」

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面接でのアイスブレイクで注意したいこと

上記のNG例のほかにも、面接時のアイスブレイクで注意したいポイントがあります。アイスブレイクに限らず、面接全体に関わる注意事項でもあるため、アイスブレイクが終わっても気を抜かずに最後まで意識すべき内容です。

面接で聞いてはいけないことでアイスブレイクしない

厚生労働省では、公正な採用選考のための指針として「適正や能力に関係がない事項を応募用紙に記載させたり、面接で尋ねることは就職差別につながるもの」として行わないよう企業に配慮を求めています。

アイスブレイクでも、上記に該当する項目について話題にするべきではありません。特に注意が必要な項目についてNG例とともに紹介します。

項目 NG例
本籍・出生地 「出身地も現住所と同じなんですか?」
家族の職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など 「中学から大学まで一貫校のご出身なんですね。ご家族もこちらのご出身ですか?」
間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など住宅状況に関すること 「今は賃貸にお住まいですか?」
生活環境・家庭環境などに関すること 「お住まいのエリア、夜はうるさいでしょう?」
宗教に関すること 「最近、宗教に絡んだニュースが多いですね。ところで何か信仰されている宗教などありますか?」
支持政党に関すること 「今朝内閣支持率が下がったという報道がありましたが、支持政党はどちらですか?」
人生観、生活信条、尊敬する人物、思想に関すること 「大谷選手は素晴らしいですよね。子どもの頃から素晴らしい信条を持っていたそうですが、〇〇さんは何か子どもの頃から持っている信条や人生観などありますか?」
労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること 「大学時代に力をいれたことに政治サークルに所属されていたんですね。今も何か政治活動をされているんですか?」
購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること 「朝読まれた新聞というのは、何新聞ですか?」
合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施 「最近健康が気になります。〇〇さん、健康診断は定期的に受けていますか?何か問題があったりしましたか?」

参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」外部リンク

オンライン面接での配慮

近年はオンライン面接を取り入れるケースが増えています。オンライン面接時も、アイスブレイクは有効です。

ビデオ会議システムそのものに不慣れな応募者である可能性もあるため、まずは以下の項目について確認しましょう。

  • 音声と画像の確認
  • 万が一、途中で通信エラーが起こった場合の対処方法と連絡先のお知らせ

この2点についてやり取りをするだけでも、アイスブレイクになります

それと同時に、面接官側の画面もチェックし、きちんと表情が伝わる明るい画面になっているか、表情が固くないかなど、自分自身の映り方についても毎回チェックしましょう。

なお、オンライン面接でのアイスブレイクの注意点として「相手画面に映る室内空間について言及しない」ことが挙げられます。

NG例1
「今ご自宅ですか?それなら、背景をOFFにして室内が映るようにしてください」

NG例2
「インテリア、女性らしくて素敵ですね」

これらの話題は面接で尋ねてはいけないこと、またはハラスメントに該当する恐れがあります。

面接官のための実践ガイド

面接官として知っておくべきこと、注意点をわかりやすく1冊にまとめた資料です。
下記のような方におすすめです。

「初めて面接官をするので、基礎知識を知りたい」
「面接の担当者にマニュアルを渡したい」
「面接の一連の流れを知りたい」

RPO

まとめ:自社の雰囲気にあったアイスブレイクを考えよう

初対面の人同士が参加する場でお互いの緊張を解きほぐし、場を円滑にするアイスブレイクを面接に役立てるためには、面接官の自己開示や事前準備が必要です。

お互いのコミュニケーションを円滑にし、自社に良い印象を持ってもらうためにも、面接でのアイスブレイクに相応しい話題を選び、不適切な言動にならないよう配慮しましょう。

実際の面接シーンで自社にあったアイスブレイクの流れを知りたいなどの場合は、面接代行サービスを利用するなど、プロの面接官のアイスブレイクを参考にしてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社 RPO事業部

マンパワーグループ株式会社 RPO事業部

マンパワーグループの採用代行・コンサルティングサービスを専門にしている事業部。新卒採用・中途採用・パートアルバイト採用の事務代行やダイレクトリクルーティング、採用戦略、計画などのコンサルティングなど実績多数。リピート率90%を誇る高い品質でサービスを提供。

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