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人事担当者が知っておきたい2022年の法改正

掲載日2022年6月21日

最終更新日2022年7月28日

目次

    2022年に改正、施行される法律の中で、人事担当者が知っておきたい法律を7つピックアップし、簡単に解説します。

    育児・介護休業法

    施行日:2022年4月1日と10月1日

    ポイント:男性の育児休暇取得を促進するための改正

    企業の育休における雇用環境整備などが義務化(4/1施行)

    今回の改正では、男女ともに育児と仕事両立ができるよう育児休業を取りやすい環境を整備すること、妊娠・出産申出をした労働者に対する個別対応が義務付けられました。

    育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

    以下の4つの措置(または複数)を講ずるのが望ましいとされています。

    1. 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
    2. 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)
    3. 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
    4. 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

    妊娠・出産申出をした社員への個別対応(10/1施行)

    社員または配偶者が妊娠・出産を申し出た場合、育児休業制度に関する周知と休業取得の意向確認を行う必要があります。

    ■周知事項

    • 育児休業- 産後パパ育休に関する制度
    • 育児休業- 産後パパ育休の申し出先
    • 育児休業給付に関すること
    • 労働者が育児休業- 産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

    ■周知・意向確認の方法

    以下のいずれかの方法で行います。ただし、取得を控えさせるような周知・意向確認は認められていません。

    1. 面談(オンライン可)
    2. 書面交付
    3. FAX
    4. 電子メール等

    ※3と4は本人が望んだ場合に限りOK

    参照:厚生労働省 育児・介護休業法 改正ポイントのご案内

    有期雇用労働者の取得要件緩和(4/1施行)

    これまで、有期雇用労働者の育児休業と介護休業の取得要件は、「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」でしたが、今回この要件が廃止されました。

    「事業主に引き続き雇用された期間が1年未満」である労働者については、労使協定を締結した場合において対象から除外することは可能としています。

    出生時育児休業(産後パパ育休)の創設(10/1施行)

    今回の改正の注目施策です。子どもが生まれた後、8週間以内に、最大4週間まで休業を取得できる制度です。(育児休業とは別として取得できる)

    また、労働者の意に反しないよう労使協定を締結している限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整したうえで休業中に就業することを可能としています。

    育児休業の分割取得が可能に(10/1施行)

    これまでの育児休業は、子供一人当たり1回まででした(特別な事情を除き)。この改正により、育児休業を2回まで分割することができます。

    育児休業の取得状況の公表義務化(2023/4/1施行)

    常時雇用の労働者数が1000人を超える大企業には、男性労働者の育児休業取得を含む「育児休業など」の取得状況を、毎年1回公表することが義務づけられます。

    参照:
    厚生労働省 令和3年改正育児・介護休業法に関する Q&A  (令和3年 11 月 30 時点)※PDF
    育児・介護休業法について(厚生労働省)

    女性活躍推進法

    施行日:2022年4月1日

    ポイント:法律が適用される企業の従業員数が引き下げへ

    義務・努力義務の対象となる企業の従業員数が変更へ

    女性活躍推進法では、「行動計画の策定・届出」と「女性活躍状況の情報公表」が義務付けられています。適用される企業規模が下記のとおり変更されました。                                                      

    2022年3月31日まで2022年4月1日から
    義務 301人以上の企業 101人以上の企業
    努力義務 300人以下の企業 100人以下の企業

    おさらい 女性活躍推進法で義務付けられていること

    常時雇用する労働者が101名以上の場合、下記の取り組みを実施することが求められます。常時雇用とは雇用期間に定めがない正社員等だけではありません。雇用契約が1年以上のパート・アルバイト、契約社員も含まれます。

    1. 自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析
    2. その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表
    3. 自社の女性の活躍に関する情報の公表

    女性管理職を増やすために

    マンパワーグループでは、女性管理職の増加をサポートするサービスを提供しています。 本資料では、女性管理職増加の過程における課題とその解決策について、サービス提供事例を用いて解説します。
    cover_beginner03.png

    参照:
    厚生労働省 女性活躍推進法特集ページ
    厚生労働省 令和4年4月1日から女性活躍推進法に基づく行動計画の策定・届出、情報公表が101人以上300人以下の中小企業にも義務化されます(PDF)

    パワハラ防止法

    施行日:2022年4月1日

    ポイント:パワハラ防止法の適用拡大。中小企業も対象に

    中小企業にも適用拡大

    2020年に「改正 労働施策総合推進法」が施行され、パワハラの防止策を講じることが大企業において義務化されました。努力義務のであった中小企業も2022年4月からは、義務化されています。

    おさらい 企業が講ずべき処置

    パワハラ防止法では、以下ついて対策を講じる必要があると定められています。

    事業主の方針等の明確化および周知・啓発

    1. パワハラとはどんな行為か、パワハラを行ってはいけないことを明確化し、従業員に周知
    2. パワハラをした者に対しての対処を就業規則等に盛り込み、従業員へ周知

    相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

    相談窓口と担当者を設置し、相談内容に適切に対応できる体制を整える。また、そのことを従業員に周知する

    職場におけるパワハラに関する事後の迅速かつ適切な対応

    パワハラの相談があった場合、事実確認を行い被害者に配慮した対処を実施。行為者に対しても措置を講じること。また、再発防止に向けた施策も実施。

    その他

    • 相談者、行為者のプライバシー保護のための策も講じること
    • 相談することが不利益にならないことも定めておき、従業員に周知する

    参照:厚生労働省 中小企業のみなさま(PDF)

    外為法のみなし輸出管理の明確化

    施行日:2022年5月1日

    ポイント:高度外国人材の受け入れ促進と技術流出の防止

    外為法における規制・管理

    外為法では、軍事転用可能な機微技術の流出防止として、下記の2つを管理しています。

    1. 国境を超える技術管理(ボーダー管理)
    2. 国内外における居住者から⾮居住者に対する提供(「みなし輸出」管理)

    low2022-1.png

    今回は、②の「みなし輸出」における対象者の明確化へ

    規制対象外である「居住者」であっても、外国からの影響を強く受ける立場である場合、技術を提供する際に許可が必要となりました。

    low2022-2.png

    外国の「影響下」にある居住者(特定類型)とは

    従業員が下記に該当しないかどうかを確認する必要があります。該当する場合、技術提供するに場合、外為法第25条第1項に基づき、経産省に対して事前の許可が必要です。

    類型① 契約に基づき、外国政府・大学等の支配下にある者

    具体例:外国企業(外資系企業ではない)と兼業して日本企業に就業する者

    類型② 経済的利益に基づき、外国政府等の実質的支配下にある者

    具体例:外国政府から資金提供を受けて就業する者(外国人に限らない)

    類型③ 上記の他、国内に居て外国政府等の指示の下で行動する者

    具体例:日本における行動に関し外国政府等の指示や依頼を受けている者

    参照:経済産業省 安全保障貿易管理

    公益通報者保護法

    施行日:2022年6月1日

    ポイント:企業の不祥事に対する早期の是正および被害拡散の防止

    改正の概要

    近年、社会問題化する事業者の不祥事が相次いでいることから、早期是正により被害の防止を図るべく公益通報者保護法が改正されました。保護対象を拡大するともに、事業者に内部通報の整備義務を課し、行政による履行確保制度を設けるなど、公益通報者の保護の拡充がはかられています。これにより、外部人材である派遣社員も適用範囲になります。

    社内における通報体制の構築

    内部通報体制の整備の義務付け(従業員300人以下は努力義務)

    内部の公益通報に適切に対応し、通報者を保護するための体制整備が義務付けられました。通報を受ける担当者や適切な調査、是正を行う担当者を指定する必要があります。

    実効性確保のための行政措置(助言・指導、勧告、公表等)の導入

    内部通報体制が実効力を発揮するべく、体制の不備や従事者の指定が十分でない場合、指導や是正勧告、勧告に従わなかった場合の社名公表など行政措置が行われます。

    内部通報者に関する守秘義務(義務違反者に対する刑事罰を導入)

    通報者に対する守秘義務を破った場合、従事者個人に対して刑事罰が科せられます。企業ではなく、内部通報に対応する従事者個人が対象になることがポイントです。

    通報者の拡大

    現行法では、通報者の対象は「労働者」となっています。改正後は、1年以内に退職したもの、役員も対象となります。

    また労働者とは、労働基準法第9条に規定する労働者のことをいい、正社員のみならず派遣労働者、請負労働者、パートタイマーなどの非正規雇用労働者も含まれます。そのため、この退職者の中には、1年以内に就業していた派遣社員やパート・アルバイトなども含まれることになります。

    参照:消費者庁 公益通報者保護法と制度の概要

    女性活躍推進法に関する省令

    施行日:2022年7月中を予定

    ポイント:男女間の賃金格差の開示が義務に

    対象となる企業は男女間の賃金格差を開示へ

    従業員301名以上を常時雇用する事業主は、男性の賃金に対する女性の賃金の割合について、ホームページなどでの公表することが義務になります。101名以上300名以下の企業についても、施策実行に伴う企業負担を鑑み、対象とするか検討する方針です。

    日本は先進国の中でも、賃金の男女格差が大きく、女性役員の登用率も高くありません。情報開示の義務化により、格差の是正や意識改革を促したい狙いがあります。求職者にとっても企業を判断するひとつの指標となり得るため、企業としても取り組みが求められます。

    参照:厚生労働省:男女間の賃金格差解消のためのガイドライン(PDF)

    社会保険適用拡大

    施行日:2022年10月1日

    ポイント:社会保険の適用範囲が拡大

    要件を満たすパート・アルバイト社員が社会保険適用の対象に

    年金制度に関する大規模な法改正が行われ、大きな変更点のひとつが、社会保険の対象範囲が広がることです。これまで社員数500人超の大企業に適用されていたものが、中小企業へも段階的に適用されます。これにより、要件を満たすパート・アルバイト社員が社会保険適用の対象となります。

    社会保険適用の対象は、次の要件をすべて満たすパート・アルバイト社員です。

    • 1週間あたりの所定労働時間が20時間以上である
    • 月額で支払われる給与額が88,000円以上である
    • 2か月超の期間を雇用する見込みのある者である
    • 学生ではない者である

    対象となる企業規模は、500名以上から101名以上へ

    従業員501人以上の企業は、2016年の法改正によりすでにこのルールが適用されています。2022年10月から適用になるのは、従業員101名以上の企業で、2024年10月以降には、従業員51名以上の企業へも適用が広がります。従業員50名以下の企業は、適用対象外です。

    参照:厚生労働省 年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました

    高年齢者雇用安定法 (2021年4月施行)

    施行日:2021年4月1日

    ポイント:70歳まで定年引上げ等の就業機会確保

    2021年に努力義務で施行されましたが、高年齢雇用安定法は、努力義務が義務になる、という流れを繰り返しています。早めに対策をしておきたいところです。

    65歳から70歳までの就業機会確保の努力義務

    これまで企業は65歳まで雇用を確保する措置が求められていたこと加え、今回の法改正により70歳までの者の就業機会を確保する措置を講ずる努力をするよう求められました。ポイントは、65-70歳までは雇用確保ではなく「就業機会の確保」になっていることです。これにより、業務委託契約や雇用主が実施する社会貢献事業(有償ボランティアなど)にまで就業機会を拡大し、より柔軟に対応が可能になっています。

    70歳までの就業機会の確保(努力義務)の措置

    ※下記のいずれかを講ずること

    1. 70歳まで定年年齢を引き上げる
    2. 定年制そのものを廃止する
    3. 70歳までの継続雇用措置を導入する
    4. 70歳まで継続して業務委託契約を締結する制度を導入する
    5. 70歳まで継続して社会貢献事業等に従事できる制度を導入する

    「継続雇用制度」は2025年3月に経過措置が終了へ

    「継続雇用制度」とは、定年後も本人が継続して働くことを希望した場合、引き続き雇用される「再雇用制度」のことです。この制度には現在、経過措置があり対象者を限定することができます。

    この経過措置が終了することにより、2025年4月より希望者全員を65歳まで雇用する義務が発生します。

    参照:
    厚生労働省:高年齢者の雇用
    厚生労働省:改正高年齢者雇用安定法が令和3年4月から施行されました(PDF)

    まとめ

    人事業務に携わる場合、業務と法律は密接です。毎年のようにある法律の改正・施行があり、内容によっては、体制の大きな変更や他部署を巻き込んだ対策が必要となります。対応漏れが起きないよう、しっかりとキャッチアップしていきましょう。

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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