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失敗しないネガティブフィードバックとは?伝え方で部下は変わる

掲載日2024年1月30日

最終更新日2024年4月26日

失敗しないネガティブフィードバックとは?伝え方で部下は変わる

目次

ネガティブフィードバックがうまくいく実践法 3ステップ

ネガティブフィードバックは、スキルとして身に付けられるものです。ポイントを押さえれば、ただの指導から部下のパフォーマンスが上がる伝え方に変えられます。

ネガティブフィードバックについて解説した資料をご用意しています。

「現場のパフォーマンスを高めるネガティブフィードバックとは?」をダウンロードする >>

部下へのネガティブフィードバックは、教育・指導の上でとても重要です。使い方を間違えるとモチベーション低下やハラスメントと受け取られるリスクはありますが、良いネガティブフィードバックで得られる効果は非常に高くなります。

部下を指導することを恐れる管理職も増えていますが、ネガティブネガティブフィードバックはポイントやコツをおさえておけば難しくはありません。今回のコラムでは、ネガティブフィードバックについて解説します。

2つのフィードバックとその目的

フィードバックとは、相手に現状と目指す姿のギャップを伝え、目指す姿に近づけるための改善点や改善方法を伝えることを指します。フィードバックには、「ポジティブフィードバック」「ネガティブフィードバック」があります。

ポジティブフィードバック

ポジティブフィードバックとは、個人やチームの良い行動、成果、または努力を認識し、肯定するコミュニケーションの形式です。

ポジティブフィードバックの一例

プロジェクトの成功 チームが目標を達成したり、重要なマイルストーンをクリアした後、メンバーの貢献を認め、感謝の意を示す
定期的な1対1の面談 成長や進歩、特に改善が見られた領域に対して肯定的なフィードバックを行う
チームミーティング中 チーム全体の前で、特定のメンバーの貢献や成果を称賛し、他のチームメンバーにもその成果を共有する
成果が出た時 期待以上の成果を出した時、すぐに認識し、その努力と成果を評価する
個人の専門性やスキルが役立った時 専門知識や特定のスキルを効果的に活用した場合、その能力を認め、その重要性を強調する
新しいアイデアや提案があった時 新しいアイデアや改善提案を行った時、その創造性やイニシアティブを評価する。
困難な状況の克服時 困難な状況や挑戦に直面し、それを乗り越えた時、その頑張りや解決力を評価する

ネガティブフィードバック

良くなかった点を伝え、改善する方向でフィードバックすることを指します。ポジティブフィードバックに比べ、ネガティブフィードバックは相手にとって痛いところをつくため難易度は高いと感じられるコミュニケーション法です。

ネガティブフィードバックの一例

目標達成に至らなかった 設定された目標や期待された成果を達成できなかった時、その理由と改善点を指摘
誤りや失敗が発生した 仕事上の誤りや失敗をした場合、それを指摘し、再発防止のための学習や行動変更を促す
期限の遅延 プロジェクトやタスクの期限を守れなかった場合、その影響と責任を指摘し、時間管理や優先順位付けの改善を求める
チーム内のコミュニケーション問題 チーム内でコミュニケーションの問題を起こした時、その影響を説明し、より良いコミュニケーション方法を提案する
職務の遂行における問題 特定の職務や責任を適切に果たしていない場合、その問題点を指摘し、期待されるパフォーマンスの基準を再確認する
勤務態度の問題 度重なる遅刻やハラスメントのような、職場での不適切な行動や態度があった時、その問題を指摘し、職場の倫理や規範に準拠することを求める
チームへの貢献不足 部下がチームへの貢献が不十分であると判断された場合、その影響を説明し、チームワークや協力の重要性を強調する

良いネガティブフィードバックで得られる効果

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正しいネガティブフィードバックを通した改善により、生産性の向上や目標達成などパフォーマンスを上げる効果はもちろんのこと、チーム力やエンゲージメントを高めるといった人間関係の強化まで、大きな効果に繋げられます。

問題を受け入れ、行動変容に繋げられる

ネガティブフィードバックでは、成果向上や目標達成に向けて足りないことや改善点を適切に指摘します。部下は現状できていることと、できていないことや目標とのギャップを客観的に正しく受け入れざるを得なくなります。

目標達成や改善に向けた軌道修正がしやすくなるため、PDCAが早く回るようになり目標達成に繋がります。

部下のパフォーマンスが向上する、成長する

ネガティブフィードバックには2つの側面があります。一つは、部下が苦手なことやできていないことなどのマイナス面をゼロ(=普通レベル)まで押し上げるものです。

もう一つは、部下の成長を促すために、うまくいっていることでも、あえてフィードバックを行うことです。これを行うことで、現状維持の壁を越えさせることができます。

ポジティブフィードバックは、今の延長線上で持ち味やスキルを伸ばす手助けになりますが、その成長スピードを越えた気づきと行動変革を促せるのは、ネガティブフィードバックが持つ大きな効果と言えるでしょう。

深い信頼関係につながる

ネガティブフィードバックは、どんな伝え方をしても、相手にとって耳が痛い事であることに違いありません。また、上司と部下の間に強い信頼関係がないと成立しません。

たとえ上司が部下に「信頼している」「私は部下のあなたを守る」と想いを伝えたり「スゴイね!」と褒めたりするだけでは信頼関係は深くなりません。

「この人の言うことを聞くと確実に成果や成長に繋がる」という指示の具体性、確実性があって初めて部下の心に響き、指示によって成果が生まれる確実な再現性の積み重ねを得てこそ信頼関係が強く深くなります。

部下の改善点をピンポイントで指摘し、正しく導くネガティブフィードバックを効果的に行うことで、信頼関係を強固にしていくことができるのです。

間違ったネガティブフィードバックで起こるリスク

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ネガティブフィードバックが機能すれば高い効果を生む反面、間違った方法で行うと、大きなマイナスインパクトを与え兼ねません。間違ったネガティブフィードバックを行うとどんなマイナスインパクトがあるのか解説します。

モチベーションの低下や退職のリスクがある

ネガティブフィードバックを受けると、少なからず誰しもモチベーションが下がります。間違ったネガティブフィードバックを行うと、部下の自尊心も仕事に対するモチベーションも著しく傷つき、パフォーマンスがフィードバック前より落ちることもあります。

その結果、会社や職場が楽しくやりがいがある場所ではなくなり、退職に繋がるリスクもあります。

「敵」と受け取られてしまう

人は、自分に対しネガティブなことを言う人は「敵」、ポジティブなことや自身の成長に繋がることを教えてくれる人を「味方」と判断する傾向があります。

間違ったネガティブフィードバックを受けることで、仕事に対するモチベーションが下がるだけでなく、相手を「敵」とみなし、会社や上司に対する信頼関係が失墜するリスクがあります。

信頼関係を築き上げるのは大変ですが、壊れるのは一瞬です。信頼を失うと、職場や上司に対して常に反発や対抗心を持ちピリピリした職場になったり、チームを巻き込み退職者が続出するなどのリスクが高まるため注意が必要です。

チーム、組織の雰囲気が悪くなる

間違ったネガティブフィードバックにより、モチベーションが下がり上司の信頼が失墜することで、チームとしても機能しなくなります。

上司の言うことを部下が適当に聞き流すようになったり、モチベーションが低い状態が続くことでパフォーマンスも落ち、部下の成長も停滞。チームワークも弱くなり、仕事の連携ミスも多発するギスギスした職場になります。

今は二人に一人が転職する時代です。特に若い世代は退職することに対して抵抗が低いため、一人退職者が出ると、さらに職場の雰囲気が悪くなり退職連鎖が起きたり、社員がまとめてライバル会社に移るような事態が起こることもあり得ます。

ポイント6つ|良いネガティブフィードバックにするには

単に問題点を指摘するだけではない、建設的なフィードバックを提供し成長を促進させてくれる、ネガティブフィードバックを効果的に行うことが得意な人は、実は多くはありません。

特に、「NOと言えない日本人」と言われるように、日本人にはネガティブな事を面と向かってハッキリと言うことが苦手な人が多いとされています。

フィードバックの伝え手側の特性だけでなく、年下にネガティブな事を言われることが苦手な中高年、ネガティブなことをすぐミュートしてしまう若手世代など、受け手側が抱える特性もあります。

ここからは、良いネガティブフィードバックのコツを解説します。

それぞれ解説します。

ネガティブフィードバック=批判ではないと理解する

ネガティブフィードバックは、「パワハラと思われるのではないか」「自分が嫌われてしまうのではないか」と悩む管理職も少なくありません。ネガティブフィーバックは批判ではなく、相手をより良くするために行うものです。

部下の成長を促すため、部下ができていないと自覚していることに対し、こうすればうまくいくというコツや手本を示したり、現在のアプローチよりも高い視点や視座で物事を判断するポイントや具体的な行動を教えることが重要です。ネガティブフィードバックは、部下の成長やパフォーマンスを向上させるものであると理解しましょう。

人格そのものを否定しない

ネガティブフィードバックでは人格そのものを否定しないことです。指摘するのは、フィードバックを通して「変わるところです。「変われるところ」=「問題のある行動」にフォーカスしてフィードバックしましょう。

効果が出る行動を実際に行うことで結果に繋がり、「やれる感」「できる感」が強くなり、今までの思考や行動の癖を捨てる勇気が生まれます。それにより、パフォーマンスが上がり、自信が生まれます。その上、効果的な行動に修正してくれた上司はありがたい存在に変わり、信頼関係も強くなり、以降の指導もきちんと受け入れてくれるようになります。

客観的かつ具体的に伝える

ネガティブフィードバックで指摘されたことを、部下が自ら修正し、指導した方法で成果やパフォーマンスを再現できるようするには、客観的な事実に基づいて伝えることが重要です。

そのためには、上司と部下の目線や理解を同じにすることが必要です。例えば、「今月末には〇〇してください」などのように抽象的な言葉では、解釈にズレが生じます。このような場合、28日か31日か解釈の幅が出来てしまい、やるべきタイミングを逃してしまう可能性があります。

また、受け手の部下としても「月末などとざっくりした表現ではなく、28日なら28日と言ってくれればいいのに」と上司の指示の仕方に対する不信感を抱きます。

期限や行動を「28日に〇〇してください」と具体的に指示すれば、上司と部下の間で認識にズレが生じません。客観的な事実に基づいたコミュニケーションで、部下は上司の期待に沿った行動ができますコツは「形容詞」ではなく「数字」と「名詞」で伝えることです。

部下の主観に沿って伝える

ネガティブフィードバックは、客観的かつ論理的であっても正しく伝わるとは限りません。

主観は人それぞれ違います。上司と部下の主観がかみ合わないと、たとえ部下が理解を示していたとしても、違う基準で判断し行動をとることになります。

それにより「わかったと言っていたのにわかっていない」「言った通りにやったのに違うと言われた」などのスレ違いが起こり、成果もでない上に不信感だけが積み重なることになります。

コツは、部下の主観に沿って、上司が伝えることの順番を入れ替えて伝えることです。

主観は「優先度」「判断基準」で構成されます。部下が何を大事に思い、優先順を考えているか、どんな判断基準でそれを判断しているかを知ることです。

同じ事を伝える場合でも、上司が自分の主観で話すのではなく、部下に「何を優先度高く考えているか?」「どんな基準でそれを判断しているか?」を確認しながら伝えることで、正しく部下に伝わるようになり、「言った/言わなかった」などのスレ違いはなくなります。

タイミングや場を大切にする

ネガティブフィードバックは、「あれ?」と思ったその場で伝えることが重要です。しばらくたってからの指摘では、リカバリーが難しくなるため、問題行動があったらその場で伝えるか、なるべく早いタイミングで伝えることを心がけましょう

また、フィードバックする場所を選ぶことも重要です。大勢の前でネガティブフィードバックをすると、受けた本人は必要以上に傷つきます。ネガティブフィードバックは、相手が素直に受け入れてくれなければ、論理的でどんなに正しくても機能しません。素直に受け入れてくれるよう、伝える場所を選ぶように配慮しましょう。

追い詰めない

ネガティブフィードバックは、相手の行動を正しく導くものです。決して精神的に追い込んではいけません。当事者意識をより引き出そうとプレッシャーをかけるよりも建設的なアプローチが重要です。

プレッシャーをかけ続けると、思考力が止まり問題行動を繰り返す、メンタル不調に陥るリスクも発生します。

プレッシャーやストレス耐性は個人差があり、上司からのプレッシャーは回を重ねるごとに強度が増すものです。「ここまでプレッシャーをかけても大丈夫だろう」ではなく、プレッシャーはネガティブフィードバックを受ける時点で既に存在していると念頭に置き、注意深くフィードバックを伝えるようにしましょう。

追い詰めないための注意点

部下が期待どおりに動いてくれないと自尊心が傷ついたからといって、通常の会話さえトゲトゲしくなると、パワハラに感じとられ兼ねません。行動変革に繋がる点に絞って指摘することを心がけ、部下を追い込まないように注意しましょう。

  • 感情のままに伝えない
  • 正論で相手を言いくるめない。部下が自ら納得できるのが理想
  • 行動全部を否定しない
  • 一度にたくさんのことを指導しない。1~3つにおさめる

ネガティブフィードバックの身に付け方を解説

ネガティブフィードバックはスキルとして身に付けることができるものです。
本資料では、ネガティブフィードバックの実践法について解説しています。

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資料をダウンロードする >>

ネガティブフィードバックについては、解説動画も公開中です。ぜひ、ご覧ください。

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動画セミナー:「ネガティブフィードバック」を見る 外部リンク

【実践】「伝わる」ネガティブフィードバック手順

ネガティブフィードバックは、正しく伝わり部下が意図した「行動」をすることが目的です。これを達成するためには、伝え方に注意し、部下が自ら気づくことが重要です。

ここでは、ネガティブフィードバックの効果的な手順とコツについて説明します。

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ステップ①問題の事実と改善の道筋を伝える

ネガティブフィードバックの起点は問題点です。

何が問題なのか、双方の認識が合っていなければ、どんなフィードバックを行っても噛み合いません。まずは、問題点を事実に沿ってフィードバックし、認識を合わせることからスタートしましょう。

その上で、問題点から改善後までの道筋を伝えましょう。問題点がわかっても、どうすれば解決や改善するのか、その結果どうなることが理想なのか道筋が見えない限り部下は不安を感じます

不安があるまま進めると行動が遅くなったり、ミスが出るなど悪循環に陥ります。解決や改善に繋がる道筋が見えることで安心して進むことができるため、改善したあとの道筋まで丁寧に伝えることが肝心です。

ステップ②業務を正しく理解しているか確認する

部下が仕事の目的や業務を正しく理解してないことがあります。ちゃんと理解していなくても、もう一度聞くことを恐れたり指摘されることを嫌い、理解が不十分でも「わかりました」と言ってしまうことはよくあることです。

実は理解していないのに「わかった」と言ってしまったことで相談できず、ミスを繰り返し、その度にネガティブフィードバックが繰り返され、部下は自尊心を失い、上司と部下の信頼関係も崩れてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

部下が目的や業務、コツを正しく理解できているか確認することで、ネガティブフィードバックの回数を減らせるだけでなく、早い改善に繋げることができ、部下のモチベーションも向上します。

部下に業務の目的や仕組み、流れ、ポイント、コツなどを順番に語ってもらい、正しく理解しているか確認することを心がけましょう。

ステップ③問題点について自ら考えさせる

問題点を正しくつかむことは、課題解決の第一歩です。しかし、ネガティブフィードバックが必要になる状況では、部下がその問題点の本質を十分に理解できていないことが大半です。

事実に基づき、「本質的な問題点は何か」を部下が自ら考えることで、「答えるべき問い」を明確にできるように導きましょう。

ポイントは「課題解決に繋がる問題を重視する」ことです。ネガティブフィードバックを受けると、部下に少なからず心理的な抵抗が生まれ、課題解決に繋がらないものを問題として取り上げてしまうことがあります。

例えば、部下が遅刻を繰り返す場合、遅刻の理由を問題視しても解決にはつながりません。遅刻の理由をひとつずつ潰すのではなく、「どうすれば間に合うか?」といった根本的な問題に焦点をあてることで、解決するための手段が見つかります。

「何が問題か」を突き詰めるだけでなく、どうすれば解決するか? という視点を持ち、部下が自ら課題設定ができるように指導しましょう。

ステップ④問題点と改善点について自ら気づかせる

問題点や理想となるゴール、あるいは具体的なノウハウを教え、部下が問題なく業務を遂行できるようになったら、改めて問題点や改善点について自ら考えさせる時間を取りましょう。

目的やゴール、指示を単に暗記するだけでは応用が効かず、同じようなミスを繰り返す可能性があります。「自ら考え、解決できる」ようにすることで、問題を解決する力がつきます。

部下に事実に基づいて自ら考えさせ、課題設定と解決策を見出せるようスキルアップと成長を促すことが目的なので、ポイントとなる論点をもとに考えさせましょう。

以下は、デスクに書類を山積みにしている部下への指導例です。

  • What(何をするか)

デスクに置かれている山積みの書類を整理する

    • How(どうやればいいか)

    不要な書類は適切に捨て、優先度の見出しをつけたクリアファイルにファイリングしてから立てて保管する

    ここまでは指導の領域です。これに加え、何故そうする必要があるのか理由を考えさせることが重要です。

    • Why(理由

    書類を横積みしていると書類が探しにくい。見つけるのに時間がかかる、誤って他の書類に紛れ込み見逃してしまうなどの理由によるタスク漏れを防ぐため。

    何故?と理由を問うことで、部下は問題への改善点を自ら考える習慣がつき、他の業務に対しても応用が効くようになります。「指示を覚えること」から「指示をもとに考えること」への変化は、単なる実行者からの大きな進歩です。

    なぜその指示が必要かを正しく理解できれば、部下は自律的に考え、新たな状況にも応用できるスキルが身に付きます。

    ステップ⑤答え合わせをする

    上司と部下の認識が正しいか答え合わせをすることも重要です。問題点や論点、コツや注意点などを順番に部下自らに語ってもらい確認しましょう。

    また、課題解決のプロセスにおいて、上司の介入が必要なケースやタイミングについても確認しておきましょう。部下にどこまで任せ、どのような状況になったら上司が確認・サポート・介入する必要があるのかを事前に決めておくことです。

    任されることで部下は自分の自尊心も保て、いざという時は上司が助けてくれる安心感が生まれるため、前向きに改善に着手できるようになります。

    【ダウンロード資料】現場のパフォーマンスを高めるネガティブフィードバックとは? >>

    【例文あり】ネガティブフィードバック具体例

    ネガティブフィードバックの具体例を3つほど紹介します。自身のフィードバックと照らし合わせ、どのようにネガティブフィードバックをすべきか確認しましょう。

    具体例①客観的な事実ではなく、抽象的なフィードバック

    NG例:「このプレゼン資料、全体的に悪くないけどピンとこないので、もう一度考えなおしてくれるかな」

    OK例:「このプレゼン資料、事実の分析から入っているけど、常務の興味関心は結論にあるから、結論を先に示してから、なぜその結論に至ったのかの論点や分析結果の順番で説明するいいよ。」

    相手の考えている優先度と判断基準に沿ってストーリーを作ると、もっと伝わりやすくなるから。

    となると、次は専務の承認だけど、この常務向けのプレゼンのストーリーを専務向けに組みなおすと、どんな順番になるかな?」

    具体例②感情的なフィードバック

    NG例:「何回言っても、あなたは同じ間違いをするよね。なぜ、いつも同じ間違えをするのか理由を説明して。」

    OK例:「ほぼ大丈夫だけど、ここだけ間違えちゃうことが多いよね。何故間違えるのか、理由と改善策を見つける必要がありそうだね。一緒に考えてみよう。」

    具体例③時間がたってから指摘する

    NG例:「ここ間違えているね。これ、言わなかったけど、半年前も3か月前も同じミスをしたよね。言われなくてもわかると思っていたんだけど、残念だな。なんで同じミスを繰り返すのかな?」

    OK例:「ここを間違えているのを、次から同じミスを出さないようにするには、どうしたらいいか、改善策を考えてみてね。任せるけど必要なら一緒に考えるよ。」

    【お役立ち資料】現場のパフォーマンスを高めるネガティブフィードバック

    改善を促すための指導法について悩む管理職は多いものです。「フィードバックを伝えるスキル」が重要です。
    こちらの資料で「正しく伝える"技術"」について解説しています。

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    まとめ

    たとえそれが「愛あるダメ出し」であっても、単なる欠点や弱点の指摘だけではパワハラとみなされかねません。

    ネガティブフィードバックは、ポイントやコツをきちんとおさえることで、部下のパフォーマンスの改善や成長促進につながります。

    また、良いネガティブフィードバックは、部下からの信頼をより強固にしてくれます。本記事を参考に、ネガティブフィードバックを部下や後進の指導に役立ててみてください。

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    マンパワーグループ株式会社

    世界70カ国・地域にオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。

    リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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