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【人材派遣】派遣料金の構造とは 相場のつくられ方

掲載日2022年7月 5日

最終更新日2022年12月 1日

目次

    人材派遣サービス利用の検討時に最も気になるのは派遣料金ではないでしょうか。人材派遣サービスにかかる費用は、月により変動することが多く、予算組みを行う上では変動する要因も押さえておきたいところです。

    本コラムでは、派遣料金の構造と相場のつくられ方、変動要因などについて解説します。

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    派遣料金の料金体系

    派遣料金の月額費用算出には主に2つのタイプがあります。時給単価で計算する場合と月額固定での請求があります。

    時給での請求

    もっとも一般的な料金体系は、時給単価による費用算出です。ほとんどの人材派遣サービスがこのタイプです。1時間あたりの請求額に実際に勤務した時間をかけて費用を算出します。

    例:

    時給2,200円×160時間(8時間×20日間)=¥ 352,000

    派遣社員の稼働時間分が請求額に影響するため、繁忙期は稼働時間が増えたり、年末年始などの休暇が多い時期は稼働時間が減る、など変動が比較的大きい傾向があります。

    また、時給単価の場合、以下の点も押さえておきましょう。

    残業や休日出勤の場合、割増請求がある

    人材派遣の料金は、派遣社員への支払いと連動しているため、残業や休日出勤が発生した場合、割り増し請求が発生します。

    1日8時間または週40時間を超える時間外労働・・25%増し

    法定休日労働・・35%増し

    1か月60時間を超える時間外労働・・50%増し

    有給取得した場合は、費用は発生しない

    派遣社員が有給休暇を取得する場合は、費用の発生はありません。有給休暇分の費用は人材派遣会社が負担します。

    派遣先都合で休みを取らせる場合は、費用が発生する

    派遣先の都合で急遽、派遣社員に休みを取らせる場合は費用が発生します。会社カレンダーなど、休みなどがあらかじめわかっている場合は、依頼する際に人材派遣会社へ共有し、休み(就業日ではない)である旨伝えましょう。

    月額固定での請求

    あまり一般的ではありませんが、派遣料金を月額で契約するケースもあります。営業日数や派遣社員の勤務時間に関わらず請求が固定されているため、予算計上しやすい特徴があります。ただし、この方式を人材派遣会社が求めてきた場合、固定額には何が含まれているのか、別途請求されるものはないのか、最低稼働してほしい時間などを細かく確認する必要があります。

    派遣料金以外で発生する費用

    人材派遣サービスの利用は初期費用があまりかかりません。人材募集のための採用広告費も人材派遣会社が負担します。派遣先の負担は、派遣社員が使うパソコンや携帯電話など業務に必要なものに限られます。

    ただ、以下については費用が発生することもあります。

    営業交通費・出張等の旅費など

    営業交通費とは、業務の都合で勤務場所と違う場所へ行ってもらった際にかかる交通費です。出張旅費なども同様に、実費を支払う必要があります。

    通信費やガソリン代など

    在宅勤務が条件で自宅のWi-Fiなど個人のインターネット環境を利用する場合、通信費を請求されることもあります。また、車を利用する業務でガソリン代を派遣社員が立て替えている場合なども費用がかかることがあります。事前に人材派遣会社に確認を入れるようにしましょう。

    手当

    派遣先の独自の施策として手当が発生することもあります。業務に対して資格取得手当や出張手当などです。必ず発生するわけではありません。

    インセンティブ

    営業系の職種等においては、インセンティブを支給する企業もあります。こちらも派遣先の独自の施策で、業績UPや優秀な人材の紹介、モチベーション向上などを目的に支給しています。必ず必要というわけではありません。

    消費税

    人材派遣会社から提示される時給額や月額は、税抜きであることがあるため、税込みかどうか確認をしておきましょう。

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    派遣料金の構成

    下記は、日本人材派遣協会が発表した派遣料金の内訳です。人材派遣会社や有期雇用か無期雇用かによっても異なりますが、おおよそ下記のような構成になっています。それぞれがどのように相場に影響するかを解説します。

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    参照:一般社団法人 日本人材派遣協会

    派遣社員の給与

    一番大きな割合を占めるのは、派遣社員への給与です。派遣社員の給与は、相場に大きく影響します。専門知識や資格、語学力のある人材は、マーケットに少ないため、給与は高い傾向になります。また、求職市場と似たようなトレンドになります。

    派遣社員の給与を除いた部分がマージンと呼ばれ、マージン率は派遣法により公表する義務が人材派遣会社にはあります。

    この「マージン」は、全てが人材派遣会社の利益という訳ではありません。後述しますが、派遣社員の福利厚生などに使われています。そのため、マージン率が低ければいいかというと、そういうわけではありません。

    福利厚生やサポート体制が充実している人材派遣会社では、マージン率は高い傾向にあります。マージン率が低い企業は、サポート等に問題があることも多く、長期的な付き合いを考えると、トラブルが起きる可能性が高くなります。

    社会保険・雇用保険

    次に大きい要素となるのが社会保険料です。派遣社員も加入要件を満たすと社会保険等への加入義務が発生します。社会保険や雇用保険は、人材派遣会社と派遣社員の双方が負担、労災保険は人材派遣会社が全額負担します。

    有給休暇費

    派遣社員は、人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業へ派遣されます。そのため、人材派遣会社には雇用主としての責任として、原則6ヵ月以上勤務した派遣社員に対し、所定労働時間に応じて有給を付与する必要があります。

    気を付けておきたいのが、付与条件はひとつの派遣先で6ヵ月以上勤務ではなく、人材派遣会社との雇用契約が6ヵ月以上であることです。そのため、自社の前に派遣されていた企業の契約期間も通算されます。

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    また、有給休暇の年5日取得義務は、その条件を満たす派遣社員にも適用されます。

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    諸経費

    人材派遣会社の諸経費には、以下のようなものが含まれます。

    • 事業活動に必要な経費
    • リクルーティング費用(広告など)
    • 営業活動費、販促費
    • 派遣社員の教育費
    • 派遣社員の通勤交通費(※1)

    など

     

    上記に加えて、無期雇用派遣の場合、待機コストリスクも発生するため、この割合が高くなる傾向があります。

    ※1 2020年4月の「改正派遣法」施行により、派遣社員と正社員の不合理な待遇格差は認められないとされました。そのため多くの人材派遣会社は、派遣社員に通勤交通費を支給しています。派遣会社によっては、派遣料金とは別に実費請求という場合もあるため、確認が必要です

    営業利益

    グラフをみてのとおり、人材派遣会社の利益率は1.2%と高くはありません。

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    派遣料金の相場に影響する要因

    人材派遣の派遣料金の相場に影響する要因として、大きく法律的要因と求人要件の2つがあげられます。

    法律的な要因

    人材派遣会社と派遣社員は雇用契約を結ぶため、雇用に関する法律の影響を大きく受けます。

    最低賃金法

    最低賃金法に則り、最低賃金以上の給与を支払う必要があります。最低賃金は上昇傾向にあります。東京都の2010年度の最低賃金は821円でしたが、2021年度は1041円と約27%上昇しています。

    同一労働同一賃金

    派遣社員の賃金や福利厚生等の待遇を決定する際に、就業する派遣先の企業や団体等の正規雇用労働者との間に不合理と認められる待遇の違いを解消することを目的として、同一労働同一賃金が労働者派遣法で定められています。

    労使協定方式(※2)を採用している人材派遣会社の場合、厚生労働省が発出している「同種の業務に従事する一般労働者の賃金」と同等以上での給与を支払う必要があります。また、交通費支給など待遇に関わる費用も含まれます。この「同種業務の一般労働者の平均的な賃金額」は市場の変化に即して毎年見直され、改訂されています。

    ※2 労使協定方式とは

    労使協定を締結することにより、同一労働同一賃金に対応する方式です。詳しくは、労使協定方式とは?派遣先がすべき同一労働同一賃金対応をわかりやすく で解説しています。

    派遣料金に影響する求人要件

    人材派遣の派遣料金は転職市場と近いものがあり、求める要件において「人材派遣で働きたい人がどのくらいいるか」は、料金に関わるポイントです。

    職種

    経理や人事など専門性が高い事務やIT系、金融業務などは、人材派遣市場においても募集より希望者の方が少ないため、時給が高くなる傾向にあります。専門的知識をもった人材は、正社員募集でも多くの案件があり、競合が多い状況です。

    スキル・経験・資格

    一般事務であっても英語が必要、高いOAスキルが必要だと時給は高くなります。資格が必要な業務についても同様に時給が高くなる傾向にあります。

    未経験でも可能な職種や資格は必要だが実務経験は問わない場合は、相場料金から時給を相談できる余地が出てきます。

    エリア・勤務地

    人材派遣に限ったことではありませんが、地域による賃金の差はあります。同じ要件であっても最低賃金の差などによる都道府県の相場の違いがあるため、一律にはなりにくくあります。

    また、同じ東京都であっても23区と23区外にも差がでるケースがあります。23区の中でも、駅から遠い、電車代の高い路線は不人気になる傾向もあり、その対策として時給をUPする企業もあります。立地に問題がなくても、人気の大手企業が隣接していたために人材が流れてしまいやすく、時給を上げざるを得ないというケースもありました。

    雇用条件

    土日出勤や深夜勤務、早朝出勤などは人気がないため、相場が高くなる傾向があります。またフルタイムの期間限定業務も人気があるとは言い難い条件です。

    登録層が少ない職種であっても、時短勤務や週3などの雇用条件の場合は、フルタイムより働きやすいと考える層からの応募が期待できます。

    求人トレンド

    求人トレンドも料金に影響が出ます。派遣料金は、ダイレクトにスタッフへの給与に反映される傾向にあります。そのため、人材不足(売り手市場)の時期は相場より低い料金の提示では、人材が見つからないことがあります。また、長年派遣料金の据え置きをしていると、市況や経済状況の変化によっては過去と同条件の人材は見つからず、条件の緩和が必要な場合もあります。

    このように人材派遣の料金は、さまざまな要因により相場がつくられていきます。人材派遣サービスを利用したい、新しいポジションを募集したい場合は、人材派遣会社に相談するのが早道です。疑問・不安などがあれば、複数社に話を聞いてみてもよいでしょう。

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    予算の組み立て方

    次に人材派遣を利用するポジションに必要な予算について解説します。

    予算の算出に必要な項目

    予算の算出をするために、以下の項目を出してください。その情報をもって人材派遣会社に相談します。

    • 所定の勤務時間と勤務日数
    • おおよその残業時間
    • 休日出勤の有無とある場合は時間
    • 深夜勤務の有無とある場合は時間
    • 出張の有無
    • 業務内容、求められるスキル(例えば経理の場合は、決算までのスキルが必要か、日常経理でOKか。医療事務はレセプトの経験が必要か等)

    ざっくりと計算したい場合は、派遣求人サイトで似たような案件を探して、掲載されている時給(派遣社員への支払い)を0.7で割り、おおよその派遣料金を算出してみることもできます。

    ただし、先ほど説明したように派遣料金はさまざまな要因が絡んでいるため、相場に近い料金かは不確かです。人材派遣会社に見積もりをとってみることをおすすめします。

    派遣料金の見直しかた

    人材派遣を依頼したが紹介がない場合は、相場と料金が離れているか、求職者が少ない、諸条件が不人気、などの理由が考えられます。紹介の無い具体的な理由は依頼した人材派遣会社に問い合わせましょう。仮に時給が原因だった場合、以下のような考え方で予算内におさめる方法があります。

    勤務時間を短縮し、派遣料金をUPする

    勤務時間を短くし、派遣料金をUP(派遣社員への時給に還元されることが前提)します。派遣社員の勤務時間は請求額に影響するため、そこで調整する方法です。

    例:派遣料金を100円あげ、勤務時間を1時間減らした場合

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    相場より低い派遣料金を設定する場合

    予算の問題で相場より低い料金設定しかできない場合、以下のようなリスクが生じます。

    • 人材の紹介がなく、該当ポストの長期間空席による機会損失
    • 部門メンバーの負担増
    • 派遣社員が定着しない

    このような状況を回避するためには、以下の対策が必要です。

    • できるだけ早めに依頼を出す⇒長期空席リスクに備える
    • 時短勤務など派遣社員に人気がある条件に変更(市場にあまりない条件)
    • 要件を見直す、未経験もOKとする

    会社ごとの事情も関係することなので、率直に人材派遣会社の営業担当者に相談してみましょう。

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    まとめ

    人材派遣の料金は、派遣社員への給与に大きく影響を受けます。求人トレンドやエリア、求める要件などさまざまな要因があるため、派遣料金の設定は、人材派遣会社に相談してみることが一番早い手段ではあります。予算を決定する前に見積もりを取るのもよい方法です。人材の紹介がない場合、人材派遣会社と相談する、または別の人材派遣会社に声をかけるなど対策をとっていきましょう。

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    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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