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中途採用における内定辞退|理由や対策方法を解説

掲載日2020年10月27日

最終更新日2024年4月16日

中途採用における内定辞退|理由や対策方法を解説

目次

採用担当者の多くが頭を悩ませるのは「内定辞退」です。

苦労して採用選考を行い、内定出しをしたにも関わらず、内定者から辞退の申入れを受けた時は、大きなショックを受けます。また内定辞退者が優秀な人材であればあるほど、後任を探すのは容易ではありません。この記事では中途採用における内定辞退に至る理由や防止対策について解説します。

なぜ内定辞退が起きる理由

内定とは企業と求職者の双方で入社について合意をしている、すなわち労働契約が成立している状態のことを指します。労働契約が成立しているとみなされるため、法的拘束力が生じます。

一方で求職者には実質的な拘束力はありません。求職者は求職活動するにあたり複数の企業に応募するのが一般的で、優秀な人材であれば、複数の企業から内定を貰い、より自身の希望にマッチした企業を選択します。そのため内定している企業があったとしても、求職者自身が希望にマッチしていないと感じたら内定を辞退することもあります。では、内定者がどのような理由から内定を辞退するのかを解説します。

他社で仕事が決定した

求職者が複数の企業の選考を同時並行させているのは、珍しくありません。業務や待遇など総合的な判断で、他社を選択する場合も残念ながら発生します。 自社で対応しようがない理由もありますが、自社の魅力を伝えきれていなかった可能性もあります。

待遇面に納得ができなかった

内定後に提示した、業務内容、給与や賞与、労働時間や休日などの勤務条件、勤務地、福利厚生などに納得がいかないケースです。 面接の中ではなかなか待遇について希望を言いにくい、具体的な待遇についての質問を避ける求職者は少なくないでしょう。 そのため、内定後に実際の待遇が自分の希望する条件に満たなかった場合、たとえ他社で内定が出ていなくても辞退し、転職活動を続ける求職者もいます。

選考中や内定後に悪い印象を与えてしまった

求職者にとっては企業の顔である面接官や人事が、面接や連絡時に横柄な態度や礼節に欠いた対応をしてしまうと、企業に対しての悪い印象を持ちます。選考の連絡や求職者からの問い合わせに対する回答が遅いなどの対応も、求職者は企業に対して不信感を持ち、志望度が低下してしまうことがあります。

また内定後に内定者とコミュニ―ションを図ろうと懇親会や面談を実施した場合、対応する社員が暗い顔をしている、会社に対してマイナスな発言が多いなどがあると、入社することが不安になり、内定辞退に繋がる可能性があります。

家族からの反対

「嫁ブロック」「夫ブロック」などの言葉があるように、求職者自身はその会社に転職したいと願っていても、給与や勤務地、企業のブランド力、環境の変化などの理由から、求職者の家族が反対で内定辞退に至ってしまうことがあります。求職者が新卒や第二新卒などの若い世代の場合、子供を心配する親が入社を反対し内定辞退になることもあります。

前職からの慰留

転職活動は、内定がでてから現職に退職の申入れをするのが一般的です。人材不足の企業は自社だけではありません。退職して欲しくない優秀な人材であれば、現職は給与や賞与のアップなどの待遇改善を提案し、現職に留まるよう慰留します。そのため優秀な人材ほど、現職からの強い慰留により転職意思が覆ってしまうことがあります。

不安になった、自信がなくなった

キャリアチェンジや責任範囲の広がりなど、転職後にこれまで経験してこなかったポジションに就く場合、不安が大きくなった、自信を持てなくなったなどの理由で辞退に至るケースがあります。また、仕事にブランク期間がある場合も同じような不安を感じることがあります。

内定辞退を防止する5つの対策

内定辞退は、採用活動に費やした時間とコストが無駄になってしまうだけでなく、あらためて採用戦略を練り直さなくてはならない、という点で企業にとって大きな損失になります。そのため内定辞退を防ぐための対策が必要になります。

誠実で早いレスポンスを心がける

募集要項を理解して応募してきた求職者が内定辞退するのは、会社に対する不信感や入社することへの不安が大きな要因です。そのため選考中は求職者が安心して、この会社に入社したいと思える状況をつくることが必要です。

選考は企業だけでなく、求職者もこの会社が、自身にマッチしている会社かどうか見極めようとしています。しかしながら面接のような場では、求職者が気軽に質問をすることは難しいです。そのため求職者が気軽に質問したり、疑問を解決できるように、社内見学会や社員との座談会を開催したり、面接以外で人事が求職者と気軽にコミュニケーションを取れるようにするなども効果的です。質問や疑問に対して、誠実に回答することで求職者は会社に対して好意的な印象を持つ事ができます。

また選考の合否連絡、面接のスケジュール調整などに早いレスポンスで対応することも、求職者は会社に対して信頼感を抱けます。

「正確」な情報を、「誠実」に「すばやく」求職者に伝えるということを意識するのが重要です。

内定者・応募者とのコミュニケーションは重要

内定辞退を防ぐ、または内定辞退をできるだけ早く察知するには、内定者とのコミュニケーションが不可欠です。

しかし、採用担当者の業務は多岐に渡る上に、個人情報を多く扱うため慎重な作業を要求されます。そのため、必要だとは理解していても内定者や応募者とのコミュニケーションに時間を使うことが難しい状況になりやすくもあります。

また、多くのエージェントと付き合いがある場合、エージェントとのコミュニケーションは大きな負担になります。しかしながらエージェントと良好な関係を築くことで、候補者の紹介が増加したり、第三者視点でのアドバイスをもらえることがあるため、おろそかにはできません。

このような場合、採用に直結する業務に時間と工数を集中する目的で、事務作業や一次スクリーニングなどを外部の専門家に依頼することも検討してみてください。

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面接の段階から待遇や条件を正確に伝える

「業務内容」「契約期間」「就業場所」「労働時間」「賃金」「社会・労働保険の加入の状況」「試用期間」「求人者の名称」「裁量労働制」「固定残業代に関すること」など求人広告における明示が義務化されている情報はもちろんのこと、会社の強みや求めている人材像、社風、キャリアパスなども面接でしっかり伝えます。

待遇や条件は、候補者が質問しにくいこともあるため、積極的に伝え、疑問や要望がないかを確認しましょう。

ただし求職者によく思われたいからと誇張してしまう、もしくは誤解をまねくような伝え方をしてしまうと、内定後の条件とのギャップが生じ、内定辞退になる可能性があるので注意が必要です。

内定後も適切に接触する機会を設ける

入社までの間に連絡が全くないと、内定者は不安を感じます。そのため人事担当者自ら積極的に内定者にコンタクトを取り、コミュニケーションを取ることが重要です。コミュニケーションを取ることで、内定者が不安になっている、心が揺れ動いているなどを感じ取ることができれば、不安の原因を確認し、解消するように動くことで内定辞退を防ぐことができます。

特に入社までの期間が長い場合は、懇親会や勉強会などでコミュニケーションを取れる機会を増やすのも良いでしょう。

必要としている、期待していることを伝える

非常にシンプルなことですが、期待を言葉にして表すことで、入社意欲を高める効果が期待できます。「期待されている=入社を歓迎されている」と感じる事ができれば、入社に対する不安も解消されます。所属する部門の責任者や役員が期待していることを伝えることも効果的です。ただし、プレッシャーとならないよう気を付けましょう。

自社の魅力を面接でしっかり伝えきる

先述の通り求職者は複数の企業に応募しています。そのため自社が必ずしも第一志望ではありません。採用したい求職者に複数の内定がでても、この会社に入社したいと思えるように、自社の魅力を面接官は伝えていく必要があります。ホームページや募集要項ではわからない会社のビジョンや職場の雰囲気などを、きちんとアピールしていきましょう。

また基本的な事ですが、求職者は面接官の身だしなみや振る舞い、発言をみて、この会社で一緒に働きたいかどうか見極めようとします。人事担当者以外の社員が面接を担当する場合は、「一緒に働きたいと思われる面接官」になれるよう、事前に面接官トレーニングなどを実施すると良いでしょう。

内定辞退を今後に活かす方法

内定辞退は残念なことではありますが、「他社からも内定を貰っている(=評価の高い)」優秀な人材からの貴重な意見収集の場として、謙虚な姿勢で受け止めることが大切です。内定辞退者に「なぜ辞退するのか」をヒアリングし、自社の改善点を見つけることができます。

内定辞退者に対してヒアリングが難しい場合もありますが、転職エージェントを利用した採用活動を行っている場合、エージェントから「求職者の本音」を確認してもらうことができます。直接的に内定辞退者の本音を聞くことができないとしても、第三者の視点で改善点に関してのアドバイスを受け、次回の採用活動に落とし込んでいくことで、選考の精度を高めることができます。

内定辞退防止に取り組む企業の事例

1.運輸会社

運転手の採用を行っているが、業界に対するマイナスイメージが強く、家族からの反対で内定辞退が高いことが課題だった。そのため家族の理解が得られるよう、営業所見学会を定期的に開催。業界に対して悪印象をいだいていた家族も、見学会で実際に働く社員の姿や最新技術を用いた工場などをみることで、業界・会社・業務内容などに対しての悪いイメージが払拭され、内定辞退率が改善された。

2.サービス業

どの職種においてもITリテラシーの強化・向上が必要という企業方針により、内定者の職種を問わず、eラーニングでのプログラミング研修を実施。身近なWEBサービスの仕組みの理解に繋がったなど、受講した内定者の満足度も高く、内定辞退の抑制に役立っている。

まとめ:採用の目的に立ち戻ることが重要です

内定辞退の防止は、内定後のフォローだけではありません。「自社で高いパフォーマンスを発揮できる人材に入社してもらう」という採用の本来の目的を達成するために、どのような人材が必要か、必要な人材が会社に何を求めているかを理解し、必要な人材に、必要な情報を適切な方法で発信していくことで、内定辞退は抑制することができます。

もちろん内定辞退者を0にすることは難しいですが、内定辞退の理由が、企業努力で改善できる要因であれば、それを改善していくことで、入社して欲しい人材を一人でも多く採用することができます。

著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社

マンパワーグループ株式会社

世界70カ国・地域にオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。

リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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