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面接代行を利用すべき?サービス範囲とメリット・デメリットをわかりやすく解説

掲載日2023年10月17日

最終更新日2024年4月16日

面接代行を利用すべき?サービス範囲とメリット・デメリットをわかりやすく解説

目次

面接代行とは、採用選考の工程のうち、面接とそれに関わる業務を外部の代行業者に委託することで、採用負荷を軽減し質を向上するものです。

オンライン面接の普及で、応募者と面接官が必ずしも同じ会場に集まらなければならない必要性が低くなったという環境の変化もあり、ここ数年でより多くの企業が面接代行サービスを活用しやすくなりました。

採用活動の多様化・長期化に伴い、人事採用担当部署のマンパワー不足を解消し、採用力を向上させる面接代行の注目度が高まっています。

面接代行を検討する際に知っておきたい基礎知識から、利用する際の注意点まで、わかりやすく解説します。

マンパワーグループでは、面接代行を含めた採用代行サービスを提供しています。
本コラムで取り上げている企業課題に関するご相談や、弊社サービスに関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
▶ サービスについて問い合わせる

面接代行とは?

面接代行とは、その名のとおり採用選考における各種面接を代わりに行う業務委託の一種です。トレーニングを受けた面接官が、オンラインや対面での面接を通して、あらかじめ定められた基準に従い応募者に評価付けを行います。

ここ数年で、業務の効率と集中を促進と人手不足への対応のため、企業の業務プロセスの一部を外部委託する「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の活用がさまざまな分野で普及しました。

そのBPOの一分野が、採用業務プロセスの一部を専門業者に外部委託する「RPO(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)」です。採用選考という時期性・専門性の高い分野に多数の専門業者が誕生しました。応募者データベース管理・書類管理・テスト監督・説明会運営・面接会場準備・内定者研修など、採用のさまざまなステップで代行を依頼できます。

BPOとRPOにおける面接代行の位置づけ

今回は、RPOのなかでも特に人的リソースが必要な面接業務を実施する「面接代行」について詳しく解説します。

関連記事

BPO(業務委託)に関しては「アウトソーシングとは?メリットを引き出す導入ステップを解説 」、RPO(採用代行)に関しては「採用代行(RPO)とは?メリット・デメリットと業務例を解説」 にてそれぞれ詳細に解説しています。

面接代行のサービス範囲

面接代行で想定されるサービス範囲について一般的なケースを解説します。

「面接代行」の業務内容はあくまで面接官としての役割の代行です。
面接会場の運営や受付枠の管理、応募者との日程調整などは含まれないケースが多いですが、多くのRPO事業者では対応が可能なため、付随業務への対応が必要な場合は相談してみるとよいでしょう。

面接代行では大きく分けて4つのステップで十分な打ち合わせを行い、業務を進めていきます。

1.採用基準の策定と確認

面接代行では、面接実施の前にどのような基準で評価をつけ、どのような形式で報告するか打ち合わせを行います。

「自社に合った人材」「ポテンシャルがある人材」など、曖昧な採用基準では結果にバラツキが生じる可能性があります。どのような能力・興味・価値観・性格を評価するか、これまで採用した社員の採用時の評価を参考にしながら評価項目を策定しましょう。

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評価項目の策定にあたっては、「採用基準とは?基準の作成方法と見直し方を解説 」もご覧ください。

2.面接形式の策定と確認

採用基準を満たす人材をどのように判断するかという点と、面接を実施する時間や場所、応募者数などの条件面をすり合わせし、面接形式を策定します。

グループディスカッション、集団面接、個人面接といったステップごとに委託するケースや、自社の面接官のサポート役として立ち合いを依頼するケースなど、自社にとって有効なかたちを相談しましょう。

3.面接の実施

面接代行は一般的に「その会社の社員である」という前提で実施されます。

なお、面接代行会社であることを応募者に伝える形で面接を実施する面接代行サービスもあります。第三者であることを伝えることで、人事採用担当者には直接聞きにくい内容の質問などにも対応し、応募者の満足度を上げることができる点がメリットです。

4.面接後の評価

面接内容のリポートおよび評価についての報告が行われます。依頼した企業は評価に基づき、最終的に合否の判断を下します。

面接の評価が適切なものか、評価基準は正しく反映されているかを確認しながら、評価の精度を高めましょう。

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企業の面接代行の導入理由

企業を健全に存続・発展させるために、人材採用は必要不可欠なものです。人材採用の中心的役割を果たす面接を、自社の社員で実施するのではなく専門業者に代行依頼する理由にはどのようなものがあるのでしょうか。

導入理由は大きく分けて、面接スキルを持つ人員の不足と曖昧な評価基準によるミスマッチの発生のふたつが挙げられます。同じような課題を抱えている場合、採用代行の導入が課題解消に効果を発揮するでしょう。

面接官(人事)の人員不足

情報チャネルの増加および、それに伴う応募者の情報リテラシー格差拡大により、採用手法がますます多様化していることもあり、人事の工数は年々増えています。

また、応募者の多い企業では一度の募集に対して数百~数千人の応募があることも珍しいことではありません。

加えて、採用選考手法によって異なるものの、経験者採用では2~3回程度、新卒採用では3~5回程度の選考ステップを用意するのが一般的です。

多くのチャネル・応募の全てに対応するための面接官の物理的な人員不足のみならず、面接官のスキル不足による問題がある場合もあります。トレーニングを受けた面接官を必要な時期だけ確保できる面接代行は、有効な代替手段です。

ミスマッチによる早期退職などの弊害が発生

優秀な人材だと見込んで採用に至ったにも関わらず、ミスマッチが生じて早期退職が続いてしまうケースでは、面接官のスキル不足が原因のひとつである可能性があります。

応募者が求める人物像とマッチしているかを根拠を持って判断するためには、面接官としてのトレーニングと経験が必要です。社内での面接官育成を短期間で実施するのは難しいため、面接官のスキル習熟までの期間、面接代行の導入で面接対応工数の補完をするという活用方法も可能です。

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面接代行のメリット

面接代行を実施した場合、人事の工数削減以外にも、応募者の評価軸の統一面接のレベル向上などのメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。

応募者の評価軸を統一できる

面接代行は「社員個人の好み」に左右されるような、評価の不確定要素を排除し、応募者の評価軸を統一できます。どのような人材をどのような基準で評価するか、面接官全員で統一することは採用の基本です。

面接官によってそれぞれ異なる評価基準で面接を行った場合、配属部署や上司によって求める人物像が異なり、ミスマッチを起こし、早期離職に繋がるなどのリスクがあります。しかし、評価基準の統一は実は簡単なことではありません。

特に採用部門による面談など、普段採用選考の設計に関わらないメンバーが評価する場合、「評価シートには記載されていないけれど、自分の後輩にするならこんなタイプの新人が来てくれたらうれしい」といった個人的な「好み」が反映されてしまうことも起り得ます。

面接のレベルを向上できる

面接代行のスタッフは多種多様な企業で豊富な面接経験があり、応募者の能力や価値観を引き出すための面接官トレーニングも受けている、いわば「面接のプロフェッショナル」です。面接代行担当者がどのような仮説を立て、個々の質問を決定しているかを観察することで、自社社員の面接力向上に役立てることができます。

限られた自社リソースの活用を最適化できる

面接は、準備や実施以外にも評価シート入力など、どうしても時間と工数がかかります。面接の全行程を委託することはできなくても、対応件数が多い1次面接は面接代行を利用し、2次面接からは人事が対応するなど、部分的な導入でも限られた自社リソースの有効活用がしやすくなります。

また、人事採用担当者と意思決定の役員クラスのみの少人数で面接を担当しているなど、初期スクリーニングの書類選考や筆記試験などで選考人数への大幅な調整をかけざるを得ない、または面接時間を短くせざるを得ないというケースで発生する「機会ロス」を防ぐことも、面接代行では可能です。

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面接代行のデメリット

多数のメリットがある面接代行ですが、利用により生じるデメリットもあります。デメリットを踏まえたうえで、どのように活用すればリスクを軽減できるかを解説します。

すりあわせ不足による認識の相違でミスマッチが発生することも

面接代行を行う担当者は、その企業の文化や求める人材の特性を完全に理解しきれているわけではありません。このため、企業の認識とのズレが出てしまい、最終的には選考結果に影響を及ぼす可能性があります。

対策として、まず「面接の質問をあらかじめ決める」という方法が考えられます。さらに、「採用基準の言語化」も効果的です。具体的な採用基準を明文化し、それを面接代行ベンダーに共有することで、認識の相違を防ぎます。

また、最初のうちは「面接に同席する」ことも一つの方法として考えられます。企業担当者が面接の様子を直接確認することで、面接官の評価方法や認識のズレを即座に修正することが可能です。

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あらかじめ定められた同じ質問をどの応募者にも同じ順序で行うことにより、正確性の向上を図る「構造化面接」という手法も存在します。

構造化面接については「構造化面接とは?面接官ごとの差異を防ぎ評価基準を一定に保つ 」で解説しています。

こちらの資料もおすすめです

求人要件チェックシート

求人要件チェックシート

採用活動において、関係者の認識の相違は、採用の遅れや無駄なコストの発生につながります。このチェックシートは「求める要件・人物像」を具体的にし、関係者の認識を合わせるためのツールです。

自社の魅力づけが十分にできない可能性がある

応募者は面接を通じてその会社についてより深く知りたいと考えています。競合他社と比較した自社の強みや応募者に必ず伝えて欲しいことなどを共有していないと、十分に応募者に伝わらない可能性があります。

以下のような項目については共有し、応募者にいつでも情報提供できるよう準備しましょう。

情報提供する項目の一例)

  • 実際の仕事内容とやりがい、大変なこと
  • 自社商品の優位性
  • キャリアパス
  • 職場の雰囲気
  • 男女比や部署の人数など
  • 同業他社との違い
  • 福利厚生や休日休暇
  • 評価制度
  • 教育研修制度

応募者との関係性が希薄になりやすい

面接を自社運用する場合、応募者と何度も面談したりメールや電話でのやりとりで印象に残る応募者に声がけをしたりといった関係構築が可能です。

面接代行を利用すると自ずと接触機会が少なくなるため、入社後まで関係性の薄さが影響する可能性があります。内定者フォローや入社前研修など、入社までの接触機会を増やしましょう。

面接代行サービスを利用時に留意すべきポイント

メリット・デメリットを踏まえ、面接代行サービスを利用する際に留意しておきたいポイントをまとめました。

面接代行のメリットを最大限に活かすためにも、利用前だけに限らずこれらのポイントは導入後も定期的に確認し、内容をアップデートしていきましょう。

提供する情報をしっかりとまとめる

面接官が適切に応募者の能力やスキルを確認するためには、その会社の仕事内容を具体的に把握することが欠かせません。

また、面接時に質疑応答の時間を取らない場合でも、応募者側から面接時に質問を受けることもあります。具体的な仕事内容や任せる業務の範囲、会社の制度や今後の計画など、各部署連携の上、自社について具体的に情報提供しましょう。

情報提供する項目の一例)

  • 評価基準(人材要件の優先順位やパーソナリティなども含めて)
  • 自社の魅力や強み
  • 応募者からのよくある質問
  • 採用したい人物像

委託する内容を明確にする

委託したい業務範囲を具体的にし、それを仕様書などに記載しておきます。

選考が開始してから「最も依頼したかった煩雑な業務は任せられないことがわかった」ということがないよう、委託したい内容を明確にして見積を依頼することが大切です。また、面接による評価シートのボリュームや面接時間などについても確認することが必要です。

面接代行に任せっきりにしない

ヒアリングが十分に行われ、自社の要望をきちんと反映した面接代行が進むと、つい「任せきり」にしてしまいがちですが、自社の採用活動のデータとして蓄積しておくことが必要です。

評価基準が甘すぎる/厳しすぎるなどの判断があれば、速やかに修正し、面接通過率を調整するよう随時対応しましょう。こまめな情報共有は大きなトラブルを回避することにも役立ちます。

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著者プロフィール

マンパワーグループ株式会社

マンパワーグループ株式会社

世界70カ国・地域にオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。

リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

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