マンパワーグループがお届けする「人材」に関する専門メディア

manpowerclip

マンパワーグループがお届けする「人材」に関する専門メディア

派遣の契約形態の種類と労働契約法・派遣法について詳しく解説

掲載日2020年11月17日

最終更新日2021年9月22日

目次

    2013年4月1日の「改正労働契約法」施行により、有期雇用社員の「無期労働契約への転換」がスタートしました。さらに2015年には「派遣法」の改正により、有期雇用派遣の最大契約期間が3年に一律化されたため、労働契約法と派遣法の2つの関連がよくわからず、混乱する派遣先企業担当者の声も聞かれます。これらはどのような違いがあるのでしょうか? ここでは労働契約法と派遣法の違いを確認しながら、派遣の契約形態の種類と特性について解説していきます。

    派遣法の3年ルール・労働契約法の5年ルール

    近年、国が推進してきた「働き方改革」に呼応するように、関連法の改正が相次いでいます。混乱しやすい派遣法の3年ルールと、労働契約法の5年ルールについて確認していきましょう。

    2013年の労働契約法改正の確認

    2013年(平成25年)に施行された改正労働契約法では、「無期労働契約への転換」、「「雇止めの法理」の法定化」、「不合理な労働条件の禁止」の3つのルールが規定されました。「無期労働契約への転換」は「労働契約法の5年ルール」とも示され、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合に、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換する規定があります。有期労働契約の派遣社員は対象となります。有期雇用派遣社員が無期労働契約への転換が行われると、次に述べる「派遣の3年ルール」には該当しなくなり、3年を超えて勤務してもらうことが可能です。

    2015年の派遣法改正の確認

    2015年(平成27年)の派遣法改正で規定されたのが「派遣の3年ルール」です。この改正により、これまで期間制限のなかった専門26業務の廃止に伴い期間の制限が一律3年になりました。

    この法改正のポイントは、事業所単位・個人単位で期間制限が設けられていることです。「事業所単位での期間制限」は、同一の派遣先企業が派遣社員を受け入れる場合、原則3年が限度となります。3年までの間に派遣社員が交替したり、別の派遣会社との契約に変更したりする場合でも、派遣可能期間は変わりません。3年を超えて派遣社員を受け入れたい場合は、労働組合などからの意見を聞く必要があります。

    「個人単位での期間制限」については、一人の派遣社員が派遣先企業の「同じ部署」で勤務できる期間は3年が上限となります。その後は「異なる部署」であれば派遣社員として勤務することができます。

    なお、派遣元企業と無期雇用契約を結んでいる派遣社員、もしくは60歳以上の派遣社員については、「派遣の3年ルール」の対象外となります。

    派遣法の改正により、派遣社員の正社員化推進・雇用安定措置への施策も規定されました。派遣先企業は、該当する派遣社員に対して社員募集情報を提供する義務を負います。対象となるのは、派遣先の同一の事業所で1年以上にわたって継続労働した派遣社員です。部署替えなど個人単位で変更があった場合も、同一事業所内であれば提供義務が生じます。提供する情報の内容は、正社員に関する募集情報であること。方法としては、求人票の貼り出しやメール送付による通知、派遣元企業を通じた情報提供などがあります。

    正社員化推進・雇用安定措置のために派遣先企業に義務付けられている情報提供のルールを以下にまとめました。                   

    対象者同一事業所で、1年以上受け入れている有期雇用・無期雇用の派遣社員同一組織単位で、3年の就業見込みがある有期雇用の派遣社員
    派遣先の対応
    当該事業所で正社員の募集を行うときは、対象となる派遣社員に対して社員募集情報を提供しなければならない 正社員だけでなく、パートタイム労働者、契約社員など当該事業所で直接雇用している全ての労働者に関する募集情報を提供する。

    また、派遣業界の健全化を図るため、一般労働者派遣事業・特定労働者派遣事業の区別なく、すべての労働者派遣事業が許可制となりました。不適切と見なされた派遣業者に対しては、許可の取り消しが行われます。派遣先企業はこの点を踏まえ、信頼性の高い派遣業者を選定する必要があります。

    派遣法で派遣先企業に求められる措置とは?

    派遣社員の雇用主は、派遣元企業です。雇用主と実際の業務を指示する人が異なる派遣社員が安全に働けるようように、派遣法では派遣先に対しても講ずべき処置を定めています。派遣先の講ずべき処置については、下記の資料でわかりやすく解説しています。

    cover_tempguide-intermediate03.png  

    各契約形態の種類における特性

    続いては、無期雇用派遣と有期雇用派遣の特性について解説します。

    無期雇用派遣

    無期雇用派遣=正社員の派遣と考えがちですが、無期雇用派遣はあくまで「期間の定めのない労働契約をしている社員の派遣」のことです。

    派遣先企業が無期雇用派遣契約を結んでいる派遣社員を受け入れるメリットとしては、派遣法で定められた3年ルールの対象外となるため3年を超えて稼働してもらうことができるということです。このため、習得に時間がかかる業務にも従事させることができます。また、3年ごとの入れ替わりがないため、リプレイス対応などの工数削減も期待できます。

    無期雇用派遣の派遣社員は、一つの派遣先企業で長く働いてきた人材であることが多く、安定した稼働を期待できます。派遣元企業の正社員が派遣されるケースもあります。

    その一方で、有期雇用派遣に比べて、派遣契約料金が若干高い場合も考えられます。派遣先企業は、無期雇用派遣を受け入れる「メリット」と「コスト」のバランスについて考慮することが求められます。

    有期雇用派遣

    有期雇用派遣とは、派遣会社に登録し、派遣先が決定してから、有期労働契約を締結して社員を派遣することです。3年ルールの対象となるため、長期にわたって同じ部署で同一の派遣社員を働かせることはできません。長期間、継続して業務に就いてもらいたい場合には向きませんが、「期間限定的な業務」や「高い習熟度を必要としない業務」であれば問題なく受け入れられます。

    有期雇用派遣のメリットは、一般的に派遣元企業と無期雇用契約を結んでいない人の方が多く、そのぶん、人材の間口が広がるため、スキル特性など求める人物像に近い人材を受け入れることができます。

    派遣社員の受け入れ前に派遣元企業に確認しておくポイント

    これまで説明してきたように、派遣スタッフの雇用契約には、有期雇用契約と無期雇用契約の2種類があります。大きな違いは、就業できる期間に制限があるかどうかです。そして、派遣スタッフが無期雇用契約に移行するタイミングは以下の2パターンです。

    1. 自社の同一部署で3年働いた
    2. 派遣元(派遣会社)と派遣スタッフの間の雇用契約が5年経った

    最初から無期雇用派遣のスタッフが就業する場合は、派遣先への影響はありません。就業中に有期雇用契約から無期雇用契約に移行する場合は、影響がでてきますので念頭に入れておく必要があります。

    派遣元の無期雇用契約の方針について確認しておく

    • 無期雇用契約をする方針があるかどうか
    • 無期雇用契約を実施する場合、無条件でスタッフと契約を結ぶのか、試験等があるのか
    • 料金に変更はないか
    • その他、契約に関する変更点はでてくるか

    派遣元によって方針が異なる部分でもありますし、契約条件が変更になる場合、それを受け入れるかどうかも決めておく必要があります。事前に派遣元に確認・相談し、方針を決めておきましょう。

    派遣スタッフが無期雇用契約を望むかどうか

    これは自由意志なので、無期雇用契約を希望しないスタッフもでてきます。その場合、就業を継続できるかどうかは、以下のケースのとおりです。

    1. 同一部署で3年働いたケースでは続けることができません
    2. 派遣元との雇用契約が5年を超す場合で、1.に該当しなければ継続可能です。(自社で稼働する前に他社で長期稼働していた場合が当てはまります)

    ここでもうひとつ注意しておきたいのは、後任者を迎えるタイミングです。「後任が見つからない」、「引き継ぎが長引いている」などの理由で派遣契約を、3年を超えて延長することはできません。いつもの契約更新よりも余裕をもって、派遣元に相談し進めていきましょう。

    まとめ:派遣期間の制限を正しく理解し、派遣サービスを活用

    労働契約法や派遣法のルールにより、有期雇用派遣と無期雇用派遣では、期間制限の規定や派遣される社員の雇用契約が異なります。導入シーンに合った派遣サービスを活用できるよう、派遣法と労契法のそれぞれに期間制限があることも理解しておきましょう。

    参考:
    有期契約労働者の無期転換ポータルサイト|厚生労働省
    「働き方改革関連法」の概要|東京都産業労働局
    派遣で働く皆様へ|厚生労働省

    こちらの資料もおすすめです

    はじめての派遣スタッフ受け入れガイド<初級編>

    はじめての派遣スタッフ受け入れガイド<初級編>

    派遣スタッフを受け入れたいが、何が必要かがわからない等々の企業担当者のために、派遣の仕組みや派遣スタッフの受け入れ方、労働者派遣法をはじめとした労働法の注意点をわかりやすく解説。

    はじめての派遣スタッフ受け入れガイド<テレワーク編>

    はじめての派遣スタッフ受け入れガイド<テレワーク編>

    派遣社員のテレワーク導入にあたってのリスクと対策について、解説します。

    本コラムで取り上げている企業課題に関するご相談や、弊社サービスに関するご質問などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
    ▶ WEBフォームでお問い合わせ

    ■マンパワーグループの人材派遣サービス
    https://www.manpowergroup.jp/client/serve/temporary/

    ■若年層の無期雇用派遣 M-Shine(エムシャイン)
    https://www.manpowergroup.jp/client/serve/mshine/

    ■マンパワーグループのプロフェッショナル派遣「Pro Assign」
    https://www.manpowergroup.jp/client/serve/project-expert

    著者プロフィール

    マンパワーグループ株式会社

    世界75カ国・地域に2,200のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材サービスのグローバルカンパニー、ManpowerGroupの100%出資の日本法人。 リクルーティング、評価、研修、人材育成、キャリアマネジメント、アウトソーシング、人材コンサルティングなど、人材に関するあらゆるソリューションを世界的なネットワークで展開する総合人材サービス会社。

    TOPへ